岡田元也「政治のプリンシプルと小売業のモラリティ」
7月最後の日。
昨日、東北南部が梅雨明けし、
今日、東北北部も梅雨明け。
なんだか、目出度い。
朝から東京の大門。
東京タワーがすっくと立つ。
芝大神宮。
若い女性がニ礼二拍一礼。
㈱True Dataの取締役会。
白熱の議論。
どんな会社も、
油断していると「大企業病」に陥る。
私はいつもその兆候がないかを見ている。
True Dataは進取の精神に溢れている。
6月にGoogleから、
テクノロジー・パートナーの認定を受けた。
人材もどんどん入ってきて、
会社は着実な成長を遂げている。
ありがたい。
2時間の会議を終え、
いつものようにランチミーティングで、
情報交換。
玉生弘昌㈱プラネット会長を中心に、
米倉裕之True Data社長も、
結城義晴も。
その後、芝公園を散策。
東京プリンスホテルの上に、
東京タワーがにょっきりと現れた。
不思議なことだが、
落ち葉が大量に敷き詰められている。
芝増上寺。
そして再びみたび東京タワー。
東京スカイツリーが出てきても、
やはり存在感はある。
一度、横浜商人舎オフィスに戻って、
それから夕方、再び東京駅へ。
駅前の丸ビル。
ゆっくり歩いて、
皇居のお堀端。
夕日が沈むところに、
パレスホテル東京。
イオン㈱記者懇談会。
毎年、マスコミの記者が集まる。
イオングループ各社のトップや幹部が、
46人も参加して、懇談する。
冒頭でグループを代表して、
井出武美イオンリテール㈱社長の挨拶。
イオンリテールとイオンの政策を、
簡潔に語りつくした。
先週、イオンスタイル岡山青江で、
井出さんには会っている。
私ははじめに、
イオン取締役会議長の横尾博さんと、
ずっと話し込んだ。
それから次々にトップの皆さんと懇親。
途中、岡田元也イオン社長登場。
「今、道徳が大事だと思うんです。
プリンシプルのある政治と、
モラリティのある小売業。
それが求められている」
同感。
イオン副社長の岡﨑双一さんから、
同じくイオン副社長の藤田元宏さん、
先ほどのイオンリテール社長の井出さん、
イオンリテール副社長の久木邦彦さん、
イオンの商品・物流担当の柴田英二さん、
イオンサブ―ル社長の小野倫子さん、
マルエツ社長の古瀬良多さん、
ウエルシアホールディングス会長の池野隆光さん、
イオンタウン社長の加藤久誠さん、
イオンマーケット社長の乾哲也さん、
ジーフット社長の木下尚久さん、
イオンビッグマレーシア社長の増田正良さん。
次々に懇談した。
イオン執行役の三宅香さんとは、
あらためて面談の約束をした。
最後に横尾さんが、
環境問題に対して、
イオンの考え方を述べて終了。
ゆっくり話したい人ばかりだと思った。
懇談会が終わってから、
ホテルのティールームで内輪の茶会。
最近はあまり酒を飲むことはない。
日経新聞の白鳥和生さんと、
商人舎エグゼクティブの松井康彦さん。
昨年の夏、このパレスホテルで、
岡田卓也さんに誘われて食事した。
小濵裕正さんも一緒だった。
あれからもう1年が過ぎた。
そしてこの懇談会に、
岡田さんも小濵さんもいない。
ちょっと寂しかったが、
もちろんお二人は今でも、
元気いっぱいだ。
私は『岡田卓也の十章』を、
思い出していた。
㈱商業界社長を退任するとき、
置き土産に残してきた単行本だ。
岡田卓也さんの独白。
最終章にある。
「わたしには、イオンが30年後に
どうなっているかは分からない」
「小規模の段階で革新を行うのは
そんなに難しいことではない。
規模が大きくなればなるほど
ものすごい力が必要になる」
「しかし、思い切った革新を行わなければ、
企業は必ず衰退する」
「同時に、規模の大小にかかわらず、
どんな企業でも倫理観を失ったときが
一番危ない」
これは今日、奇しくも、
岡田元也社長が言ったことと同じだ。
「モラリティのない小売業は滅びる」
岡田卓也の十章。
「小売業は、毎日毎日、
お店でお客さまに接する。
まさに人間産業である」
「小売業の行動は、
人間であるお客さまから毎日毎日、
見つめられている」
「もし、人間の道に
もとるようなことがあれば、
企業は一気に倒産する」
「どうやって毎日、
お店にいらっしゃるお客さまから
信頼を勝ち得るか――」。
「小売業は、真剣勝負の連続である」
だからこそ小売業は面白い。
やりがいがあるのだ。
〈結城義晴〉