第3期「竹林舎さいたま」で中小企業のマーケティングを講義する
3連休明けの火曜日。
午前中は東京・大手町で、
検査と診察。
主治医の田嶼尚子先生から、
お墨付きをもらって、
また安心した。
田嶼尚子先生は、
東京慈恵会医科大学名誉教授、
女性医師のフロントランナー。
ちょっと気になることでも、
なんでも相談する。
一度、横浜の商人舎オフィスに戻って、
それからまた埼玉県の北与野へ。
第3期「竹林舎さいたま」の講義。
ここで訃報です。
立教大学の渡辺吾月さんが亡くなられた。
くも膜下出血で突然の逝去。
立教の竹林舎事務局を務めてくださって、
私もお世話になった。
感謝しつつ、ご冥福を祈りたい。
その第3期の竹林舎さいたま。
竹林舎さいたまは、いわゆる経営塾。
立教大学大学院と飯能信用金庫が、
コラボレートして運営する。
飯能信金前会長の木村啓三さんと、
立教大学の押見輝男前総長が、
共感、共鳴して誕生した。
目的は、
中小企業の若手経営者養成と、
後継者問題の解決。
塾名は中国の故事「竹林七賢」に由来する。
3世紀の中国「三国時代」末期に、
七人の賢人がいた。
阮籍(げんせき)
嵆康(けいこう)
山濤(さんとう)
劉伶(りゅうれい)
阮咸(げんかん)
向秀(しょうしゅう)
王戎(おうじゅう)
この竹林七賢に学ぶという趣旨。
立教ビジネスデザイン研究科の先生が、
1年間、次々に登壇して講義する。
私のテーマは、
「中小企業のマーケティング」
2時間ほど講義をする。
そしてテーマに基づいて、
5つの班ごとに討議、検討して、
発表する。
17時から始まって、
20時に終了。
中小企業はいま、
ある意味で「焦点」となっている。
消費増税に伴って、
キャッシュレス決済のポイント還元が、
中小企業を優遇する形で行われるからだ。
しかし中小企業は、
こういった優遇をされるだけではない。
中小企業としての優位性を持つ。
コーネル大学のビル・ドレイク教授は、
インディペンデントカンパニーの、
5つの優位性を説明する。
1.適合性 Relevance
2.敏捷性 Agility
3.明確なバリュー提案
Clear Value Proposition
4.最適フォーマットの選択
Optimized Format
5.リーダーシップ
Leadership
私も同感する。
産業論、そしてマーケティング論の、
入門編を丁寧に講義して、
前提としての知見を確認する。
それから一気に、
フィリップ・コトラー先生の基本。
90分講義して休憩をはさみ、
最後にSWOT分析とPPM分析の手法を、
紹介して解説。
その後、グループディスカッション。
ケーススタディを決めてから、
その企業の強みと弱み、機会と脅威を、
班ごとに整理する。
さらに市場の成長率と、
相対的なマーケットシェアの検討をする。
この2つの整理をしたうえで、
ケーススタディ企業の現状を把握し、
今後の戦略を導き出す。
そして発表。
短時間のグループワークだったが、
極めて質の高い発表もあって、
私は大いに満足した。
最後にPPM分析の要点を解説し、
サービスマーケティングで締めた。
カール・アルブレヒトの言葉。
「もしあなたが
顧客にサービスを提供する仕事に
就いていなかったら、
顧客にサービスを提供する人に
サービスを提供するよう
行動しなさい」
清永道也さんは、
飯能信用金庫の研修所所、
竹林舎コーディネーターでもある。
ありがとうございました。
この竹林舎修了生の中に、
朝川康誠さんがいる。
立教大学大学院に進んで修士をとった。
結城ゼミ第3期生。
㈱USEI代表取締役社長。
今年7月に、
第14回「社会貢献大賞」“優秀賞”を受賞した。
おめでとう。
飯能信金の埼玉県の深谷からは、
渋沢栄一が出ている。
渋沢栄一は日本の近代産業の礎を築いた。
その渋沢の言葉。
「四十、五十ははなたれ小僧、
六十、七十は働き盛り、
九十になって迎えが来たら
百まで待てと追い返せ」
渋沢自身、91歳まで生きた。
その渋沢に言わせると、
私も清永さんもまだまだ、
働き盛りに入るし、
朝川君も竹林舎の受講生も、
はなたれ小僧だ。
学べ、学べ、学び抜け。
考えよ、考えよ、考え抜け。
ともに学び、考えたい。
〈結城義晴〉