ウォルマートの西友売却(!?)とイオンリテールNY成果発表会
商人舎流通SuperNews。
ウォルマートnews|
ウォルマート西友売却で日本市場から撤退?!
アメリカではそんなニュースは、
発表されていない。
日経電子版に載って、
それから今日の夕刊一面トップ記事。
「ウォルマート、西友売却へ」
商人舎の流通SuperNewsには、
【結城義晴の述懐】として、
コメントしておいた。
こんなニュースにはブログとともに、
流通SuperNewsですぐにMessageを出す。
新しい価値観の時代がやってきた。
それも途方もなくスケールの大きな、
従来の小売商業をひっくり返すほどの、
パラダイムの変化である。
ただし、まだ西友が売却されると、
決まったわけではない。
ウォルマートはイギリスと同様に、
どこかの企業と統合させて、
実際の経営はしないかわりに、
拠点として残したいんじゃないだろうか。
だから今年1月には楽天と組んで、
ネットスーパーも始めている。
セインズベリーnews|
ウォルマート傘下アズダと合併/年商510億ポンドへ
イギリスでは、この5月1日に、
アズダとセインズベリーが統合。
一挙にテスコに迫る。
そして経営はセインズベリー、
ウォルマートはアンチ・テスコとして、
セインズベリーと共闘する。
大きな価値観の変化。
スケールはさらに巨大になっていく。
「商人の本籍地と現住所」の考え方は、
とてもとても大切な価値観として、
連綿と続いていくに違いない。
さて、昨日の朝8時。
マンハッタンのルーズベルトホテル。
イオンリテール研修団とお別れ。
彼らはJFケネディ空港から成田へ。
私はニューアーク空港からシアトルへ。
マンハッタンが遠くに見える。
ズームすると遠近感がなくなる。
6時間のフライト、3時間の時差。
ここで3日間、一人のホテル生活。
ホールフーズやamazon goを、
毎日、楽しみながら、感じ取る。
一昨日の夕方は、
イオンリテール研修最後の、
グループワークの発表会。
場所はTKPカンファレンスセンター。
ウェルカムボード。
階段を下りて地下1階。
そこにもウェルカムボード。
全員が自由視察を終えて、
4時15分前に集合。
事務局の森崎龍二さんが、
発表会の趣旨と方法を説明した。
イオンリテール(株)人事部。
9つのグループに分かれているが、
くじ引きで順に発表している。
イオンリテールのカンパニーごとに、
チームがつくられている。
ダラスからニュージャージーまで、
毎日2時間ほどのグループワークをした。
そのプロセスと結論を発表し、
新たな提案をする。
第一発表チームは、東海カンパニー。
ポジショニング戦略を、
オーソドックスにきちんとまとめてくれた。
発表が終わると質疑応答があって、
最後に結城義晴の講評と指導。
第2発表は近畿カンパニーA。
新店開発委員長が参加していて、
その新店のコンセプトをチームで検討した。
もちろん今回の研修の成果を盛り込んだ。
大胆な発想と妥当な意見など闘わせて、
質疑応答も盛り上がった。
第3発表は北関東カンパニー。
PFグラフとマグネット売場の調査から、
コモディティとノンコモディティの、
展開方法を考察した。
私の講評でも高い評価だった。
第4発表は南関東カンパニーA。
事実⇒分析⇒仮説⇒提案のステップを踏んで、
最後は「もっとデリ」の提案。
第5発表は中四国カンパニー。
日米の就業主婦のデータなど使って、
論理的科学的に提案。
チームワークもよかった。
そして第6発表は東北カンパニー。
クローガー、HEB、ショップライト、
そしてウェグマンズの、
それぞれのポジショニングと取り組み、
その考察をした。
結論の標準化された仕組みと、
地域別・フォーマット別の店づくりに関して、
私の見解を述べた。
第7発表は北陸信越カンパニー。
ポジショニング戦略体系をよく学んで、
構成要素に「オペレーション」を加えた。
これはとてもよかった。
そして第8発表は南関東カンパニーB。
アメリカのサービスを観察、考察して、
日本のイオンのサービスの在り方を提案。
このチームもいい発表だった。
最後の最後は近畿カンパニーB。
「農産改革」のために、
アメリカのプロデュースを徹底的に分析。
イオンリテールの問題点などもあぶりだされ、
それに関しても店長の立場からどうするか。
私の指導が入る。
6時ぴったりに発表と講評が終了。
一度、ホテルに戻って、一安心。
すぐに、さよならディナーへ。
カフェ・セントロ。
オープンエアーのスポーツバーが、
併設されている。
乾杯をして、食事が出る前に、
各グループの提案結果に対して、
準優勝と優勝を発表。
準優勝は、北関東カンパニー。
どれもいい発表だったので、
さんざん悩んだが、このチーム。
伊藤竜也さんに授与。
浦和美園店店長。
おめでとう。
そして優勝は近畿カンパニーA。
西嶋賢一店長に授与。
目前に控えた店舗改装オープンが、
彼らの調査と観察と討論に、
リアリティを与えた。
それを解説した。
帰国してからこそ、頑張ってほしい。
無事、グループワークの発表と、
最後のディナーが終わって、
事務局で写真。
世界はどんどん動いていく。
ダラス、ニューヨーク、シアトル。
学び続け、考え続けることの意義は、
ますます重くなる。
(つづきます)
〈結城義晴〉