ヘミングウェイ「人間は負けるようにはつくられていない」
敬老の日を最終日とする3連休。
毎年毎年、連休が増える。
今年はゴールデンウィークの10連休、
お盆の9連休など長い連休とともに、
3連休は8度。
その3連休に絡む祝日は、
1月の成人の日、
2月の建国記念の日、
7月の海の日、
8月の山の日、
9月の敬老の日と秋分の日、
10月の体育の日、
11月の分化の日。
3連休に、
上手く集客できる店は、
商売繁盛。
「上手な3連休商売」
ID-POSデータを駆使して、
単行本でも書こうか。
敬老の日は9月の第3月曜日。
かつて2002年までは毎年9月15日だった。
二度目のハッピーマンデー制度導入で、
2003年から9月第3月曜日となった。
それとともに3連休が増えた。
もともとの9月15日は、
老人の日と定められ、
15日からの1週間が老人週間となった。
さて、私たちは、
いくつから「老人」となるのか。
国連では60歳以上を、
“Senior citizens”とする。
一方、世界保健機関(WHO)は、
65歳以上の人を高齢者と定義する。
日本では65~74歳を前期高齢者、
75歳以上を後期高齢者とする。
私も前期高齢者となったが、
Senior citizenのほうが、
なんとなくいいなぁ。
アメリカ合衆国では、
9月第1月曜日の次の日曜日、
今年は9月8日が、
National Grandparents Dayとされる。
「祖父・祖母の日」。
国際連合は毎年10月1日を、
「国際高齢者デー」としている。
アーネスト・ヘミングウェイの代表作が、
「老人と海」だ。
英語で、
「The Old Man and the Sea」
メキシコ湾に小舟を浮かばせて、
カジキマグロ漁をする老人。
キューバ人のサンチャゴ。
84日間の不漁のあと、
海に出て、巨大なカジキを仕留める。
3日の死闘の末、小舟の横に括り付けて、
港に戻ろうとする。
しかしそのカジキを狙って今度は、
サメの群れが何度も襲ってくる――。
老人は闘う。
そして、つぶやく。
“But a man is not made for defeat.
A man can be destroyed but not defeated.”
「しかし人間は、
負けるようには
つくられていない」
「人間は、
叩き潰されることはあっても
負けることはないのだ」
“Senior citizens”も”The Old Man”も、
断じて、負けることはない。
朝日新聞「折々のことば」
今日は第1580回。
悩まない人に
本当の明るさというのは
つかめないと思いますね。
(三波春夫)
雑誌「海燕(かいえん)」1994年1月号。
対談「芸・芸能・芸術そして芸人」から。
「失意、挫折、転落。
人は極限状況にある時こそ
微弱な光にも敏感になる」
生粋のネアカと思われてきた、
浪曲師・演歌歌手その人が言う。
これを承(う)けて対談の相手、
作家・荻野アンナが応じる。
「その明るさは
“真っ暗なのを磨いていると
出てくる光みたいなもの”ですね」
編著者の鷲田清一さん。
「人の輝きは
失ったものの大きさに
比例する?」
老人や高齢者、
Old ManやSenior Citizenこそ、
悩みを繰り返してきた人、
真っ暗を磨き続けた人、
失ったものの大きな人。
けれど、負けることのない人だ。
そうありたい。
〈結城義晴〉