ココラカラファインがマツキヨとの統合を選択して鼎占に向かう
お盆台風10号。
名前は「クローサ(Krosa)」
西日本に上陸する気配だが、
ノロノロ台風。
お盆休みを直撃。
商売にとっても痛い。
このままお盆商戦を終えて、
10月消費増税に突入するのか。
私は朝から東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。
2カ月続けて、ささやかな増収増益。
新社長の細貝正統さんを先頭に、
みんな頑張っています。
マネジメントレベルを引き上げる。
私はいつものように全体を引き締めた。
少しでも上向きのときこそ、
経営管理の水準を上げるチャンスだ。
その第一屋製パン会長の細貝理榮さん、
6月28日に「エージシュート」を達成。
凄い。目出度い。
太平洋クラブ成田コース。
アウト36、イン39の75。
見事。
私も70歳台か80歳台には、
何とか成し遂げたい。
さて、ドラッグストアのM&A。
㈱ココカラファインホールディングスの、
経営統合に向けた案件に決着がついた。
結論は、
㈱マツモトキヨシホールディングスと、
協議を開始する。
ココカラファインは2008年4月に、
セガミメディクス㈱と㈱セイジョーが、
経営統合して、株式移転により、
新会社として創立。
セガミ、コクミン、ヒグチ。
大阪発の薬局チェーンの草分け。
懐かしい。
スーパードラッグストアが、
アメリカから入ってくる以前に、
取材したことがある。
そのセガミがセイジョーと統合して、
現在は日本のドラッグストア業界第7位。
6月3日商人舎流通スーパーニュース。
ココカラファインnews|
スギHDと経営統合協議開始/マツキヨとの協議も継続
そして6月10日のスーパーニュース。
ココカラファインnews|
マツキヨか、スギか。「特別委員会」設置・7月末結果報告
ココカラファインが、
㈱スギホールディングスとマツキヨを、
天秤にかけて、経営統合を検討。
つまり業界第7位企業が、
第6位のスギと第5位のマツキヨの両者と、
経営統合に向けて検討していた。
どちらと統合しても、
業界トップに躍り出る。
月刊商人舎6月号は、
[特集]2019同盟決算
日本小売業「決算解体新書」のスケール&スコープ分析
この特集の中の「決算総覧Ⅴ」は、
ドラッグストア
唯一の成長小売産業のクリティカルマスは「ここから過ぎ行く」?!
「万が一にも、
業界4位、6位、7位の3社が連合すれば
1兆5000億円で断トツのグループが
でき上がることになる」
「日本のドラッグストア産業のスケールを
2019年段階で7兆円と仮定しても、
この連合は21%のシェアを超えて、
一気に17%の”クリティカルマス”を
突破することになる」
私はこの間、
ドラッグストア業界のM&Aは、
まだまだ序の口であると言い続けている。
ドラッグストア先進国の米国では、
2社による複占状況が顕著だ。
CVSヘルスと
ウォルグリーンブーツアライアンス。
米国は日本流通業における、
「すでに起こった未来」である。
特にドラッグストアはその代表産業だ。
「日本のドラッグストアの
生き残りをかけたアライアンス戦略は、
産業全体が成長と膨張を
繰り返すなかで展開されている。
そのスピード感は、実に華々しい
“クリティカルマス”先陣争いと化してきた」
スギはこのココカラの発表を受けて、
「協議終了」を表明した。
惜しい話だった。
スギにとって、
3社にとって。
ココカラは特別委員会を設けて、
その委員会で検討していた。
委員会メンバーに、
亀井淳さんが入っている。
元イトーヨーカ堂社長。
この委員会の検討に基づいて、
ココカラの取締役会が決定した。
マツキヨは、
プライベートブランドの開発に優れ、
インバウンド対応にも、
仕組みが出来上がっている。
一方のスギは、
日本で一番薬剤師を確保し、
調剤のファーマシーとして核売場を持つ。
今後の協議で統合が実現すれば、
売上高1兆円の規模となって、
ツルハホールディングス、
ウェルシアホールディングスを抜く。
3社が統合していれば、
1兆5000億円規模で、
日本のドラッグストアの21%。
クリティカルマスを超えていた。
その意味で、もったいない。
いずれ各社の統合はさらに進む。
それならば、今、
やっておけばよかった。
かつて1969年、
岡田屋、フタギ、シロが合併をした。
あのとき2社の統合だったら、
現在のイオンはない。
私が住む横浜妙蓮寺商店街。
ここでもドラッグストアとコンビニは、
重要な役割を示している。
まず妙蓮寺駅前に、
フィットケアデポ。
その斜め前に、セイジョー。
ココカラファインの店だ。
このセイジョーの隣にローソン。
まだサブタイトルにスリーエフが残るが、
ローソン+スリーエフだ。
妙蓮寺駅から一番近いのが、
この2層のファミリーマート。
イオンのオリジンキッチンと、
隣のセブン-イレブン。
セブン-イレブンは一番の繁盛店。
その天敵だったのが、
オリジン弁当。
そこから2分も歩かないうちに、
ホームセンターおかもと。
昔の雑貨屋。
その隣にイオンのまいばすけっと。
そしてまたセブン-イレブン。
かつての生鮮業種店は、
この商店街から姿を消した。
気の利いた八百屋、魚屋、肉屋は、
専門店レストランに転換している。
かくて食品小売業は、
主力業態がコンビニで、
競合せず存在感があるのが、
まいばすけっと。
欧米ではエクスプレスストアと呼ぶ。
もちろんドラッグストアも、
2店が競合している。
コンビニは「三占」、
最近は「鼎占」と表現している。
3社に収れんしそうだ。
ドラッグストアも寡占状態となった。
その上位企業同士が合併して、
やがて鼎占となる。
どんな3社となるか。
それは言えない、言わない。
必ず意外なことが起こるから。
しかし鼎占に向かうとしたら、
マツキヨとココカラは、
スギを仲間に入れておくべきだった。
〈結城義晴〉