ナチチャコパック「前高・高高」とMarketingの「ライバルと敵」
先週金曜日のこのブログで、
「ナチチャコの金曜パック」に触れた。
TBSラジオの深夜放送。
大人気の「パックインミュージック」
金曜担当が野沢那智と白石冬美だった。
故野沢さんがナチ、白石さんがチャコ。
調べてみると、
1967年7月から1982年7月まで続いた。
番組終了時には反対デモまで起こった。
木曜日の深夜だから、
「金曜パック」と略称した。
ラジオ番組で、
おしゃべりをして音楽をかける。
その担当者を、
ディスクジョッキーと言っていたが、
「パック」あたりから、
パーソナリティと呼んだ。
私は1968年に高校生になって、
71年に卒業した。
受験勉強も懸命にやったが、
そのときパックインミュージックは、
いつも心の支えだった。
このナチチャコパックでは、
「お題拝借」というコーナーがあって、
リスナーの投稿ハガキを紹介した。
そのなかで、
「タカタカ(高高)とマエタカ(前高)の戦い」
延々と繰り広げられた。
高崎高校と前橋高校。
群馬県のライバル高校の投書合戦。
抱腹絶倒のけなしあい、足の引っ張り合い。
それでいて同志的な感情も芽生える。
近隣の女子高まで巻き込んで広がり、
やがて様々なライバル合戦となった。
ライバル校と言えば、
日本の大学では早稲田と慶応。
最近のクイズ番組では東大と京大か。
イギリスでは、
オックスフォードとケンブリッジ。
アメリカでは、
ハーバードとエール。
マエタカ・タカタカ風に高校でいえば、
東京の日比谷と西高が有名。
宮城では仙台一校と仙台二校、
大阪では北野高校と天王寺高校。
熊本は熊本高校と済々黌。
こんな本まで出版された。
買う必要はないけれど。
私の生まれ故郷の福岡では修悠館が、
なんといっても断トツの名門だし、
鹿児島のそれは鶴丸高校。
つまりライバルがいないこともある。
ライバルが多いこともある。
わが神奈川は、
横浜では翠嵐と希望ヶ丘、
西では湘南高校と平塚江南。
そして神奈川は、
私立高校にライバルがある。
栄光と聖光。
東京の私立は開成と麻布。
県ごとのライバルというだけでなく、
埼玉の浦和高校と神奈川の湘南高校は、
古くから交流戦をしている。
浦和高校は㈱ヤオコーの川野幸夫さんや、
㈱プラネットの玉生弘昌さん。
湘南は㈱True Dataの米倉裕之さん。
True Dataの役員会のあと、
ランチのときに話題に上ったりする。
東京・新橋の有薫酒蔵。
「高校よせがきノートの店」として有名だ。
最新で3225校もののよせがきノートがある。
一度、覗いてみてください。
甲子園の高校野球にも、
もちろんライバル名門校がある。
神奈川の横浜と東海大相模、
宮城の東北高校と仙台育英、
現在の大阪は大阪桐蔭と履正社か。
夏の甲子園は、
大阪・履正社の優勝で終わった。
高校野球に関係しない人たちも、
自分の高校を懐かしく思い出す。
それも一興か。
しかし高校に限らず、
ライバルの存在は、
自分を高めてくれる。
マーケティングの視点でいえば、
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー。
リーダーは市場をけん引する者、
チャレンジャーは差異を生み出す者。
これこそまさしく、
ライバルのポジショニングである。
マーケットフォロワーは脱落する。
歌人・斎藤茂太の言葉。
「あなたの短所を攻めるのが敵。
あなたの長所を認めるのがライバル」
そして瀬古利彦のコメントがいい。
マラソンランナー・監督。
「自分が苦しい時は、
ライバルもまた苦しいのです。
そう思うと、いたずらに、
苦しんで走ることの無意味さがわかります。
自然のまま、静かに走ることで、
闘志の燃焼をさらに
深められるようになったのです」
最後に経営の神様・松下幸之助。
「ライバルが強くなければ、
自分も強くならない」
あなたにはライバルがいますか?
〈結城義晴〉