石川啄木「食うべき詩」の”飾らず偽らず”と「豚肉創作料理やまと」
12月27日の木曜日。
2018年もあと5日。
先週22日の土曜日、
23日日曜日の天皇誕生日、
24日月曜日の振替え休日、
クリスマスイブ。
そして25日火曜日のクリスマス。
12月商戦の一つの山が過ぎて、
昨日の26日が一番静かな日。
今日27日から明日の28日、
明後日の29日とだんだん盛り上がる。
そして30日の晦日、
31日の大晦日。
月刊商人舎10月号でも掲載したが、
紀文食品の堀内慎也さんの資料。
「2018年末 日別見通し」
堀内さんは年末商戦実行委員会商品担当。
今年は29日・30日・31日の3日間勝負。
土・日・月曜で、しかも1日・2日に、
営業しない店も多いから、
例年以上の3日集中。
1年365日の最後の3日間。
大量の在庫を抱えて、
それを売り切っていく。
時間はあっという間に過ぎる。
これからが充実した5日間だ。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
倉本長治商業界主幹の言葉が胸にしみる。
さて、岡井隆著『短歌入門』
岡井さんは昭和3年生まれの歌人、詩人。
とても勉強になる。
この本は短歌をつくるというだけでなく、
さまざまな考え方を知ることができる。
はじめに出てくるのが、
「なにをうたうべきか」
何を売るべきか、
どんな店をつくるべきか。
「何屋」になるべきか。
これに通じる問いだ。
岡井さんは答える。
「大切なことであるだけに、
一人ひとりがみな違うとおもう」
ポジショニングはみな、
異なるということ。
そして石川啄木を引用する。
「食うべき詩」
青空文庫で公開されているから、
読んでみてほしい。
啄木は語る。
「謂(い)う心は、
両足を地面に喰(く)っつけていて
歌う詩ということである。
実人生と何らの間隔なき心持をもって
歌う詩ということである」
「珍味ないしはご馳走ではなく、
我々の日常の食事の香の物のごとく、
しかく我々に”必要”な詩ということである」
それが「食うべき詩」である。
「すなわち真の詩人とは、
自己を改善し
自己の哲学を実行せんとするに
政治家のごとき勇気を有し、
自己の生活を統一するに
実業家のごとき熱心を有し、
そうしてつねに科学者のごとき
明敏なる判断と
野蛮人のごとき卒直なる態度をもって、
自己の心に起りくる時々刻々の変化を、
飾らず偽らず、
きわめて平気に正直に記載し
報告するところの人でなければならぬ」
いい意味での政治家の勇気、
実業家の熱心さ、
科学者の明敏さ、
野蛮人の卒直さ。
飾らず偽らず、
きわめて平気に正直に、
商売するところの人でなければならぬ。
石川啄木に学びたい。
今日は須永清彦さんが来社して、
商人舎のパソコンやプリンターなどの、
セッティングをしてくれた。
㈱エステック社長。
夕方、みなとみらいへ。
帆船日本丸は夜も美しい。
ランドマークプラザ。
ショッピングセンター。
その5階に、
「豚肉創作料理やまと」
㈱フリーデンの経営。
絶品のベーコン。
そして豚肉の鍋。
1960年に曽我の屋養豚㈱として発足。
その曽我の屋ハムは有名だ。
1998年に㈱フリーデンに社名が変わって、
ブランドの統一が行われた。
そのやまと豚とつみれ。
特性スープに入れる。
絶品。
白菜から順番に野菜を入れていって、
それによってうまみが増す。
鍋に野菜を入れてくれました。
最後にやまと豚。
フリーデンの安西哲哉さんが鍋奉行。
常務取締役流通本部長。
それを眺める鈴木國朗先生。
最後の最後にご飯を入れて、雑炊。
取り分けてくれました。
安西さんは16日、17日には、
拡大名人会にも参加してくれた。
その時にはゆっくり話もできなかった。
そこで今日は再会して、じっくり、
商売の考え方を聞かせてもらった。
安西さんと鈴木さんは、
昔々、同じ釜の飯を食った仲。
やまと豚を楽しんで、
大いに盛り上がった。
この懇親でも思ったが、
飾らず偽らず、
きわめて平気に正直に、
商売するところの人で
ありたい。
〈結城義晴〉