Basic Course in Las Vegas 最終日[調査分析発表会と表彰式]
Everybody! Good Monday!
[2019vol18]
帰国しました。
商人舎海外研修ベーシックコース。
イン・ラスベガス2019。
右手は「L」、左手は「V」。
「LV」はラスベガス。
ルイヴィトンもLVだが。
ロサンゼルスが「LA」、
サンフランシスコは「SF」、
ニューヨークは「NY」。
全員、やる気がみなぎっている。
昨日は最終日のいい天気。
ホテル「バリーズ」の会議室。
毎朝、セミナーをやって、最終日は、
調査分析発表会。
9つの班ごとに、
別々のカテゴリーを指定して、
2日間にわたって店舗の調査をする。
スーパーマーケットの9カテゴリー。
超のつく優秀企業群の商品政策を、
最終的には全部門、分析することになる。
ウォルマート、ターゲット、コストコ、
スミス(クローガー傘下)、
ボンズ(アルバートソン傘下)、
ホールフーズ、トレーダー・ジョー、
スプラウツ、ウィンコフーズ。
商人舎basicコースの場合は、
5人1チーム。
私はチームマネジメントを重視する。
それが一番効率がいいからだ。
そしてチームごとに議論・討論して、
企業ごとの政策やポジショニングを、
結論づける。
初めに発表順位をくじ引きで決める。
そして、いよいよスタート。
第1番目の発表はH班のノンフーズ。
キッチンペーパーを調査した。
全員が真剣にプレゼンテーションを聞く。
そして鋭い質問。
それにチームは全員で答える。
私も質問をするが、
最後に分析の評価。
それぞれの企業のポジショニングを、
この調査によって明らかにする。
最安値を出しているのはスミスだったが、
コストコは別次元の大容量で、
実質的に最も安い。
私は各班の調査分析の問題点を指摘し、
整理や作表の原則を確認する。
この調査分析の講評が、
理論的な教育であり、実務指導である。
2番目はH班で冷凍食品。
冷凍ピザのペパロニとチーズを調べた。
PFグラフを提示して競う。
Pはプライス、Fはフェーシング数。
しかし冷凍ピザはフェーシング数では、
違いが出にくい。
そこでH班は陳列在庫数を調べた。
これは非常にいい判断である。
納得して聞いている団員。
この調査でホールフーズの低価格政策が、
くっきりと判明した。
さらにターゲットが健闘していることも、
明らかになった。
3番目はC班でプロデュース部門。
アボカドに挑戦した。
質問も鋭い。
それに対してチーム全員で回答する。
さらに質問。
アボカドはバナナと並んで重要品目だ。
フェーシング数の基準を決めて、
それを調査し分析した。
私の解説と講評も長引く。
4番目の発表はG班のデアリー部門で卵。
アメリカの卵は1ダース12個が基準だ。
1.5ダースの18個入りもある。
オメガ3充填のエッグもあって、
調査には大変に苦労した。
サイズはジャンボサイズ2Lから、
ミディアムサイズSまでと多様だ。
さらにアメリカの卵は加熱が基本である。
だから消費期限は長いし、日持ちする。
しかしホールフーズとスプラウツは、
生食用を販売していた。
スミスとウォルマートは、
非常にSKUが多かった。
自分たちも卵は特売に使ったりして、
最重要商品であるから、
質問も具体的で焦点を突いている。
私はエッグ調査への挑戦魂を評価した。
I班は菓子カテゴリーで、
ポテトチップスに挑戦。
これも大変な調査だ。
そこでプライベートブランドだけを、
チョイスして調査した。
質問もその点に向けられた。
PB調査も意味がある。
F班のベーカリー調査は、
はじめ食パンに挑戦したが、
日本の食パンといったカテゴリーはない。
そこでホワイトブレッドにした。
F班は作表において、
