結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年04月27日(土曜日)

平成最後の「責了 お疲れさま~」と令和の「相対的貧困層対策」

平成最後の原稿執筆。
平成最後の雑誌編集。
平成最後の責了。

「おつかれさま~」
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商人舎の亀谷しづえと城山佳代子。IMG_60269

「夜中まで仕事が続くのは、
私の所為です」

「100%、結城義晴の所為です」IMG_60279

「すみません」
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「社長なのに、自覚が足りない。
もう40年以上も書き続けてきたのに、
まだまだ修行が足りません」
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「でも、絶対に手は抜かない。
いい原稿を書き続けます。
それだけは信じてください。
わかってください」
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「令和に入っても、
よろしくお願いします」

日経新聞の経済コラム「大機小機」
コラムニストは硬骨漢の一直さん。

タイトルは、
「”令和”経済の最大課題」

いきなり大上段に構えたテーマ。
勇気あるなぁ。

ただし出だしの一文は慎重だ。
「世の変化を予測するのは
ますます難しくなってきた」

正直言って、同感。

「しかし、確かなのは
デジタル経済の急進展と
人工知能(AI)の進化で
生活環境が大きく変化することだ」

これも同感。

そこで重要な疑問を投げる。
歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ教授、
その名著『ホモ・デウス』
イスラエルのヘブライ大学教授。
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「人知をも超えるAIの登場で
仕事がなくなる余剰人員をどうするのか」

「AIの開発やデジタル産業で、
必然的に二極化が生じる」

膨大な利益をあげる一部の企業家・資本家、
仕事のない大多数の人類。

その通りだ。

一方、『ネットワーク経済の法則』
カール・シャピロ&ハル・バリアン共著。
お二人ともカリフォルニア大学教授。
20年前に書いた、
インターネット経済の原理。
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「情報経済の中心原理は、
利用者が増えれば増えるほど
利用者の便益が高まり、
利用者がさらに増える
というネットワーク効果だ」

その結果、
「”勝者総取り”現象が起きる」

奇しくも、
私が今日書いた平成最後の雑誌原稿は、
結論がこれだった。

グーグル、フェイスブック、アマゾン、
一握りがネットワーク世界を支配し、
所得格差は驚くほど拡大する。

そのフェイスブックの共同創業者、
クリス・ヒューズ(35歳)の近著。
『1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法』
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現在の米国の所得差を指摘。
「資産上位0.1%層が下位90%と
同等の富を所有している」

「大多数は臨時雇いなどで
不安定な生活を強いられている」

この層がトランプ大統領を支える。

そこでヒューズの提案。
「上位1%の富裕層の税負担を増やし、
それを原資に低所得層に
使途自由な一定金額を給付する」
つまり「保証所得」導入の提言。

「少額でも一定額が安定給付されれば、
人々の気持ちは安らぎ前向きになる」
ヒューズは多数の実証研究を示す。

そこでコラムニストの提案。
「日本でも就業者の約40%が
非正規労働者である」

「絶対的貧困層は減っているが、
仕事はあっても不安定な相対的貧困層が
米国と同様に増えている」

「この不安定な中間層への支援制度を
早急に確立すべきだ」

「財源は、日本でも
富裕層に依存せざるをえまい。
逆進性の強い消費税の大幅引き上げは
相対的貧困層を追い詰める」

「来るべき令和の時代の最大課題は
このままでは増え続けるとみられる
相対的貧困層対策である」

同感だ。

政治家にはこのあたり、
よく了解しておいてもらいたいものだ。

しかしこのとき、
亡き大髙善二郎さんの言葉を思い出す。
㈱ヨークベニマル元社長。

「われわれのコストダウンの努力を、
率直に価格に反映させる。
その結果、去年の今月と比べて、
同じ商品を同じ量、買っていただいて、
1カ月に1万円分、お客様に還元できたら、
それがこの地域のお客様全員に、
1万円のベースアップをしたことになる」

これはクリス・ヒューズの提案に繋がる。
「少額でも一定額が安定給付されれば、
人々の気持ちは安らぎ、前向きになる」

日経新聞夕刊の記事。
「イオン、割安PB7割拡充」

日経の割安PBのことを、
米国では「競争的ブランド」という。
「コンペティティブブランド」

イオンの場合、
ネーミングは「ベストプライス」。

「今後1年で食品の低価格品を
現状より7割多い約500品目に増やす」

「品質は維持しながら、
包装資材を簡素化する。
物流費用も抑える」

記事の分析は、
「食品メーカーが、
相次いで値上げに動くなか、
イオンは逆に割安感をアピールして
消費者を取り込む」

善二郎さんの考え方からすると、
消費者を取り込むのは副次的効果だ。
私もそう考えてほしいと思うし、
そう教えている。

「イオンは2019年度に、
同商品群の売上高を
前年度比1割以上増やす計画で、
販売増でも利益を確保する」

これは「利は売りにあり」
商売の原則だ。

今春、
ポテトチップスやしょうゆで、
ベストプライスを強化した。

ホームページにも掲載しているが、
「特選丸大豆しょうゆ」(200ml)は、
税別158円で、
メーカーの同容量の商品と比べて、
30円程度安い。
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私が標榜するのは、
「値段下げずに売る商売」
月刊商人舎4月号。

しかしコンペティティブブランドは、
初めから超低価格が出せる開発を目指す。

バリュー・エンジニアリングの手法だ。

その品ぞろえを増やす。
イオンならばできる。

ウォルマートやアルディのストラテジー、
クローガーやテキサスのHEBの戦略。

本来はこのブランドこそ、
「値段下げずに売る商売」である。

もう、初めから、
ぎりぎりまで下げているのだから。

できる企業、できるグループと、
できない企業、できないグループがある。

しかしイオンはこれによって、
所得格差を埋める政策をとらねばならぬ。
イオンの責任において。

そうでない企業は、
自分のポジションを構築する。

どちらの戦略や政策でも、
小売業やサービス業は、
人々の気持ちを前向きにできる。

令和時代にもこの志は貫きたい。

〈結城義晴〉


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