きのこ雲と「古賀野々華さんの勇気」とヤオコー四半期決算の信念
今日は長崎原爆の日。
地方新聞の巻頭コラムが取り上げた。
西日本新聞「春秋」と、
山陽新聞「滴一滴」。
朝日新聞はデジタル版の「空襲1945」。
古賀野々華さんの勇気ある行動。
福岡県大牟田市の明光学園高校3年生。
米国ワシントン州リッチランドという町。
古賀さんはこの町の高校に留学した。
この町はプルトニウムの生産基地だった。
長崎原爆に使われたプルトニウムだ。
核関連産業が経済を支える、
いわゆる「原子力の町」である。
そして原爆のきのこ雲は、
町のシンボルであり、
誇りでもあった。
だから高校のロゴマークに、
きのこ雲が使われていた。
学用品やパーカーなどにも、
きのこ雲のデザインがあった。
留学して半年ほどして、
古賀さんは歴史の先生から聞かれた。
「キノコ雲が何で作られているのか分かる?」
答えられずにいると、先生は言った。
「犠牲になった人々や建物でできているんだよ」
ショックで涙があふれた。
原爆の犠牲が理解されないまま、
キノコ雲のマークが使われている。
それが悲しかった。
今年の5月、校内で約3分の動画が流された。
その中で、生徒たちは、
キノコ雲のマークについて意見を言った。
町の誇りとして好意的な意見が相次いだ。
しかし古賀さんはただ一人、
疑問を投げかけた。
「私にとってキノコ雲は、
犠牲者と平和を心に刻むものです」
「雲の下にいたのは
兵士ではなく市民でした。
罪のない人たちを殺すことに
誇りを持ってもいいのですか」
彼女が生まれ育った福岡県は、
原爆の第1目標だったこと。
天候不良で投下先が長崎に変わったこと。
「私がここにいるのは、
あの日が曇りだったから」
私も福岡生まれだから、
古賀野々華さんと同じである。
この動画はインターネットで公開された。
地元の新聞にも取り上げられた。
動画はインターネットで世界に広がった。
古賀さんの意見に賛同する人、
ロゴを批判する人、
反対に原爆を肯定する人、
さまざまな意見が湧き出た。
同級生からは好意的に受け入れられた。
「動画がなければ、
日本側の意見を知る機会は一生なかった」
古賀さんには不安もあった。
原爆を誇りとする町で、
それに批判的な考えを表明することに。
しかし勇気を振り絞って発言した。
「私にとってきのこ雲は、
犠牲になった人と今の平和を
心に刻むもの」
今、私たち日本人にとって、
野々華さんの勇気は必須だ。
世界で唯一の戦争による被爆国。
この点に関しては、
断じて黙っていられない。
そして最初にして最後の被爆国にしたい。
この思いを強く持ちたい。
さて商人舎流通スーパーニュース。
第1四半期決算が、
次々に発表されている。
その中で最新ニュース。
ヤオコーnews|
第1Q営業収益5.2%増・営業利益0.5%減/消耗戦開始!?
注目の(株)ヤオコーの第1四半期。
川野澄人社長。
営業収益1107億2900万円、
前年同期比5.2%増。
前年同期は4.5%増だったから、
伸び率も前年を上回った。
しかし営業利益は52億円で、
前年比0.5%減。
つまり増収減益。
あのヤオコーの減益は、
ちょっと衝撃だ。
さらに前年の営業利益伸び率は、
4.9%増だったから、
前年よりも状況はよろしくない。
経常利益は52億2600万円で、
前年比1.6%増だが、
これも前年の伸び率は4.9%増だった。
私はこの四半期決算を評した。
「しかしヤオコーの収益性を云々するよりも
同社がネットワークを築く、
首都圏の消費トレンドが
ややダウン傾向を示した、
または消費増税を見越した買い控え傾向が
早くも第1四半期に現出した、
そして競争がさらに激化した、
と見たほうがいい」
消費増税による購買マインド低下は、
ことのほか深刻かもしれない。
それでも古賀野々華さんのごとく、
信念を持ち続けたい。
「顧客満足と顧客創造」を志向する者は、
必ず成果を収めることができる。
〈結城義晴〉