チャーチルお勧めの「午後の昼寝」とレジレス小型店Zippinの楽観
垂直に夏の酷雨の降り止まず
(今週の朝日俳壇より 西宮市・竹田賢治)
(稲畑汀子選評)
夏のじゃじゃ降りを見ている作者。
垂直に降る雨への恐怖の瞬間。
そんな過酷な夏だった。
ウィンストン・チャーチルの言葉。
毎日新聞巻頭コラム「余録」が取り上げた。
「長時間にわたって、
粉骨砕身の仕事をしなければならぬ
立場におかれた人には、
これを勧める」
第二次大戦で苦境に立ったイギリスを、
粘り強く勝利に導いたチャーチル。
彼が推奨する「これ」とは――。
「午後早くの昼寝」だった。
おかげで、
「日々の仕事の能率を非常に高め」
「1日半の仕事を1日に縮めることができた」
チャーチルのこの習慣は、
戦争中ずっと続けられた。
「わずか20分でも、すべての精力を
一新するのに十分」なこの日課。
「勤務時間内の昼寝」は、
グーグル、アップル、マイクロソフト、
さらにアマゾンも推奨している。
「しばしば仕事が未明に及んだ
チャーチルの昼寝タイムは1時間だった」
チャーチルだけではない。
ナポレオン・ボナパルト、
ジョン・F・ケネディ、
トーマス・エジソン、
スティーブ・ジョブズ。
「厚生労働省が以前策定した睡眠指針では
作業効率改善のための昼寝は
30分以内がいいとされていた」
松風に近江商人昼寝かな
(村上鬼城『鬼城句集』より)
近江商人ならチャーチルに通ずる。
私も同感だ。
今日のランチはカレーハウス。
「スパイス・ガーデン」
焼きたての特大ナン。
そしてラムカレーの中辛。
ランチの後に20分か30分の、
午睡がいいのだが。
さて、昨日の商人舎流通スーパーニュース。
ジップインnews|
amazon goの10分の1のライバル? サンフランに出現
Zippin(ジップイン)。
Fast Companyというベンチャー企業が挑戦。
180平方フィートの超小型コンビニ。
16.7㎡、あるいはたったの5坪。
シアトルのアマゾン・ゴー1号店は、
1800平方フィート、167㎡の50坪。
妙に符合してアマゾン・ゴーの10分の1。
ジップインのビデオがある。
女性が入り口を入ってゲートに近づく。
スマホをスキャンするとゲートが開く。
狭い店にはリーチインケースと、
陳列ゴンドラ。
陳列棚のスマートシェルフセンサーと、
天井のオーバーヘッドカメラで、
顧客を識別し、購買した商品を見分ける。
顧客はそのままバッグにしまう。
そして再び出口でスキャンして退店。
スマホに清算のレシートが出る。
後は登録したクレジット口座から、
引き落とされる。
合言葉は、
Enter. Shop. Leave.
メカニズムはアマゾン・ゴーと同じだろう。
こちらは各段にコストが安い。
店はずっと狭い。
だからサンフランシスコの1号店に続いて、
すでにサンフラン南のマウンテンビューに
2号店が開店している。
創業者の一人がクリシュナ・モトクリ。
多分、インド人だと思うが、
1999年から2006年に、
Amazonで働いていた。
いま、特許申請中。
アマゾンから訴えられないとも限らない。
しかし、こんなにもすぐに、
アマゾンに挑戦する者が登場する。
クレイトン・クリステンセン。
『イノベーションのジレンマ』を書いた。
破壊的技術の特徴を説明する。
「単純、低価格、性能が低い。
一般的に利益率は低い」
ジップインは破壊的技術革新ではなくて、
それはアマゾン・ゴーの模倣だろう。
それでもアメリカのITは進んでいく。
チャーチルの言葉。
To improve is to change;
to be perfect is to change often.
進歩とは変化である。
完全であるためには、
しばしば変化しなければならない。
アマゾン・ゴーは、
シアトルに2号店が登場し、
さらにサンフランシスコとシカゴで、
3号店、4号店が計画されている。
しかし全体で見ればジップインの登場も、
レジレス化の進化の一つの形だろう。
再び、チャーチル。
A pessimist sees the difficulty in every opportunity;
an optimist sees the opportunity in every difficulty.
悲観主義者は、
あらゆる機会の中に困難を見出す。
楽観主義者は、
あらゆる困難の中に機会を見出す。
困難の中に機会を見出すために、
午睡でもいかが?
近江商人のように。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
いつもありがとうございます。
チャーチルの有名な言葉、ドイツ軍がロンドンを爆撃した。翌朝チャーチルは爆撃で壁が破壊されて出来た、大きな壁の穴をゆび指してこう言った。「諸君見たまえ、ドアがもう一つ出来て、出入りに便利になったぞ。」
いまちゃん、チャーチルはいいですね。
映画の「ウィンストン・チャーチル」も面白いですよ。
サブタイトルが「ヒトラーから世界を救った男」。
ゲイリー・オールドマンがアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。