「Simpleの追究」と「儲けるは欲・儲かるは道」
朝が白々と明けてきたら、
成田の森の上空にジェット機。
ほとんど一睡もせずに、
原稿執筆。
というかこのところ、
深夜や明け方も起きていて、
しかも昼は激務。
だから慢性的な睡眠不足で、
そのくせ夜中にも目が覚める。
サッカー西野ジャパンが帰国。
西野朗監督は7月で退任。
そして率直に述懐した。
「あの30分で判断するスピード感が
自分になかった」
正しい自己分析だ。
長谷部誠主将も語る。
「99%の満足と1%の後悔がある」
ん~。
「7割の満足と3割の後悔」
このくらいにしてほしいところだ。
しかし長谷部は代表を退くから、
この感想なのだろう。
いずれにしても、
4年後に向かって、
スタートは切られている。
私は7時過ぎには、
成田空港の隣の会議室。
イオンリテール(株)米国研修。
はじめに全員が立ち上がって、
「イオンの誓い」。
そして行動規範。
人事部マネジャーの吉田元さんが、
この研修の狙いと注意点を、
しっかり話してくれた。
それから三度目の事前講義。
朝から1時間みっちりと、
まずPFグラフについて解説。
本来はラインストラクチャーグラフ。
その中の一つがPFグラフ
棚卸しは二人一組でやる。
だから商品調査も二人三脚、
あるいは数人のチームでやるのがいい。
そしてウォルマートから学ぶこと。
まだまだ話したいが、
出発が迫っている。
全員で写真。
行ってきます。
さて、7月の商人舎標語。
[Message of July]でもある。
Simpleを追求しよう!
Simple is best,
but simple is difficult.
単純なのが一番いい。
しかし単純であることこそ難しい。
GM研究所長のチャールズ・ケタリング。
研究所の壁に言葉を掲げていた。
「解決されてしまえば、
どんな問題もシンプルだ」
現代は情報社会だ。
消費者の頭の中は、
いつも「情報渋滞」にある。
だからSimpleさが強みとなる。
Simpleであることこそ、
「ポジショニング戦略」の要である。
そしてそのシンプルさの3つの特徴。
とんがり/らしさ/ユニークさ。
ドラッカーのイノベーション原理。
焦点を絞り、単純なものにする。
そのために小さくスタートする。
けれど最初からトップの座をねらう。
Simple is beautiful.
Simple is useful.
Simple is perfect.
Simple is best.
But simple is difficult.
単純であることこそ難しい。
しかしそれでも、解決されてしまえば、
どんな問題もシンプルだ。
〈結城義晴〉
スティーブ・ジョブズは言い残している。
“Simple can be harder than complex”
単純なことは複雑なことよりも難しい。
EATALYのスローガン。
“It’s difficult to be simple”
Simpleであることは難しい。
Simpleはつまり、
Hardでdifficultなのです。
だからこそやりがいがある。
朝日新聞「折々のことば」
儲けるは欲
儲かるは道
(古紙回収車の貼り紙)
面白い。
編著者の鷲田清一さん。
「近所を巡回する軽トラックの
運転席の背に見つけた。
経営コンサルタント田辺昇一の
本から引いたらしい」
「”金は天下の回りもの”とも言うが、
儲けようという浅ましい欲など抱かず、
人々のために、要らぬ物を引き取り、
要る人に回すという
当たり前の仕事をきちんとしていれば、
おのずと金は回ってくると
自らを励ましてか」
そのとおり。
「たぶん、路上こそが
稼ぎ場だと引っかけてもいる」
これもその通り。
「道」に対する老子と孔子の見解。
まず老子の「道」とは、
名づけることのできない、
すべてを超越した真理である。
仮に名づけているにすぎない。
そして万物の終始に関わる道を「天道」、
人間世界に関わる道を「人道」とした。
一方、孔子は天地人の道を追究した。
「子曰 朝聞道 夕死可矣」。
「朝(あした)に道を聞かば、
夕(ゆうべ)に死すとも可なり」
『論語』の言葉。
朝に天地人の道を聞くことができれば、
その日の夕方に死んでも後悔しない。
古紙回収を仕事とするこの人は、
老子や孔子の「道」と、
自分の稼ぎを創り出す路上を、
さりげなく掛け言葉にして、
「慾」のない商売であることを表現した。
何を言っても、
何を書いても、
「慾」が見え隠れするのは、
よろしくない。
倉本長治も「商売十訓」の初めに言った。
「損得より善悪を先に考えよう」
つまりは、無欲、無私。
アメリカ合衆国は、
プラグマティズム(実用主義)で、
ビジネスライクな国に見られがちだ。
しかしそんなアメリカで人気の企業には、
老子や孔子の「道」に通じるものがある。
それを学びに行ってきます。
〈結城義晴〉