安倍晋三総裁三選とミドルマネジメント最終日の「対立」
安倍晋三、
自民党総裁選に勝利。
三選されて、これで戦後首相の在職で、
佐藤栄作首相の2798日、
吉田茂首相の2616日に次いで、
第3番目の長さとなる。
第4位が小泉純一郎首相だから、
「名相」ということになるのだろうが、
私にはそうは思えない。
その小泉純一郎元首相の次男が、
自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長。
今日の昼頃、
進次郎代議士が明らかにしたのは、
党総裁選で石破茂元幹事長への投票。
その理由。
「自由な論争のある自民党であることを
国民に伝えることが大事だ」
「自由な論争」
ピーター・ドラッカーも、
ケン・ブランチャードも、
どちらも強調する。
「意見の対立を促す」
英語でConflict。
「マネジメントの意思決定は
全会一致でなされるようなものではない」
つまり集団思考に陥ってはいけない。
だから、
「意見の対立を見ない時には
決定を行わないこと」
「ある案だけが正しく、
その他の案はすべて間違っていると
考えてはならない」
「自分は正しく、
他の人は間違っていると
考えてもならない」
「なぜ他の者は意見が違うのかを
明らかにすることから
スタートしなければならない」
小泉進次郎の発言は、
このConflictの必要性を物語っている。
さて、第14回ミドルマネジメント最終日。
2泊3日の中堅幹部育成の缶詰セミナー。
受講者は全員が、
上級幹部になってほしい。
そう動機づけている。
だから内容はトップマネジメントが、
学んでおかねばならないような水準になる。
2日目と3日目の朝に、
理解度テストを実施する。
記述式の問い。
例えばこんな設問だ――。
アンリ・ファヨールの「5つの管理要素」と、
ドラッカーの「あらゆるマネジャーに
共通する5つの仕事」を比較して、
説明しなさい。
これに対してほとんどの受講生が、
正確に自分の表現で答えを書いてくる。
この問いに答えることによって、
古いマネジメントと、
新しいマネジメントの、
違いを自分なりに理解し、
説明することができる。
この30分間に全神経を傾ける。
終わるとほっと緊張がゆるむ。
そして笑顔で声を掛け合う。
3日目のテストが終わると
一気に空気が変わる。
その和んだ空気のなかで、
高野保男先生の講義。
タクト企画代表。
レイバースケジューリングの第一人者。
全国を飛び回って指導している。
作業システムの考え方に関しては、
取り組んでいる企業の動画を見せながら、
講義していく。
2講義を終えて、
高野先生は質問を受けた。
関西スーパーマーケットの井上義貴さん。
牧野店店長。
井上さんは、昨日の井坂康志さんにも、
真っ先に質問した。
応える高野先生の顔が、
厳しさを増した。
午前中3講義目は、
結城義晴。
まずは今朝の、
第2回理解度テストの解答に関して、
補足しながら説明する。
それからチームワークの講義。
さらにミドルマネジメントが、
是非とも知っておかねばならない、
流通理論をガイダンスする。
そして昼食タイム。
和食に飽きたころとみて、
今回はカレーにした。
ミドルマネジメント層が
知識商人となり、
脱グライダー商人となることで、
企業は大きく成長する。
そのために「自ら、変われ!」
温かいというより、
元気な拍手が聞こえてきた。
受講生の意思を感じた。
湯河原はけっこうな雨。
初めに熱海駅組を見送る。
2台のバスでは間に合わず、
タクシー5台を用意。
最後の最後は、
湯河原駅へ向かうシャトルバス。
静岡県と神奈川県の両地域に、
雨が降り注いでいた。
全員がトップマネジメントを、
目指してほしい。
その際には、何度も、
マネジメントにおける「対立」が、
起こるに違いない。
「ある案だけが正しく、
その他の案はすべて間違っていると
考えてはならない」
「自分は正しく、
他の人は間違っていると
考えてもならない」
頑張れ。
自ら、変われ!
〈結城義晴〉