NBを〇、PBを▲で表現した。
価格の安さは、スミス、ウォルマート、
そしてウィンコの順だった。
コストコは別次元で、
単位換算すると最安値。
一方、ボンズはハイアンドロー作戦で、
しかもクラブカードディスカウント。
「どれを売り込みたいのかわからない」
いい分析だった。
A班はグロサリーの加工食品で、
オリーブオイルを調査した。
「ボンズが迷走している」
今回の調査対象企業はいずれも、
ポジショニングを構築しているが、
ボンズだけがそれがない。
その事実は全チームが実感した。
さらにコストコは、
通常の500ml商品がなくて、
1リットル以上に絞り込んで、
超低価格を出した。
D班は精肉部門でステーキを調査。
米国人の大好きなステーキ。
そのなかのチャックロールと、
リブアイ、ストリップサーロイン。
「意外に在庫量が少ない」という感想。
ステーキはアメリカ人にとって、
バーベキューなどでは定番だが、
「ごちそう」メニューである。
1ポンド当たり価格で比較したが、
理論通りの結論となった。
最後にE班はデリ部門で、
ローストチキンを調査分析した。
1ポンド当たりに換算して、
価格ラインは13種類あった。
コストコはオーブンを6台セットして、
圧倒的な品揃えだった。
商品管理状態まで観察して、
報告してくれた。
最後のチームも結城義晴の講評。
今回は「直球勝負」の調査で、
メインアイテムに挑戦した。
そのことで各社のポジショニングが、
本当に鮮明になった。
そして表彰タイム。
初めは3日目に行った理解度テストの、
優秀賞の表彰。
すべての団員が真面目に真剣に、
自分が理解したことを書いてくれて、
レベルが高かった。
それを事務局と結城義晴が、
丁寧に読みこんで厳正に審査した。
その中の8人が表彰された。
私の隣から、
川瀬利彦さん/㈱マツモト店舗運営部副店長
相川博史さん/㈱ロピア営業本部長
松永裕之さん/アイディック㈱第1商品部グロサリー課主任
長木弘満さん/マツモト経理部マネジャー
出原健二さん/㈱関西スーパーマーケット人事グループ人事教育チームリーダー
荘亜紗子さん/ロピア店舗管理部フォレオ菖蒲店店長
宇野俊介さん/㈱セブンスター第一商品部惣菜バイヤー
川口雄飛さん/㈱ユニバース南大町店店長
おめでとう。
そして調査分析の3班を表彰。
3位の銅メダルは、
E班のローストチキン。
グラフがシンプルで、
わかりやすい分析となった。
準優勝は、G 班の卵。
広大な売場の膨大な調査。
脱帽。
そして栄えある優勝は、
F班のホワイトブレッド。
審査団文句なしのトップだった。
おめでとう。
店舗を訪れて、
漠然と印象を感じ取ったり、
あるいはすぐに使えそうなアイデアを、
ピックアップしてくるだけでは、
アメリカの競争を知ることはできない。
実地調査をして、科学的に分析し、
討論して、それを煮詰める。
調査した後に、インターネットなどで、
情報を付加する。
そこからその企業やその店の、
意図が明らかになる。
今回の調査分析も素晴らしかった。
最後の最後に総括講義。
ストアコンパリゾン戦略の要諦を語り、
バリューエンジニアリングを解説し、
ロイヤルカスタマー論を教授した。
1時間の講義は、
あっという間に終わってしまった。
名残惜しいし、まだまだ教えたいことは、
山ほどあるが、時間がやってきた。
ご清聴を感謝したい。
その後は、JTB第一のカリスマ佐藤。
自由研修のアドバイスと注意点が、
ていねいにレクチャーされた。
そして亀谷しづえゼネラルマネジャーが、
明日の朝午前4時15分の集合を告げて、
全員解散。
この後は、各自、各班、各社ごとに、
ラスベガスを楽しみつつ、
自由行動した。
では、みなさんも、
仕事を楽しもう。
Good Monday!
〈結城義晴〉