ASKUL岩田彰一郎・Planet玉生弘昌対談と「ダイバーシティ考」
今日の5月31日は、
「世界禁煙デー」
World No-Tobacco Day。
禁煙を推進するための記念日。
世界保健機関(WHO)は1988年に、
設立40周年を迎えた。
この40周年を記念して、
「第1回世界禁煙デー」を定め、
翌1989年から毎年5月31日を、
「No-Tobacco Day」としている。
日本では1992年から、
5月31日からの1週間を、
「禁煙週間」としている。
私も30代の終わりころまで、
煙草を吸っていた。
ショートホープが好きだったし、
Zippoライターのオイルの匂いも、
大いに気に入っていた。
ちょっと気取って、
手巻き煙草のDrumを、
持ち歩いていた時期もある。
商人舎最高顧問をお願いした、
杉山昭次郎先生は、
いつもパイプ煙草を嗜んでいた。
月刊食品商業の編集長となったころは、
ピースライトを吸っていた。
左手で煙草を持ちながら、
右手は万年筆で原稿用紙に執筆していた。
それが許される環境にあった。
㈱商業界のオフィスの5階フロアは、
編集部がデスクを連ねていたが、
大部屋が煙で濛々としていた。
ところが原稿用紙とペンが、
コンピュータに変わって、
両手を使わねばならなくなった。
さらに初期のコンピュータは、
煙に弱いと言われたりした。
そこでいつの間にか、
止めてしまった。
仕事のために「卒煙」した。
それがすんなり、できた。
それ以来、もう30年近くになる。
だから皆さんにお勧めする。
卒煙しよう。
さて今日は朝から、
東京・豊洲。
あの豊洲市場があるところ。
アスクル㈱本社。
フロアの中央を木製通路が走る。
ワンフロアが広くて見通しがいい。
もちろん煙草の煙などない。
こちらでは数名のグループが、
ワークショップのような形で、
議論している。
さらにセミナーが開かれていて、
30名くらいが聴講していた。
講師はマネジャー。
テーマは「ベイズの定理」
ベイズ統計学の基礎理論。
「確率および条件付き確率に関する定理」
凄いことを学んでいる。
私は学校のような会社だと思った。
そのアスクル代表取締役社長兼CEOが、
岩田彰一郎さん。
そして㈱プラネット代表取締役会長、
玉生弘昌さん。
お二人に対談していただいた。
玉生さんも岩田さんも、
ライオン㈱ご出身の先輩後輩。
玉生さんはプラネットを興し、
岩田さんはアスクルを起業した。
大変面白くて、意義のある内容で、
私も乗り出して話を聞き、
資料を拝見した。
詳細は月刊商人舎7月号まで、
お待ちいただきたい。
最後に三人で腕を組んでポーズ。
ありがとうございました。
さて今日の日経新聞コラム「大機小機」
コラムニストは桃李さん。
タイトルは、
「ダイバーシティ考」
「デジタル革命で市場が一気に国際化して、
物理的、言語的、文化的距離が克服され、
ニーズや技術も多様化して
様変わりしている」
「この変化に対応して
競争力を持つ企業なら、
自然に人材は多様になる。
というより、
そのような多様性があるからこそ
発展する企業になる」
同感。
「変化への対応力が
企業成長の本質であり、
その欠如は競争力の低下や低成長、
デフレ継続の基本的な原因になる」
セブン&アイ・ホールディングスの社是。
「基本の徹底と変化への対応」
「見方を変えれば、
変化対応力ではなく、
男性中心の年功序列制に基づく、
現経営陣や従業員層の給与体系を含めた
既得権益が問題の本質である」
そう、既得権益こそ、
闘わねばならない壁である。
「そうした問題を知る
無私の精神を持つ経営者の率いる企業は
変化を受容して成長するが、
自己保身の経営者がいる企業は
急速に衰退する」
玉生さんも岩田さんも、
「無私の精神を持つ経営者」である。
ライオン㈱そのものが、
無私の精神をバックボーンとしている。
明治24年(1891年)の創業。
創始者の小林富次郎は、
熱心なクリスチャンだった。
「法衣を着た実業家」あるいは、
「算盤を抱いた宗教家」と言われた。
コラムニスト。
「変化は痛みを伴う厳しい過程を経る。
自らの任期は短いので、
当面の収益に貢献しない長期的課題を
先延ばしている間に衰退が進む」
だから経営者の任期は短くてはいけない。
「ダイバーシティの形式を整えるのではなく
ニーズ、市場、技術、思考法などの
変化に対応した新商品・サービスの
開発力、競争力を強化する」
「要は、企業経営の本質が
問われているのだ」
その通り。
月刊商人舎2015年6月号[特集]は、
女性が働きたい店・会社・産業
「日本小売業ダイバーシティ」を厳しく中間総括する!!
もう3年も前になるが、
その[Message of June]
ダイバーシティ産業の強みを活かそう!
「男並み女を使え!」
故渥美俊一先生の言葉。
「なるほど・・・・・」
全員、目からウロコだった。
しかし結果としてこれは、
男社会を助長させた。
女性を排除した。
多様性を無視した。
時代はダイバーシティ。
いや、時代ではない。
流通業こそ、ダイバーシティ。
サービス業こそ、ダイバーシティ。
もともとダイバーシティ産業だからこそ、
かつてチェーンストアは標準化を強調した。
ダイバーシティ産業だからこそ、
最初はマニュアルが必須だった。
しかしそれは、
レース型競争下のセオリーだった。
コンテスト型競争下では、
ダイバーシティ産業の強みを活かせばいい。
象徴的な目標は、
女性が働きたい店を作ることだ。
女性が働きやすい会社に変えることだ。
女性が活躍する産業を構築することだ。
女性が働きやすい職場は、
誰もが働きやすい。
女性が活躍しやすい組織は、
誰にもそれぞれの活躍の場が約束されている。
女性がドキドキワクワク働く店は、
顧客がドキドキワクワクする。
女性がニコニコ働く店は、
顧客もニコニコする。
こんな店、こんな会社、
そしてこんな産業は、
人間の尊厳に対して、
真摯に向き合うことになる。
〈結城義晴〉