9月調査の消費者心理低下と安倍首相所信表明の「あとすさり」
横浜商人舎オフィス。
そばを流れる新田間川。
南の空には雲。
港のほうを振り向く。
ランドマークタワー。
やけに近く見える。
遊歩道には緑。
気分のいい一日。
しかし今日が、
月刊商人舎10月号責了日。
頑張ります。
さて、9月の消費動向調査。
一昨日、内閣府が発表。
消費者態度指数は35.6。
前月から1.5ポイントのダウン。
消費者マインドの度合いを示すが、
12カ月連続の悪化。
比較可能な2013年4月以降、
最低の水準。
言わずと知れた消費増税で、
消費者心理は冷え込んでいる。
調査方法が異なるが、
東日本大震災後の2011年6月以来の低さ。
この消費者動向は4項目で測る。
①暮らし向き
②収入の増え方
③雇用環境
④耐久消費財の買い時判断
いずれも前月より低下。
安倍晋三内閣は、
キャッシュレス決済ポイント還元や、
プレミアム付き商品券の発行など、
数々の施策を打ち出した。
それでも消費者心理は、
ひどく冷え込んだ。
今日から第200回臨時国会。
内閣総理大臣の所信表明演説。
20分の演説の全文を読んでみたし、
テレビでちょっと演説を聞いたが、
私には響くところは少なかった。
第1に「一億総活躍社会」をアピールし、
第2に「地方創生」や成長戦略を主張し、
第3に外交と安全保障を語った。
「自由貿易の旗手」だとか、
「地球儀を俯瞰する外交」だとか、
ちょっと目新しい言葉遣いをしたが、
中身はない。
最後は「道しるべは憲法です」
「令和の時代に、日本が
どのような国を目指すのか。
その理想を議論すべき場こそ、
憲法調査会ではないでしょうか」
この「憲法調査会」は言い間違い。
「憲法審査会」でなければいけない。
あとで野党幹部から、
盛んに皮肉られた。
しかし一昨日の、
消費者心理の冷え込み調査発表は、
今日の所信表明演説全体を、
皮肉に覆いつくしていた。
残念!!!!
朝日新聞「折々のことば」
第1600回。
あさってから
手紙がくるよ
あしたのことが
書いてある
あしたってつまり
きのうのこと
あしたのわたしは
ごきげんですか
(多田智満子さんの詩「夏の手紙」)
〈『封を切ると』から〉
「あさって」からの手紙に続いて、
「おととい」からも手紙が来る。
その手紙に書いてあるのは、
きのうのわたしは
ごきげんですか
安倍首相にも、
おとといの消費動向調査から、
消費マインド低下の手紙が来る。
ごきげんなはずはない。
わたしをあしたに
渡しかね
すすむつもりで
あとすさり
ああ、ぴたり。
すすむつもりで
あとすさり
仕方ない。
それが今の日本だ。
商業が消費者マインドを高めよう。
それでも必要なのは、
いつもの私の言葉。
小さな喜び
ささやかな幸せ
明日への希望
〈結城義晴〉