NYCのアマゾン・ゴーとラスベガス2日目のとんがり店舗たち
米国ラスベガスにやってきて、
商人舎主催のベーシックコースは、
2日目を迎えた。
ニューヨークでは一昨日の7日、
アマゾン・ゴー12号店が、
マンハッタンにオープンした。
商人舎流通Supernews。
アマゾンnews|
マンハッタンに12店舗目の「アマゾン・ゴー」開店
場所はあの9・11の跡地の隣。
ブルックフィールド プレイスSC2階。
私も毎年、何度も訪れる。
1階に「ル・ディストリクト」
2階に「ハドソンイーツ」
前者はフランス版イータリー。
後者はニューヨークで大人気の外食を、
集めまくったイートイン。
このハドソンイーツと同一階への出店だ。
アマゾン・ゴーのスピード感。
それがアメリカ商業の真骨頂だ。
さて、ラスベガス2日目。
朝一番で、結城義晴のセミナー。
アメリカ小売業の最新情報を網羅しつつ、
競争の実態と各社の戦略、
業態からフォーマットへの分化、
さらにはポジショニング戦略までを、
滞在中4回にわたって7時間ほど講義する。
まずはイントロダクション。
ベーシックコースだから、
商圏や商勢圏、店舗の役割や、
陳列技術の基本など解説。
SKUやItemの説明。
さらに商業統計の説明では、
日本のSSDDSを解説した。
一晩寝たので、全員が元気を取り戻して、
真剣に聞いてくれた。
4日間の講義がある。
脱線に次ぐ脱線となったが、
それがまたベーシックコースの特徴だ。
講義が終わるとまず、
ホールフーズ・マーケットへ。
世界最高峰のオーガニックスーパーマーケット。
青果部門のチームリーダー、
ICさんが青果の売場づくりや、
農産品のトレンドを解説してくれる。
デアリーを担当しているジョーさん。
部門チームリーダー。
アレルギー体質の人向けのミルクや、
脂肪分の高い濃厚なミルクなど、
実に詳しく商品説明をしてくれた。
そして店長のヘイディさんが
すべてをコーディネートしてくれた。
現在同社では、
店長をストアチームリーダーと呼ぶ。
ありがとう。
視察2日目の今日から、
団員は5人ずつ9班に分かれて
恒例の商品調査が始まる。
ある品目を選び、
価格とフェース数を調べて、
各社の商品戦略を分析する。
異なる会社の参加団員が、
5人ずつのチームになって、
コミュニケーションを図りながら、
進めていく。
ホールフーズは、
アマゾンに買収された後、
価格志向が強まった。
それでも売場は乱れることなく、
高いレベルで維持されている。
オーガニックスーパーマーケットの
もう一つの雄は、
トレーダー・ジョー。
「キャプテン」と呼ばれる店長や
セクションリーダーのメイトたち。
店長ブースの後ろに、
似顔絵が描かれている。
エンドのトップボードも洒落ている。
エンドは新商品を中心に訴求・量販する。
コストコ。
会員制ホールセールクラブだが、
全米4位の小売業へと躍進。
アマゾンが7位から3位に飛躍して、
コストコは1ランク下がってしまった。
ビジネス向けのネット通販では、
デリバリーサービスも始めた。
これは業務用卸売業だ。
そのコストコでも、
団員たちの調査は続く。
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レジ頭上に掲げられた丸いカード。
寄付をした人たちの名前が記されている。
面白い。
入口に設けられた、
ピックアップタワー。
ネットで注文した商品の、
受け取りナンバーを打ち込んで、
このタワーに用意されている
商品を受け取る。
ピックアップに来店した人のために、
専用駐車場が用意されている。
オーガニックスーパーマーケットは、
ホールフーズとトレーダー・ジョーが
2強だったが、
それを急追するのがスプラウツだ。
その手前のチェックスタンド前に、
広いバルクフードのコーナー。
トータルワインでも、
ネット注文品のための、
ピックアップコーナーがある。
そして郊外の最後の視察店が、
ウィンコフーズ。
倉庫型のスーパーマーケット。
スーパーウェアハウスストアという。
入口を入ると、
ウォールオブバリューと呼ばれる
一丁目一番地のプロモーション売場。
アルバートソン、ウォルマート、
スミス(クローガー)との価格比較で、
安さを打ち出す。
肉と鮮魚は壁面の対面と、
斜めに配置された平ケースが特徴だ。
ホワイトブレッドを調査するチーム。
大量の商品フェースを数える。
いったん、ホテルに戻り
荷物を置いて、再び、
バスで最後の視察店へ。
ストリップのモンテカルロホテル跡に、
新たにパークMGMがオープンした。
その最新ホテルに出店したのが、
イータリー。
食べる食堂、
買う市場、
学ぶ学校。
この3つの要素を盛り込んだ、
イタリアン提供業。
ストリップに面して、
レストラン「LA PIZZA」がある。
ワインショップは
高額ワインが中心。
高所得の観光客狙いか。
2階の中央にセルフの喫食スペース。
つまりレストラン以外は、
ファストフードの集合体だ。
ラスベガスのイータリー。
今のところ、成功とはいえない。
市場機能と学校機能が弱いからだ。
つくづくと難しい商売だと感じた。
イータリーで解散して、
それぞれイタリアンを楽しんだ。
私たちは軽くワインと
ハム&チーズをたしなんだ後に、
ベラージオホテルへ。
日穀製粉の二人に招かれて
ホテルのシーフードレストランへ。
店を選んでくれたキューティ上松。
レストランの前面スペースに
大阪城の巨大模型がある。
それを背景にツーショット。
アラカルトで食事を頼んで、
発砲ワイン「カバ」でおいしい料理を堪能。
ベラージオの噴水ショーまで楽しんで、
定宿のバリーズへ。
ポジショニングを確立した企業の店を、
今日は網羅的に訪れた。
今回の研修の全体の趣旨を体現した、
貴重な2日目だった。
(つづきます)
〈結城義晴〉