玉生弘昌著「私の縁」と竹林舎講義「中小企業のMarketing」
大相撲の貴乃花親方、引退表明。
相撲界の古い体質を指摘。
しかし貴乃花の行動も、
よくわからない。
いつも、言葉が足りない人だ。
新潮社は月刊『新潮45』を休刊。
こちらは杉田水脈代議士の文章が発端。
性的少数者LGBTの人々に対して、
「生産性がない」などと書いた。
これに批判が集中すると、
同議員を擁護する特別企画を掲載。
「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」
これがさらに批判の的となった。
そして休刊。
休刊は実質的な廃刊。
いずれも引退したり、
廃刊したりして、
真意は埋没してしまった。
止めれば終わりではない。
さて、雨の東京。
芝大門の芝大神宮。
今日は毎月の㈱True Dataの取締役会。
日本最大レベルのビッグデータ・マーケティング企業。
おかげさまで好調です。
役員会はスムーズに進んだ。
そしてこの会社の実質的なオーナーは、
玉生弘昌さん。
㈱プラネット代表取締役会長。
True Data相談役。
この度、単行本を上梓された。
タイトルは『私の縁(えにし)』
「人生を豊かにする出会いの作り方」
玉生さんの出会いが随想として描かれる。
私は玉生さんをよく知る者だし、
登場人物もよく知る者だから、
余計に面白い。
フィリップ・コトラーは、
マーケティングを、
経済学にしようとしている。
それによってノーベル経済学賞を狙う。
鋭い指摘だ。
役員会といつもの昼食会議が終わって、
大雨の中、横浜商人舎オフィスに戻る。
2時間ほど仕事して、
また東海道線に乗って、
さいたま新都心。
タクシーを拾って、
飯能信用金庫さいたま中央支店。
今日は「竹林舎さいたま」の講義。
第7回目の今日は、私の担当。
「中小企業のマーケティング」
竹林舎さいたまは、
立教大学大学院と飯能信用金庫が、
コラボレートして運営する経営塾だ。
飯能信金前会長の木村啓三さんと、
立教大学の押見輝男前総長が、
互いに共感、共鳴した。
そして中小企業の若手経営者養成と、
後継者問題の解決に向けて、
この経営塾をスタートさせた。
タイトルは中国の故事に倣っている。
「竹林七賢」
3世紀の中国は三国時代。
この時代の末期に七人の賢人が登場。
阮籍(げんせき)
嵆康(けいこう)
山濤(さんとう)
劉伶(りゅうれい)
阮咸(げんかん)
向秀(しょうしゅう)
王戎(おうじゅう)
この支店の3階研修室。
今年は第2期。
立教ビジネスデザイン研究科から、
教授や講師が出講。
領域を分担しつつ、講義する。
私は第1期に続いて登壇。
受講生は埼玉県の若手経営者たち、
約30名。
1時間半ほどMarketingの入門編を講義。
マーケティングの定義や本質。
もちろん4Pや4C。
STPのマーケティング。
さらにマネジメントの体系と、
そのなかでのマーケティングの位置。
最後にPPM分析とSWOT分析を説明して、
講義を終了し、その後、
休憩を入れてから、
グループディスカッション。
5つのグループごとに、
誰かが自分の経営を研究対象にして、
強みと弱み、機会と脅威という観点から、
事実を網羅しつつ、分析する。
それがSWOT分析。
さらに商品やサービスを、
スター、金の生る木、
問題児、負け犬の4象限に分けて、
自分の経営とその政策を、
マーケティングの見地から提案する。
去年もよかったが、
今年はさらにいい。
そろそろディスカッションは終了。
すると、代表が一人ずつ、発表をする。
質問や意見をもらってから、
最後に私が総括提案。
例えば負け犬と考えていた領域を、
問題児として提起すれば、
もっと積極的な施策が打てるはずだ。
さらに私は、弱みを強みに変える考え方と、
ちょっとしたアイデアを述べた。
埼玉県の中小企業の経営者ばかり。
すべてのプレゼンテーションが、
素晴らしかった。
最後にPPM分析の使い方を解説し、
サービスマーケティングのエッセンスを、
端的に語った。
3時間15分の講義。
ご清聴、感謝。
最後に清永道也さんが締めの言葉。
飯能信用金庫顧問で、
竹林舎コーディネーター。
竹林舎の講義は、
立教大学院の講義と同じ価値を持つ。
中小企業のポジショニングは、
実にはっきりしている。
マーケット・ニッチャーを目指す。
今日の発表は例外なく、
ニッチャーの在り方を示してくれた。
フィリップ・コトラーが書いている。
第1に、組織全体が顧客志向の
マーケティング志向を持つこと。
第2に三者の利益と利害が大切であること。
すなわち組織体・顧客・社会。
これは近江商人の「三方良し」
すなわち、
「売り手良し、買い手良し、世間良し」
そして第3に、株主利益志向は、
マーケティング志向と相容れないこと。
そう、株主の利益を志向すると、
マーケティングから離れていくのである。
以って、自戒とすべし。
〈結城義晴〉