「天皇制と元号の能動化」と「伊藤雅俊VS伊藤雅俊!?」
Everybody! Good Monday!
[2019vol12]
2019年3月最終週。
毎日書いているが、
三月、去る。
一月、往ぬる。
二月、逃げる。
さよなら、三月。
よろしく、四月。
月刊商人舎webコンテンツ。
「月曜朝一2週間販促企画」
4月のイベントを総ざらいした。
4月1日(月)は新元号の決定・発表。
そしてエイプリルフール。
新学年、新会計年度を迎える。
今年は明らかに違う。
4月7日(日)は統一地方選。
都道府県の知事と議員、
および政令指定都市の市長と議員の選挙。
ちなみに基礎自治体の市区町村で、
首長と議員の選挙は4月21日(日)。
4月10日(水)は天皇・皇后両陛下の、
60回目の結婚記念日。
マスコミは騒ぐだろう。
4月15日(月)は年金支給日。
商売には配慮が必要だ。
4月17日(水)は春の土用。
土用は年に4回ある。
立春、立夏、立秋、立冬の直前の、
約18日間をいずれも土用という。
春の土用は4月17日から5月5日まで。
そして立夏は10連休最後の5月6日になる。
4月21日(日)はキリスト教徒の復活祭。
「イースター」と呼ぶイエス復活のお祭り。
もうすでにロピアでは、
プロモーションに組み込んでいる。
21日は後半の統一地方選でもある。
そして27日(土)からゴールデンウィーク。
この10連休は今年前半のハイライト商戦。
4月29日(月)が昭和の日の祝日。
30日(火)が国民の祝日で、天皇陛下の退位の日。
ここまでが4月の連休。
5月1日(水)は現皇太子殿下が即位して、
その即位に伴う休日となる。
労働者の日「メーデー」でもある。
5月2日は前後が祝日のための祝日。
5月3日が憲法記念日、
5月4日がみどりの日の祝日。
5月5日がこどもの日だが日曜日。
そこで5月6日がその振り替え休日。
ああ、10連休。
小売りサービス業にとっては、
書き入れ時のはずだが、
「最悪を覚悟して最善を尽くす」
この心構えがいいだろう。
さて、4月1日に元号が発表される。
日経新聞論説フェローの芹川洋一さんが、
「元号という時代の記号」
と題して、手短かにまとめている。
「大化から数えて248番目。
新たなページがめくられる」
そこで「今の平成とはいったい何なのか」
整理を試みる。
「平成の考案者」は、
東大名誉教授の故山本達郎氏とされる。
しかし今でも、別の説がくすぶる。
「陽明学者の安岡正篤考案説」
「世の中は停滞し、
災害が多発した事実は否定できない。
残念ながらこの30年の日本は
下り坂だったと総括するしかなさそうだ」
「合理的な意味はないとしても、
元号で人の気分が変わるのは間違いない。
改元は新しい日本に踏み出す
きっかけになるだろうか」
「明治といえば維新、
大正といえばデモクラシーやロマン、
昭和といえば戦争と経済成長。
元号とともにその時がふりかえられる。
平成にはどうも、
マイナスイメージがつきまとう」
まあ、そう言えるだろう。
しかし政治学者の御厨貴・東大名誉教授。
御厨さんの見方がいい。
「ひとつひとつの指標は
決して良いことはないが、
平成30年でみると案外
いいことがあったという
総括がされはじめている」
「天皇陛下自身が、
平成という時代には
戦争と無関係だったといわれた」
「昭和という時代があって、
平成になってもずっと戦後で来た。
それが平成でくくられることにより
戦後が消えた」
「今回の退位で天皇制が能動化し、
元号も能動化した。
元号が意味のある記号になり、
区切りができた」
(BSテレ東「NIKKEI日曜サロン」2月24日)
天皇制と元号の能動化。
それを意図しなければならない1年である。
その意味で4月1日の元号のメッセージ。
センスと時代観が求められる。
楽しみだ。
さてさて、今月の日経新聞「私の履歴書」
味の素会長の伊藤雅俊さん。
いつ出るか、いつ書くか。
ずっと気にしていたが、
最終週の月曜日の今日、
多くの人の目に触れる日に出てきた。
「ヨーカ堂の伊藤さん」
1991年(平成3年)新春のこと。
「味の素の冷凍食品がヒットし、
開発担当の副部長として
私と同僚がヨーカ堂の社内報に
写真入りで紹介された」
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんと、
同姓同名である。
そこで社内報担当者たちが、
「アレ? 誤植じゃないのか」
その後、名誉会長のお母様の名前と、
伊藤さんのご母堂の名前が、
ともに「ゆき」さんであることが判明。
味の素の社長に内定した2009年3月、
少し高い声で電話があった。
「伊藤雅俊です。
伊藤さん、社長おめでとうございます。
一つ言っとくね。
人前で頭を下げるような
変なことをしちゃあ駄目ですよ。
私が怒られるような気がしちゃうからね。
頑張ってください」
味の素の伊藤さん。
「80を超えた名誉会長の
ちゃめっ気のあるお祝いの言葉は
本当にうれしかった」
伊藤雅俊名誉会長は、
私もよく知っているが、
電話魔なのだ。
名誉会長と長く親交があったのが、
味の素の歌田勝弘第7代社長。
懐かしい。
名誉会長との出会いは、
歌田さんとの会食の席に、
味の素の伊藤さんが参加してから。
「勉強家の名誉会長はメモ魔で、
私のような者の言葉にも
時折ペンを走らせる」
結城義晴の時も同じです。
インタビューしに行ったこちらが、
インタビューされてしまう。
「現場主義ならではの質問も度々。
アメリカの資本市場の変遷や
流通業の栄枯盛衰について
丁寧に教えて下さる」
2013年1月28日に、名誉会長が、
味の素本社を訪問。
翌日の社内情報紙「CEO Headline」の見出し。
「伊藤雅俊VS伊藤雅俊!?」
このいい関係は、
味の素会長の人柄を示している。
流通トップとメーカートップ。
こんな関係づくりをしてほしいものだ。
そのイトーヨーカ堂の伊藤雅俊さんに、
すごい影響を受けたのが、
鈴木哲男さん。
「52週MD」の巨匠。
その最新の集大成が商人舎刊。
『流通リ・エンジニアリング戦略』
EC時代の店舗と売場を科学する
鈴木哲男さんの経験の体系である。
同時に伊藤雅俊さんの思想を、
礎にした体系でもある。
鈴木哲男さんは、
伊藤雅俊さんが社長のころに、
イトーヨーカ堂に入社し、
修行し、活躍した。
その部署の名前が、
RE部だった。
REはリテール・エンジニアリング。
いま、それを再度、
エンジニアリングする。
「流通のリ・エンジニアリングに、
関心があるなら、
この傑作を読むべきだ。
もし関心がないなら……
絶対に読むべきだ」
ダロン・アセモグルのパクリです。
では、みなさん、
今週も、仕事を科学しよう。
Good Monday!
〈結城義晴〉