結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年06月11日(火曜日)

ミラノの自然農法農園訪問と大聖堂ドォーモ見学

月刊商人舎6月号。
[特集]
2019同盟決算
201906_coverpage

今号の目玉の一つは[放談鼎談]
日本流通業のDNAとRNA
チェーンストア産業の過去・現在・未来を激論する
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日本のチェーンストアの歴史を振り返りながらそのDNAを探り、日本小売業をけん引してきた総合スーパーの課題と今後について、そのRNAを語り合った。ユニー㈱出身でコンサルタントの高木和成氏と㈱長崎屋出身でジャーナリストとして活躍している和田光誉氏、そして㈱商人舎社長の結城義晴が鼎談した。長崎屋は2008年9月に、ユニーは2019年1月に、ドン・キホーテ(現社名は㈱パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)の完全子会社になった。このお二人の話はときに辛辣で、ときにユーモラスで、最後にはドン・キホーテの本質に迫って、3時間近くに及んだ。もちろん掲載できない話も多々あった――。

読んでみてください。
ただし会員以外の人は読めません。
悪しからず。

さて、ミラノ視察は3日目。
朝から高速道路を130キロで走る。DSCN96719

25キロほどで料金所に到着。
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北イタリアの農村地帯を行くと、
目的の建物が見えてきた。
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イタリアらしい建物。DSCN96759
農業の繁忙期には、
多くの人を雇う。
その宿泊施設だった。
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ここが農家の母屋。
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昨日から長い夏休みに入って、
子どもたちが遊んでいる。DSCN96819

そしていわばオフィス棟。
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「カッシーナ・サンタブレラ」
農場の看板がかかっている。DSCN97289

まずオーナーが自ら、
考え方を丁寧に説明してくれた。IMG_75969

20年前にこの農場を始めた動機は、
日本人の本を読んで、
感銘を受けたことにある。
福岡正信さん、故人。
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福岡さんは1913年2月2日生まれ、
2008年8月16日没。
愛媛県伊予市の自然農法の提唱者。

それをオーストラリア人の、
ビル・モリソンが展開し、
「パーマカルチャー」と称する。
この農場はそれを実践する。

動物を植物を一緒に育てる農法。
オーガニック農法でもあるが、
むしろ純粋な自然農法だ。DSCN96869

その自然の中に入ってみる。IMG_76019

果物も自然農法。
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農道を歩きながら説明してくれる。DSCN96899

北イタリアの空。
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すぐに畑が見えてくる。
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麦畑にはシナモンが植えられている。IMG_76049

家畜も自然の循環環境の中で放牧する。
遠くに見えるのは牛。DSCN96959

この地方にしかいない畜種の牛だ。
ボルゼーエゼッシュ種。DSCN96969

さらに豚も飼育する。
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泥んこの豚は自由に農場の中で生きる。DSCN97049

馬もロバもいる。
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馬ももちろん放牧。
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そしてニワトリ。
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この8棟の小屋の中で、
鶏たちが生活している。
約1000羽が自然飼育されている。DSCN97089

鶏は家族を形成するそうだ。
その家族の単位が120羽。
120を超えるとうまくいかない。

その120羽の家族が1棟に住む。
そして健康で滋養豊かな卵を産む。

農場も福岡さんの考え方をもとに、
運営されている。
それは「引き算の農法」
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従来の農業は、
何かをつけ加えることばかりやってきた。
もちろん農薬はなぜ使うのか、
剪定はなぜ行うのか。

さまざまな施設がある。
森の木を燃やして、
エネルギーを得る。
自然に、自律的に、
施設がつくられている。
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説明を受けながら、
農場を歩く。
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農場には青々と野菜が育つ。DSCN97229

そこで働く若者。
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集約的な有機農法とも異なる。DSCN97269

さまざまなことを考えながら、歩く。IMG_76129
農場をひと回りしてから、
ランチをいただく。

ワインにパンと生ハム。
この農場を経営していくため、
私たちのような見学と食事、
あるいは宿泊サービスが提供される。

考えてみるとこの自然農法は、
新しいサービス業なのかもしれない。

最後にオーナーと写真。DSCN97279

自然農業を見学した後で、
高速道路を飛ばして、
ミラノ市内へ。

中央部のドゥオーモへ。
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ミラノの大聖堂。
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世界最高峰のゴシック建築。
柱は52週にちなんで52本ある。
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お祈りの椅子に腰かけて、
講義を聴く。
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とてもいい勉強になった。
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講師は私たちのガイドの新津リエさん。
ミラノでは断然トップのガイドで、
広い知識と深い見識をもつ。IMG_76379

祭壇の横を回る。
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壁面の祭壇にもゴシック彫刻。
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そして12使徒のひとり、
バルトロマイの像。
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ステンドグラスは世界一高い。
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その新約聖書のステンドグラス。

ドゥオーモ見学が終わると、
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア。
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床にはローマを創った兄弟。
ロムルスとレムス。
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そして牡牛を描いた「トリノの紋章」。
この牡牛の急所を踏んで、
くるりと回ると幸せがやってくる。
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一通りの観光をすると、
そのあとは自由研修。

私は珍しく、
ミラノのブランド街を散策。
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サンタンドレア通りは、
パリでいえばサントノレ通りか。
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スコールのような雨が降ってきたが、
暑い農場歩きのあとは、それも心地よい。

4泊6日の短いミラノ滞在。
3泊した後の最後の1日は、
自然農場訪問と観光。

ミラノという都市にとって、
自然と歴史とブランドは、
立派な観光資源である。

歴史にはもちろん哲学があるが、
自然農法にも哲学があり、
ブランドにも哲学がある。

ペックやイータリーが加わって、
食も観光資源となってきたが、
そこには「スローフード」の哲学がある。

哲学が資源となる。
そんなことを考えさせられた、
有意義な一日だった。
(つづきます)

〈結城義晴〉


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