日本スーパーマーケット協会総会と厳然たる「商売の公平性」
今日は午後から東京・有楽町。
一番奥に帝国ホテル。
1999年に発足し、
20周年を迎えたのが、
日本スーパーマーケット協会。
2015年には一般社団法人となった。
その通常総会。
総会の後、記者会見。
川野幸夫会長が、
昨年度の決算と今年度予算、
そして新しい役員人事を説明。
そのあとで率直に、
現下の情勢に対する見解を語ってくれた。
消費増税、軽減税率の導入、
総額表示の時限立法問題と、
ポイント還元問題。
資本金減資問題。
川野さんにはやや無力感も感じられたが、
それでも厳しい顔つきは変わらなかった。
私も質問した。
経済産業省が主催していて、
ちょうど同じ時間帯に開催されていたが、
「新たなコンビニのあり方検討会」について。
川野さんは個人的な見解と断ったうえで、
ビジネスの自由度に関して、
政治や行政が関与し過ぎることに、
問題提起した。
今年4月6日の日経新聞社説。
「コンビニ経営に
政府は介入すべきでない」
「消費者向けサービス産業の
労働需給のひっ迫は深刻な問題だが、
政府が民間企業の経営に
口出しするのは見当違いだ」
世耕弘成経産相が、
4月5日にコンビニ各社の経営首脳と会談。
無人レジの導入など具体的な解決策を、
「行動計画に盛り込むよう」求めた。
日経社説。
「これは経産省による経営への介入、
監視ではないか」
経済同友会の小林喜光代表幹事は苦言。
「国家が企業の行動にあまりに
関与するのはいかがなものか」
川野さんの見方もほぼ同じだし、
私も同感だ。
そこで経産省は有識者を集めて、
調査し、議論してもらうという手に出た。
まあ、ここからの報告を、
「受け取らない」ことはないだろうが。
座長は伊藤元重さん。
現在は学習院大学国際社会学部教授。
妥当な人選だ。
ただしメンバーを見ると、
流通の専門家は根本重之さんくらいだろうか。
現在、流通経済研究所理事。
しかしコンビニのあり方を検討するなんて、
鈴木敏文セブン-イレブン前会長が現職なら、
とてもこんなことはなかっただろう。
その意味でも、鈴木さんは偉大な人です。
ざっとレジュメを見るとすぐわかる。
1店舗当たりの売上高を問題にする。
コンビニオーナーから見た課題。
そして今後の進め方。
これは与党の「選挙対策」のための委員会です。
オーナーとその家族たち、
従業員とその家族たちの、
票を狙っている。
スーパーマーケットに関して、
経営者とその家族の票は少ない。
そして従業員とその家族は、
一応、UAゼンセンが押さえている。
与党には票にならない。
しかしコンビニオーナーは、
票になりやすい。
ああ。
記者会見のあとは、
記念講演会。
講師は㈱大和総研理事長の中曽宏さん。
テーマは「日本経済の動向」
サブタイトルは、
「消費をめぐる環境と新たな潮流」
私には、
マクロな動静を再整理する意味で、
役に立つところもあったが、
聴衆はみんな寝ていた。
その後、記念パーティー。
川野幸夫会長が、
消費税にかかわる問題に、
力強く協会の主張を語って、
そのうえで、
政治や行政にもっともっと、
コミットしていくことを宣言した。
消費増税に関する、
中小企業への優遇措置に関しても、
商売やビジネスの公平性の面から、
それが破壊され、大混乱が生じるだろうと、
危うい趨勢に注意を喚起した。
昨年のこの時期に、
「ポリティカル・マーチャント」の特集をした。
もちろん川野さんにもご登場いただいた。
川野さんご自身は、
ますますPoliticalになってきた。
素晴らしいけれど、
その川野さんの意思が、
なかなか実現しにくい。
協会や産業全体が、
ポリティカルでなければならない。
まだまだです。
川野さんの会長スピーチの後で、
感謝状の贈呈。
㈱エコス代表取締役会長の平富郎さん。
協会発足以来、副会長の要職を務めたが、
この度、副会長をご引退。
ありがとうございました。
そして平さんのお礼のあいさつ。
平さんはこういったスピーチ、
凄くうまい。感動した。
農林水産大臣や経産政務官のように、
下を向いて原稿を読んだりせずに、
するりするりと簡潔なあいさつと、
乾杯の発声。
全員での盛大な乾杯によって、
この協会のパワーを見せつけた気がした。
私はすぐに清水信次さんのところへ。
この協会の創設者にして名誉会長。
㈱ライフコーポレーション会長。
㈱平和堂会長の夏原平和さん。
この協会設立時から副会長の要職を担う。
小濵裕正さん(中)を囲んで、
エコス社長の平邦雄さん(左)と、
㈱たいらや社長の平典子さん。
そして㈱伊藤園社長の本庄大介さん、
副社長の本庄周介さん。
小濵さんは日本チェーンストア協会会長、
㈱カスミ会長。
㈱万代社長の阿部秀行さんと、
㈱大創産業社長の矢野靖二さん。
お二人を引き会わせて紹介した。
右は大創産業開発部長の渡辺有和さん、
左は同じく店舗運営部長の山中尚也さん。
その阿部さんと森下留寿さん。
森下さんはライフコーポレーション常務取締役。
オール日本スーパーマーケット協会の面々。
右が会長の田尻一さん、サミット前社長。
真ん中が㈱マルイチ社長の高木大さん。
そして常務理事の前田伸司さん。
齋藤充弘さんと泉田幸雄さん。
齋藤さんは協会副会長で全日本食品㈱会長、
泉田さんはオールジャパンドラッグ㈱顧問。
齋藤さんが日本ボランタリーチェーン協会前会長。
泉田さんはそのあとを継いで現会長。
その全日本食品社長の平野実さん。
移動スーパーと小型店について話した。
初めて会ったけれど、
㈱エムジー専務取締役の水口貴義さん。
今回、協会理事に就任した。
㈱プラネット会長の玉生弘昌さんと、
高木和成さんと和田光誉さん。
高木さんと和田さんには、
今月号で鼎談していただいた。
玉生さんには今月号で、
対談に登場していただいた。
パーティーも終わりに近づいて、
サミット㈱社長の竹野浩樹さんと、
㈱ヤオコー社長の川野澄人さん。
最後に川野幸夫会長を囲んで、
日経新聞調査部次長の白鳥和生さんと。
協会専務理事の江口法生さん。
日本スーパーマーケット協会創立20周年。
お目出度いし、その役割は、
ますます重みを増してくる。
この20周年を記念して、
講演会とパーティーが開催される。
11月6日水曜日。
会場は帝国ホテル。
講演会はパネルディスカッション。
パネラーは三人の若手経営者。
エコス社長の平邦雄さん、
ヤオコー社長の川野澄人さん、
ライフコーポレーション社長の岩崎高治さん。
コーディネーターは結城義晴。
仕掛け人は江口法生。
よろしく。
〈結城義晴〉