特集Big Data✖Marketing4.0の短期的成果と「息をするように」
日本列島の河川は、
人体の「毛細血管」のようだ。
地方新聞の巻頭コラムの表現。
台風19号の被害の後で書かれた文章だが、
どこで読んだか調べ直してみても、
その新聞がわからない。
しかし内容には同感したい。
その毛細血管は広範に痛み、
動脈や静脈までも破れて、
日本列島、とくに関東や東北は、
深刻な疾患を抱えることとなった。
読売新聞の15日午後9時現在の調査。
台風19号によって、
死者は12都県で75人、
行方不明者は16人に上った。
死者の半数以上は、
福島県と宮城県に集中している。
またしても東北だ。
福島県内の死者は27人となった。
本宮市、郡山市、須賀川市など、
阿武隈川流域で多数の死者が出た。
宮城県でも死者は14人になった。
こちらも阿武隈川流域の丸森町は、
大部分が浸水した。
阿武隈川は「暴れ川」として有名だ。
阿武隈川は那須岳の北に水源を持つ。
福島県西白河郡西郷村の甲子旭岳。
それから白河市に入って、
須賀川市・郡山市・福島市を縦貫して、
宮城県に入ると阿武隈高地渓谷を抜ける。
さらに宮城県丸森町で角田盆地に入り、
角田市を流れて仙台平野に出る。
岩沼市と亘理町の境で太平洋に注ぐ。
暴れ川は通常は、
穏やかな印象を与えている。
怖い。
さて、平富郎さんから、
商人舎オフィスに電話が入った。
㈱エコス会長。
私は不在だったが、
いろいろとコメントを残してくれた。
平さんは先週、上海にいた。
日本スーパーマーケット協会主催の、
20周年記念視察旅行。
しかし台風19号の来襲で、
すぐに11日の金曜日に帰国した。
メンバーは滞在を余儀なくされ、
今日の14日の帰国となった。
帰国して月刊商人舎10月号を読んだ。
「今月の特集も良かったねえ」
「結城先生の記事の最後の4ポイントは、
本当にその通りだ。
ありがとう」
こちらこそ、
お褒めに預かって、
感謝します。
私は頭の部分の3本を書いた。
Messageは、
ビッグデータマーケティングしよう!
特集のまえがきは、
「Marketing4.0に時代観と価値観」
そして本編は、
「データドリブン経営」入門
「データドリブン経営」は、
データを原動力としたマネジメント、
あるいはデータが主導する経営のことだ。
この経営戦略には4つの壁がある。
そしてそれを実行するためには、
4つのステップがある。
この4ステップを、
平さんは評価してくださった。
第1に「明確なビジョンの表明」。
第2に「ロードマップを描き、
大きく舵を切ること」。
第3が大事だが、
「最初のプロジェクトを
絶対に成功させること」
そして第4は、
「従業員全員に投資して、
全社に拡大すること」
米倉裕之さんからも、
この号に対するメールが寄せられた。
㈱True Data社長。
「月刊商人舎10月号、
Big Data✖Marketing4.0の大特集、
台風の中、連休中に
じっくりと読みました」
「弊社サービスについて、
大変充実したご紹介をいただき、
深謝申し上げます」
「特集の小気味よい整理、深い洞察、示唆に
思わず何度もうなずいてしまいました」
「私たちも、
自らの経営・事業集合体(=True Data)を
データドリブンで
進化しなくてはなりません」
この特集のメイン記事は、
米倉さんと越尾由紀さんのインタビューだ。
「The True Big Data Marketing」
デジタル化の急進が社会と事業を変える!!
越尾さんは、
執行役員リテールマーケティング部長、
兼アナリティクス・ソリューション部長。
アメリカではいま、
「データサイエンティスト」という職業が、
もっとも高給取りだといわれているが、
越尾さんは日本一のデータサイエンティスト。
日本一の高給取りではないけれど。
True Dataのビジネスモデル。
小売業のPOSデータやID-POSデータを、
集積加工し、マーケティング活用する。
それは6000店舗/5000万人から得られる。
このデータは、顧客の3要素を、
基盤にしている。
⑴性別
⑵年齢
⑶住所の町丁目
この3要素の上に、
購買履歴データが積みあがる。
だから個人情報ではない。
しかしこの情報をベースにすると、
他のデータベースと、
掛け合わせることが可能になる。
⑴性別
⑵年齢
⑶町丁目
公共データも、金融データも、
自動車販売のデータも、
健康データも、安全データも、
すべてがこの3要素で掛け合わされて、
データはさらに膨大になり、
顧客像はさらに鮮明になる。
それがマーケティングの基礎となる。
これをビッグデータマーケティングと呼ぶ。
いい特集になったと思う。
Big Data×Marketing4.0
ぜひ、読んでみてください。
最後に朝日新聞「折々のことば」
第1610回。
努力とは
息をするように
続けられること、
無理をしないこと。
息をすることです。
(将棋棋士・永瀬拓矢)
「努力というとつい我慢や根性を連想するが
人の実力というものは、
“長いスパン”で見なければならない」
27歳の永瀬二冠(叡王・王座、八段)。
「短期的な成果を期待され、
無理して踏ん張らないといけない時もある
が、本当のゴールはうんと先にあって、
大事なのは継続だ」
超天才・藤井聡太七段の登場以来、
20代の若手の棋士が奮起している。
その双璧が名人の豊島将之とこの永瀬。
「本当のゴールはうんと先」
だから息をするように続けること。
台風の復旧、復興も、
データドリブン経営も、
短期的な成果を出すとともに、
息をするように続けられねばならない。
〈結城義晴〉