結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年08月23日(木曜日)

伊藤園大陳コンテスト大審査会とPolitical Merchantの勇気

ああ、今度は台風20号。

しかも、またしても西日本。

四国に上陸して、
中国、近畿を抜ける。

台風の代表的な発生の地域は、
マリアナ諸島近海の熱帯太平洋だ。
20号はこの生誕地で発生した。
いわば「正統派」の台風である。

強いエネルギーを持った台風。
熱く湿った大量の空気を伴う危険な台風。

だから豪雨を生む危険性を持つ。

万全の体制を整えて、
迎え撃ちたい。
耐えたい。

ライフラインとして働きたい。

さて、今日は、朝から、東京・清水橋。
(株)伊藤園本社。

大陳コンテスト大審査会。DSCN7485.JPG8

業界最高にして伝統あるコンテスト。
それだけに厳正な審査をする。DSCN7499.JPG8

店舗賞と企業賞。
100社近くの参加企業がある。DSCN7491.JPG8

店舗賞の最終審査は、
全員一致にならなければ決定しない。DSCN7501.JPG8

そして決まりました。DSCN7502.JPG8

最後に企業賞を決めて、
審査員全員が総括コメント。DSCN7509.JPG8

そして雑誌用の記念写真。
月刊食品商業11月号で掲載する。DSCN7511.JPG8

そのあとスタッフ全員で記念写真。
この写真はこのブログ用。
ご苦労様でした。
DSCN7514.JPG8
それから、このコンテストに、
ご参加くださった企業のみなさん、
店舗のみなさん。
ありがとうございました。

大審査会が終わると、
江島祥仁さんの部屋に集合して、懇親。
江島さんは7月26日の株主総会で、
取締役副会長を退任し、
子会社4社の会長にご就任。

まだまだ頑張ってもらわねばならない。

抹茶をいただいて、大満足。

そのあと、密度の高い情報交換。

今月の月刊商人舎について、
ポリティカルマーチャントに関して、
ずいぶんと話した。

アメリカのチェーンストア産業は、
1859年にスタートする。

「20世紀に入った
1910年代から1920年代にかけ、
チェーンストアが飛躍的な成長を遂げると、
それへの『反対勢力』が
反作用のように猛威を振るってくる。
反対勢力の中心は
単一店舗のままの小売業者と卸売業者だった」

月刊商人舎8月号の私の記事。

「反対勢力は二つの実行方法を考えた」

第一の方法。
「同一人の所有の下にある二以上の店舗、
またはその他の或る一定以上の店舗の経営を、
法律によりきっぱりと禁ずることである」

これは「多店化禁止の法令」をつくる方法。

第二の方法。
「州の課税権を行使して、
チェーンストアが店舗を増設開業する際の
費用があまりにも多額で
黒字経営が成り立たなくなるほど
重い店舗免許税を課すことである」

こちらは「課税」の方法。

そんなチェーンストア禁止、
あるいはチェーンストアへの課税に、
チェーンストア産業は、
ポリティカルな反抗を試みた。

そこで米国チェーンストアには、
「ポリティカルマインド」が体内化された。

「ノンポリ」が本当に少なくなった。

日本の食品小売業も、
食品製造業、食品卸売業も、
日本のチェーンストアも、
その意味で今、
「ポリティカル」にならねばいけない。

そのポリティカルな問題は現在、
大きくは2つある。

第1は、来年10月の消費増税に伴う問題。
その一つは本体価格表示の特例が、
廃止されるかもしれないという問題。

もう一つは軽減税率が採用される問題。
こちらは外食や惣菜や即食、
さらにグロサラントの勢いを、
喪失させるかもしれない。

これ自体、消費活力を失わせる。

今年の猛暑、酷暑、
そして台風の頻発で、
生鮮素材は売れなくなっている。

惣菜が売れている。

調理や料理をする時間や気持ちが、
どんどん奪われているからだ。

軽減税率はいまのところ、
素材などの食品は従来通りの8%、
外食や店内で飲食する惣菜、弁当は10%にすると、
規定されている。

だから外食やイートインの惣菜、弁当は、
高くなって売れにくくなる。

さらに第2は、
外国人労働者に関する問題だ。

外国人労働者の数は、
2012年から昨2017年の5年間で、
2倍以上に増えている。

その内訳は、
「留学生」によるアルバイトと、
「技能実習生」。

「技能実習生」は、
日本で働きながら技能を身につけて、
本国に帰ってから活用してもらう制度。
元々は国際貢献を目的とした仕組みだ。

これまで日本の外国人の受け入れは、
医者や弁護士、研究者など、
「高い専門性をもった人に限り、
積極的に受け入れる」という方針だった。

しかしこれが形骸化していた。

しかし深刻な人手不足の現状を鑑みて、
制度の面でも外国人労働者を認めた上で、
その数を増やしていく方針に変わった。

そこで安倍政権は、
新しい2つの在留資格をつくった。

第1は業界団体が作った技能試験に合格し、
日本語能力についても、
「生活に支障がない程度」にできること。

第2は、「技能実習制度」を修了した人。

この人たちはこれまで、
最長5年間日本で働いたら、
本国に戻るというルールだった。

それをさらに最大5年間、
延長することができるようになる。
だから最長で10年間、
日本で働くことができる。

しかし、海外から移民のように、
人がどんどん入ってくることに、
反対する勢力がある。

そこで政府は「移民政策とは違う」と強調。

家族を連れてくることを認めない。
さらに受け入れ対象の業種も限定する。

ここで受け入れを拡大する業種は、
具体的には、農業や介護、建設、造船、
そして宿泊など。

小売業は外されている。

日本の産業で一番雇用人口が多いのが、
小売業・サービス業だ。
GDPに対する貢献も大きい。

なぜか小売流通業は外されている。

昨日、突然のように、
岡田卓也さんから、
会いたいとの連絡があった。
イオン(株)名誉会長相談役。

電話で話した。

今回の特集に関することだった。
「外国人労働者」の受け入れの際、
小売流通業が外されている。

岡田さんはそれを憂慮している。
だから会って話して、
問題を明らかにする。

さて、伊藤園のみなさんとの懇談は、
熱く熱くなっていった。

そして最後の記念写真。
私だけ座位で、
Go! Go! ポーズ!DSCN7519.JPG8
私の右が本庄大介伊藤園社長、
左が江島祥仁さん。
後列右が本庄周介副社長。
そして商人舎の松井康彦さん。

日経ビジネスオンライン
「今日の名言」

暗闇を必死に走り続けているのに、
ひょっとしたら出口は
反対方向かもしれない 恐怖感と
常に隣り合わせでした。
(辻 庸介(株)マネーフォワード社長)

マネーフォワードは、
家計管理や個人資産管理ツールの会社。
そのツールの名称が「マネーフォワード」。

さらに自動貯金アプリ「しらたま」、
個人向け経済メディア「MONEY PLUS」、
次々にITツールやITメディアをつくり、
それを提供し、運営する。

キーワードは「個人」。

2012年5月に創業して、
2017年9月に株式上場。
急成長している会社だ。

辻さんはその社長、42歳。
金融とITを融合した「FinTech」、
そのサービス提供の第一人者。
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「毎日やばい、やばいと言っていました。
でも最低3年は続けようと決めていたので、
起業をやめようとは思わなかったですね。
リスクを取らない限り、
イノベーションは起こせませんから」

勇気とは
未知なる世界に一歩、
目隠しで踏み込む
心のあり方だ。〈『Message』より〉

ポリティカルマーチャントには、
この勇気が必須である。

〈結城義晴〉


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