[日曜漫歩]梅雨明け前の立葵と反魂の花
日曜日は神の物語。
神は、一日目に、
天と地をつくった。
闇の中に光をつくって、
昼と夜を分けた。
神は、二日目に
空をつくり、
三日目に海と地をつくって、
地に植物を茂らせた。
神は、四日目に、
太陽と月と星をつくり、
五日目に、魚と鳥をつくった。
六日目には、動物をつくり、
この日、神は自分に似せて、
男と女を創造した。
アダムとイブと名づけた。
そして七日目に神は、休んだ。
だから日曜日は休息の日。
今日の日曜日7月28日、
東海地方が梅雨明けした。
昨年よりも19日、遅かった。
中国地方が25日。
北陸、近畿、四国、九州が24日。
関東はまだ梅雨が明けない。
それでも空は真夏。
夕方、ちょっと涼しくなってくるころ、
近所の書店で本を探しながら、
日曜漫歩。
いつも通る道すがらの、
木造りの一軒家。
そして銀杏に黄緑の葉が生い茂る。
夕空に映える。
菊名池公園の池の水量は豊かだ。
見事な睡蓮の群生。
モネが好んだ睡蓮は今が旬だが、
睡蓮の花は午前中に咲いて、
午後は閉じる。
かわりに6月の紫陽花が、
まだ残っている。
もう花は色あせている。
しかし紫陽花は豊満だ。
こちらの紫陽花はちょっと変形。
今は立ち葵(タチアオイ)が主役。
梅雨入りのころに咲き始め、
梅雨明けとともに花が散る。
だから別名は「梅雨葵」(ツユアオイ)。
今年の梅雨葵は長かった。
梅雨明けを予感させるのが、
ルドベキア・ヒルタ。
茎葉全体に粗い毛が生えるので、
アラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草)という。
キク科大ハンゴンソウ属なので、
和名は「衣笠菊」。
粗毛反魂草の「反魂」とは、
「死者の魂を呼び返す」という意味だ。
神は三日目に海と地をつくって、
地に植物を茂らせた。
その中に反魂の花もいた。
何だかうれしかった。
明日は梅雨が明けそうな気がした。
〈結城義晴〉