Fortune「働きたい企業2019」とロピアNYC2日目の「とんがり」
ニューヨークにやってきて1週間。
ドンピシャで、
FORTUNE誌から発表された。
「100 Best Companies to Work For 2019」
商人舎流通Supernews。
ランキングnews|
FORTUNE誌「働きがいのある企業2019」発表!!
1998年に始まった本調査。
今年は延べ430万人以上の従業員が対象。
2019年のトップ3。
⑴Hilton Worldwide
⑵salesforce.com
⑶Wegmans Food Markets
ああ、ウェグマンズは、
今年第3位。
それでも、1位のヒルトンホテルはサービス業。
2位のセールスフォースは、
流通サービス業へのITサービス業。
3位のウェグマンズはもちろん、
スーパーマーケット。
このランキングが始まってから、
22回すべてに100位以内のランクイン。
年間17万人以上の採用への応募がある。
第3次産業、第4次産業の時代である。
⑷Workday
⑸Kimpton Hotels & Restaurants
⑹Cisco
⑺Edward Jones
⑻Ultimate Software
⑼Texas Health Resources
⑽The Boston Consulting Group
100位までに小売企業が7社。
12位にPublix Super Markets(パブリックス)。
全米第4位のスーパーマーケット。
すばらしい。
33位に中古車販売のCarMax(カーマックス)。
46位にREI(レクリエーショナル・イクイップメント)。
フレンドリーなアウトドア用品専門店。
81位がNugget Market(ナゲット・マーケット)。
1年間禁煙を継続できた従業員に対して、
社長から報奨金が出る。
85位にはコンビニエンスストアのSheetz(シーツ)。
86位にCustom Ink(カスタム・インク)。
カスタムメイドのTシャツ・雑貨のeコマース。
そして100位がPatagonia(パタゴニア)。
登山用品のアパレル企業。
2017年は小売業は12社、
2018年は9社、
そして今年は8社。
年々、減少。
ノードストロームも、
ランク外に落ちた。
ホールフーズはもう、
このイベントに参加していないのだろう。
それでもウェグマンズとパブリックス、
そしてナゲットマーケットは、
健闘してくれている。
さて、ロピアNYC研修第3回の第2班。
2日目の朝は講義。
初日の夜、夕食の後、
半数の人が夜の街に繰り出した。
強者たちは午前様だったようだが、
朝7時にはホテルの会議室に全員が集合。
結城義晴の講義。
「すでに起こった未来」
日本の小売業において、
アメリカのRetailはそれだと思う。
少しだけ前を進んでいる。
日本がその通りになるとは限らないが、
その推移を知ることは、
自分の将来を模索するヒントになる。
㈱ロピアのチーフ以上の320人。
志を一つにして、
「ロープライスユートピア」を築く。
さらにその先を目指す。
そのための米国食品産業の大潮流と、
それを学ぶための基本を講義。
ロピアは若い企業だ。
いろいろな人材が集まって、
化学現象を起こそうとしている。
それに火をつけたい。
私の願いはそこにある。
あっという間に2時間が終わった。
講義が終わって、
ニュージャージー州に、
バスを飛ばす。
向かったのは、
アルディ。
1万スクエアフィート(281坪)の小型店舗で、
品揃えを絞り込んだ、
リミテッドアソートメントストア。
店内は明るくてカラフルで、
クレンリネスが行き届く。
そのうえ同じ品目ならば、
ウォルマートよりも安い。
ハードディスカウンター。
前日、ニューヨーク在住の
藤森正博さんから、
「ワワのサンドイッチがうまい」と、
聞いた団員たち。
お腹の空いたバスにも、
ガソリンスタンド併設のワワで、
ドライバーがたっぷり給油。
オリジナルのハンバーガーショップ、
「バーガー・バー」。
シェイクシャックを意識して、
昨年から新店に登場。
前原創さんが会いに来てくれた。
米国三井物産㈱のゼネラルマネジャー。
フード&リテイル本部フードビジネス部。
2年前にアメリカ視察でお世話になった。
それ以来の再会。
ロピア取締役の内田貴之さんと前原さんは、
以前に何度か会ったことがあった。
ドナルドさんは副店長の一人。
マーチャンダイジングマネジャーを兼務する。
大学生時代にウェグマンズでアルバイトをして、
そのまま入社。
13年の勤務で副店長。
ダニエル・ウェグマンズ会長を、
心から尊敬しているのがよくわかった。
50企業が参加するボランタリーチェーン。
全体で約300店。
その旗艦店で、
優れた店づくりを見せる。
生鮮やデリの部門やカテゴリーを、
丁寧なショップ形式で展開する。
全体ではこげ茶の床と什器が基本色。
それが最大限活かされているのが、
イートインスペースも兼ねるバー。
ショップライトでは、
インタビューの予定だったが
土曜日なので店に緊急事態が発生して、
急きょ、中止。
代わりに私が「フロム・フォーム」を講義する。
ショップライトのネットスーパー事業。
ローカルチェーンもリージョナルチェーンも、
ネットで受注して宅配するビジネスは、
これから欠かせない機能だ。
トップボードや壁面のパネルボードも、
店に常駐するアーティストたちがつくる。
この店は極めて高い手づくり感がある。
ドッグジードのエンド演出。
対応してくれたのがグェンダさん。
クルーメンバー。
さらにバックルームの一角にある、
POPアーティストの仕事場にも、
案内してくれた。
アーティストたちは、
エンドのトップボードから
プライスカードまで、
1日中制作している。
マンハッタンに戻って、
ユニオンスクエアへ。
3店舗のガーデン・オブ・エデン。
狭い店内に、
隙間なく商品を並べる。
その陳列技術は必見だ。
ユニオンスクエアの一角には、
トレーダー・ジョーのワインショップ。
店を一周するほどのレジ待ち行列。
レジ台数は10台ほど。
それでも長蛇の列ができる。
ワインショップでのレジ待ち行列は、
世界中を巡る私でも見たことがない。
トレーダー・ジョーはおそろしい。
同じ並びには、
グロサリーストアのトレーダー・ジョー。
マンハッタンでは、
ワインなどの酒と食品は、
別棟で扱わなければならない法律がある。
だから、分かれている。
チェックアウト待ちの最後尾には、
旗を持った年配の女性店員二人。
あまりの大繁盛に、
売場側にレジが5台増設された。
それでも、行列は解消されない。
並ばされても買物にくるお客たち。
トレーダー・ジョーにしかない商品。
TJブランドが充実しているからだ。
自社ブランドは目的来店性を、
確立するためのものなのだ。
今日のスケジュールが終了して、
夜は事務局と少人数で、
隠れ家的三ツ星レストランへ。
これまでの人生で3本の指に入る体験。
素晴らしいレストランに堪能。
内田貴之さんと黒木庄太郎さん。
そしてこの店のソムリエの木山さん。
大満足。
私はいつも言う。
「働き甲斐のある企業」になってほしい。
それには、
カスタマーサティスファクションと、
エンプロイーサティスファクション。
このCSとESを両立させること。
それ以外に、
「とんがり」のある企業をつくる道筋はない。
(つづきます)
〈結城義晴〉