「岡﨑雅廣お別れの会」の「地域のお客様に愛されれば滅びない」
Everyday! Good Monday!
[2019vol11]
2019年第12週、
3月も第4週。
月刊商人舎webコンテンツ。
月曜朝一の2週間販促企画。
今週木曜日の春分の日を控えて、
今日18日(月曜)は彼岸入り。
春と秋に2回ある「彼岸」。
「暑さ寒さも彼岸まで」
春分の日を中日として7日間。
彼岸明けは24日の日曜日。
春分の日が木曜日だから、
金曜日に休暇を取ると4連休となる。
今年はこの3月の4連休で帰省する人が、
少なからずいる。
4月終わりから5月はじめの10連休が、
国民の行動パターンを変えるからだ。
つまり長期休暇となる黄金週間は、
帰省や里帰りをせずに、
海外旅行など自分たちのために使う。
だから今週末は、
帰省客が多い地域では、
そういった消費が生まれる可能性がある。
また逆に、黄金週間に帰省するから、
もう一つの長期休暇の夏のお盆には、
海外旅行などするという行動もありうる。
今年のお盆商戦も、
従来とは変化するに違いない。
小刻みに、小型の消費変化をとらえる。
今年は「コツコツ商売」となる。
少しずつ、ちょっとずつ、
顧客の支持を得て、信頼を獲得する。
それが2019年の基本的な姿勢だ。
ところで内田裕也が死んだ。
日本のロックンロールの草分け。
1939年生まれの79歳。
テレビなどでは樹木希林の夫として、
さまざまに紹介される。
しかし内田裕也は、
ロックンローラーとして価値があった。
故エルビス・プレスリーが1935年生まれ、
故ジョン・レノンが1940年、
そしてボブ・ディランは1941年。
ポール・サイモンも41年で、
ディランと同年。
ポール・マッカートニーが42年、
ミック・ジャガーが43年、
今話題の故フレディ・マーキュリーは46年。
もちろんクイーンのボーカリスト。
裕也はプレスリーより若く、
レノンやディランなどなどより年上だ。
これは、ちょっとすごいことだ。
日本でいえば、
ロカビリー御三家が少し先輩。
平尾昌晃は1937年生まれ、
故ミッキー・カーチスが1938年、
故山下敬二郎が1939年で裕也と同年。
ついでに「エレキの神様?」
故寺内タケシも同い年。
吉田拓郎は1946年生まれで、
実はフレディ・マーキュリーと同年。
沢田研二は1948年生まれ。
矢沢永吉はその一つ年下で、
1949年生まれの団塊の世代。
裕也よりひと回り年下となる。
ご冥福を祈りたい。
そして岡﨑雅廣さん。
矢沢永吉と同じ年。
㈱エブリイホーミイホールディングスの、
実質的な創業者にして、
代表取締役社長だった。
今年2月1日に急逝。
「人生100年時代」から考えると、
ひどく若い。
本当に惜しい人を亡くした。
私は2月6日のブログに、
訃報と評伝を書いた。
エブリイホーミイホールディングス社長
岡崎雅廣さん逝く
今日の彼岸入りの日に、
「岡﨑雅廣 お別れの会」が行われた。
広島県福山市。
エブリイホーミイの本社がある。
朝8時29分新横浜発の新幹線のぞみで、
福山に向かった。
富士の姿は美しい。
岡崎さんの魂を表すようだ。
11時40分に福山に到着、
駅前に名城・福山城。
線路を挟んでその向かいに、
福山ニューキャッスルホテル。
ホテルの入り口では、
カメラクルーが撮影中。
「お別れの会」の表示がある。
12時から受付なので、
私はすぐに席に着いた。
3階光耀の間には、
大型スクリーンが4カ所設置され、
岡﨑雅廣さんの生前のビデオが、
次々に流される。
岡﨑さんの生い立ちやエブリイの歴史、
その商売に対する哲学。
従来のスーパーマーケットでは、
「欠品してはいけない」
「ロスを出してはいけない」
無理なことを要求した。
岡﨑さんは考えた。
「それなら売り切れ御免で行こう」
つまり欠品を出してもいい。
これならばロスは出ない。
「大資本のチェーンストアに、
勝てないと自覚した瞬間に、
未来が開けた」
だから「負けるものは捨てる」
そこで日用雑貨は、
品ぞろえを10分の1に減らした。
「得意分野に特化する」
そこで生鮮食品と惣菜を、
「超鮮度」「作り立て」で強化した。
さらに「類人猿分類」Management。
「経営は形ではない。
人がそうさせる」
「成功の反対は失敗ではない。
何もしないこと」
岡﨑さんの考え方が、
次々にビデオで流され、
私は1時間以上もそれを見た。
祭壇には岡﨑さんの遺影。
1時30分からお別れの会が始まった。
まず弔辞。
広島銀行会長の池田晃治さんが、
丁寧で心のこもったメッセージを贈った。
それから岡﨑浩樹新社長がお礼の言葉。
ご長男で㈱エブリイの社長だったが、
グループ代表に就任した。
父・雅廣さんの遺志を継ぐことを、
力強く宣言した。
エブリイホーミイには今、
5000人の従業員がいる。
その5000人の「人」が原動力である。
「金を残すよりも、
事業を残すよりも、
人を残す」
亡き岡﨑雅廣さんの言葉を綴った。
「これからの流通業は大変な時代だ。
しかし地域のお客様に、
愛される店をつくれば、
絶対につぶれない」
岡﨑浩樹さんは最後に語った。
「時代は大きく変わっていくけれど、
変らないものこそ大切です。
その変わらないものを、
深く掘り下げていく。
それが私の使命です」
岡﨑三兄弟。
長男の浩樹さん、
次男の裕輔さん、
三男の真悟さん。
何よりも強い絆だ。
広島銀行の池田さんは、
「毛利元就の三本の矢」にたとえたが、
その三人の力を合わせて、
「岡﨑ワールド」を進化させ、
拡大させてほしい。
シンプルなお別れの会だった。
それが岡﨑さんらしくて、
とてもよかった。
池田晃治さんの弔辞、
岡﨑浩樹さんのお礼の言葉。
そして献花。
会場には弦楽四重奏のライブ。
ヘンデルのラルゴが流れる。
「オンブラ・マイ・フ」
千野和利さんも、
矢野博丈さんも、
粛々と献花した。
千野さんはいま、
全国スーパーマーケット協会副会長、
㈱阪急オアシス前会長。
矢野さんは㈱大創産業会長。
メーカーのトップの面々も、
次々に献花した。
私も献花して、合掌。
浩樹さん、裕輔さん、真悟さん、
そして喪主の和江さん。
静かにあいさつした。
さらに専務取締役の小林史郎さんにも。
「よろしく頼みます。
応援します」
私のほうからささやいた。
会場には、
オンブラ・マイ・フが流れ続けた。
Ombra mai fù
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più
私の耳には、
この美しい旋律が、
いつまでも残った。
心からご冥福を祈りたい。
では、皆さん、今週も、
地域のお客様に、
愛されれば、
絶対に滅びない。
Good Monday!
〈結城義晴〉