トランプの「Commander in Cheat」と「噛む育」の食パン
Everybody! Good Monday!
[2019vol21]
2019年の第22週。
そして5月第5週。
1年で一番いい季節。
初夏のすがすがしさ。
花粉も飛ばなくなったし。
しかし昨日の日曜日は、
全国的な猛暑となった。
北海道佐呂間町では午後2時過ぎに、
39.5度を記録。
北海道内の年間最高気温記録を更新、
5月の最高気温の全国記録も更新。
53地点で猛暑日となって、
最高気温は35度を超えた。
そんな中、国賓の来日。
ドナルド・トランプ大統領。
新天皇即位のあと、
最初の国家元首の来日。
しかし到着直後にはヘリコプターで、
千葉県の茂原カントリークラブへ。
安倍晋三首相とのツーショットは、
「シンゾー」のスマホでの自撮り。
こう見るとただの、
じいさんとおっさんのゴルファーだ。
楽しそうなところは、
同じゴルファーとして共感を覚える。
しかし。
リック・ライリー著『Commander in Cheat』
訳せば「イカサマ指揮官」。
Cheat(チート)は動詞の場合、
「騙す、不正をする」という意味。
名詞の場合は、
いかさま(をする人)、いんちき(をする人)、
ごまかし、ずる、ずるいやつ、偽物、
カンニング、詐欺、詐欺師、詐取、
不正行為、だますこと、などを意味する。
サブタイトルは「How Golf Explains Trump」
「ゴルフで明らかになるトランプ」
ライリーはスポーツライターで、
「Sports Illustrated」誌の元記者。
「政治でどんな不正をしているかは
知らないし、わからない。
しかしインチキゴルフは、
ゴルファーの一人として
見逃すことはできなかった」
ニューヨーク郊外の名門コースが、
「ウイングドフットゴルフクラブ」。
ライリーもこのクラブのメンバーだ。
キャディたちは大統領トランプを、
“ペレ”と呼んでいた。
「ラフに入ればボールを蹴り出していた」
だから彼をサッカーの神様にたとえた。
もちろんゴルフルールでは、
足でボールを蹴ってはいけない。
手で運んでもいけない。
クラブで打つものだ。
自称2.8のハンディキャップ。
タイガー・ウッズは、
「年齢を感じさせない、
パワーあふれるショットだ」と、
感嘆してはいるが。
昨日は青木功プロも一緒だったが、
どんなゴルフだったのか。
あまり興味はないけれど。
その後、やはりヘリコプターで、
アメリカ大使館に戻り、
夕方、国技館へ。
大相撲の観戦。
桝席を取っ払って、
椅子席を設けた。
相撲史上初の出来事で、
これにも批判や皮肉が飛び交った。
歴代天皇陛下や国賓が観戦するために、
貴賓席が設けられている。
しかしシンゾーの忖度か、
ドナルドのご要望かはわからないが、
桝席にトランプ夫妻と安倍夫妻が座って、
周辺をSPが取り囲んだ。
朝日新聞「天声人語」
「館内で取材した同僚によると、
腕を組み、笑みが乏しい。
取組の間、拍手を送る場面は少なかった」
私にはトランプ大統領は、
どこか退屈しているように見えた。
相撲は本来、奥深い精神性を有する。
そして裸一貫、土俵の上で、
cheatが許されないスポーツだ。
多分、そのこともあったろうし、
仕切りが繰り返されることに、
アメリカ人のトランプ氏は、
退屈したに違いない。
あるいは昼間のゴルフの疲れが出たか。
私も小さな子どものころは、
相撲の仕切りの間合いの長さが、
我慢できなかったことを覚えている。
一転、表彰式で土俵に上がると、
自信満々で満足げだった。
パンアメリカン航空日本支社長、
故デビッド・ジョーンズさん。
大相撲の千秋楽に欠かせない人気者だった。
大きな地球儀のトロフィーを贈呈するとき
「ヒョー・ショー・ジョー」と日本語を使って
全国の観衆を沸かせた。
私はトランプ大統領は、
これをやるだろうと期待していたが、
残念ながら、英語だけだった。
ジョーンズさんは語っていた。
「相撲は単なるスポーツを超えた文化」
米国大統領にはそれを、
少しでも理解してほしかった。
だがそれは無理な注文のようだ。
北國新聞の巻頭コラム「時鐘」
平幕優勝した朝乃山の、
恩師から学んだ「相撲の心」を称賛する。
「男は感情を表に出すな」
北國新聞にとって、
富山県出身はいわば地元力士だ。
しかし、「この日の国技館には
政治家や評論家の顔がいつになく多かった」
「千秋楽は見事な”政治ショー”と化し、
一歩間違えると後味の悪い
一番になるところだった」
「それを救ったのは、
人生一番の歓喜も抑え気味にできる
朝乃山の柔和さだった」
相撲の仕切りにおける「無言の間」は、
「男は感情を表に出すな」そのもの。
それに対して、
政治ショーの主役の二人は、
「俺が俺が」のポピュリズムだった。
その対比がいかにも面白かったが。
さて今日の午前中は、
第一屋製パン㈱のお二人が、
横浜商人舎オフィスを訪ねてくれた。
鎌田恒雄さんと松下隆哉さん。
右の鎌田さんは、
関西事業本部副本部長兼西日本営業部長。
左の松下さんは営業企画室、
ブランド戦略グループリーダー。
今日は新製品の報告と相談。
食パンの「emini」ブランド。
松下さんが中心となって開発した新Brand。
コンセプトは、
「こどもにも安心して食べさせられるパン」
石臼全粒粉、天塩を使って、
湯種製法で丹精を込めて製造した。
管理栄養士の田中美智子さんは、
「噛む育」を標榜している。
つまりよく噛んで食べることで、
食育を振興しよう。
そこで「かむ食・かむ育カウンセラー」と、
称して大活躍中。
その田中さんが「emini」のコンセプトを、
高く評価してくれて、
互いに協力しながら「噛む育」を進める。
昨日と一昨日、
イトーヨーカドー小田原店で、
ワークショップが展開された。
タイトルは、
「ママへのごほうびフェスタin小田原」
伊藤誠朗ストアマネジャーが積極的で、
管理栄養士の野口友美さんを招いて、
クイズを出して、「噛む育」を施し、
商品サンプルをプレゼントした。
野口さんは上級食育アドバイザー、
幼児食アドバイザー。
マーケットニッチャーでも構わない。
良い商品をつくり、
その良さを訴えていく。
ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。
ブランドをつくるとはそういうことだ。
ゴルフも仕事も、
“in Cheat”ではいけない。
そのあと朝川康誠さん来社。
立教大学大学院の結城ゼミ第3期生で、
㈱USEI代表取締役社長。
経営の流儀はあくまで知識商人流。
経営モデルはLCCのサウスウェスト航空、
「安価多売」を標榜する。
今日は様々な報告をしてくれて、
今後のビジョンを語り合った。
ランチミーティングを挟んで3時間近く。
今日も、結城ファミリーが、
やってきてくれた。
うれしいものだ。
では、みなさん、今週も、
もちろんcheatなしで、
Good Monday!
〈結城義晴〉