沖縄のスーパーマーケット競争とポイント5%還元の影響
ラグビーワールドカップ2019。
準決勝第一ゲームは、
イングランドがニュージーランドを、
実に基本に忠実な防御によって、
19対7で破った。
どんなに強い者も、
負けるときには弱い。
それがよく出たゲームだった。
ニュージーランドヘラルド紙は、
27日の朝刊第一面全面を、
黒く塗りつぶした。
最上段のタイトル「Herald on Sunday」と、
最下段の広告は残して、
中央に簡潔な白抜き文字。
The All Blacks are
out of the World Cup.
If you want to read
more, go to the
sports section.
「オールブラックスは、
ワールドカップから敗退した。
もし、もっと読みたければ、
スポーツ欄へ」
これ、サミット㈱のあれ、
白紙チラシの逆バージョン。
しかしそれくらい、
オールブラックスの敗戦は、
信じられない出来事だった。
一方、今日の準決勝第二戦は、
南アフリカがウェールズに辛勝。
南アがペナルティゴールを取ったら、
ウェールズが取り返す。
南アがトライ&ゴールしたら、
ウェールズも取り戻す。
両者の強みを活かし合って、
素晴らしい試合だった。
これで北半球対南半球の決勝戦となった。
ベスト8で敗退した日本は、
直接対決で南アフリカに負けているので、
もし南アが優勝すれば、
2位であった可能性も残る。
まあ、気分の問題だが。
なんとか南アフリカに、
勝ってほしいところだ。
そのイングランドと南アの決勝は、
11月2日(土曜日)18時から。
3位決定戦はその前日の11月1日(金曜日)。
まだ2試合だけ、
本物中の本物のラグビーを、
この日本で楽しむことができる。
さて、沖縄を訪問して、
各社の店舗も見て回った。
超大型ショッピングセンターは、
サンエー浦添西海岸PARCO CITY、
イオン沖縄ライカム。
それ以外の中小型店を巡った。
サンエー大湾シティ。
2017年8月9日オープンの2195坪。
サンエーnews|
沖縄県読谷村に1フロア2200坪を8/9開業
郊外型のNCS。
サンエー食品館と衣料館を核に、
マツモトキヨシとエディオン。
大阪王将、和風亭。
すべてサンエーの直営。
これがサンエーの中核フォーマットだ。
さらにサンエーV21食品館うらにし。
サンエーの小型店。
サンエーは3つのフォーマットを展開する。
第1が広域型ショッピングセンターで、
売場面積8000~3万7000㎡。
この代表がサンエーPARCO CITY。
第2が近隣型ショッピングセンターで、
1500~1万4000㎡。
大湾シティがその典型だ。
そして第3が小型のサンエーV21食品館。
495~1000㎡。
つまりマルチフォーマット戦略。
マルチフォーマットでなければ、
市場占拠率を高めることができないし、
マーケットリーダー戦略は実現しない。
サンエーは範囲の経済のなかで、
マーケットリーダー戦略を採用する、
日本の代表企業である。
V21と駐車場を挟んだ向かいに、
和風亭がある。
ランチはここでおいしくいただいた。
マックスバリュ兼久店。
経営はイオン琉球㈱。
1999年、㈱プリマートと沖縄ジャスコが合併し、
㈱琉球ジャスコが誕生した。
私はプリマート時代に、
当時の坂野邦雄社長に招かれて、
講演をしたことがある。
その後、琉球ジャスコは、
2011年、イオン琉球㈱と社名を変えて、
GMS事業部のイオンスタイルをはじめ、
マックスバリュ事業部、
ザ・ビッグ事業部、
そしてイオンドラッグ事業部を展開する。
マックスバリュはやはり、
スーパーマーケットとして同社の中核部隊だ。
この日は「ポイント20倍」――、
つまり全品1割引きセールを展開。
かつて関西スーパーマーケットが、
全品1割引きセールを試みて、
大成功を収めたことがあった。
しかしポイント20倍でも競争は厳しい。
タウンプラザかねひで与儀公園市場。
沖縄の地元企業「金秀グループ」。
建設業・資材業・ガソリンスタンドから、
リゾート事業まで多角経営をしている。
小売業はこのタウンプラザかねひで。
標準型スーパーマーケットが中核だ。
10月21日からキャッシュレス決済で、
ポイント5%還元を展開。
5%ポイント還元で客数は多い。
昨日の日経新聞の記事。
「ポイント還元/1日10億円」
経済産業省の発表。
10月1日からのポイント還元制度では、
1日平均10億円分のポイントが、
消費者に還元されていると推計された。
「このペースが続くと、
予算を確保している来年3月末までに
原資が不足する可能性がある」
計画では来年6月終了だが、
9カ月の予定の3分の2で、
約2800億円の予算をオーバー。
追加予算を検討するが、
財源は18年度予算から、
剰余金や予備費を充てる案が浮上。
しかし不透明な点だらけだ。
この制度に参加する中小企業店舗は、
全国に約200万店ある。
10月24日時点で、
約91万店から申請があった。
正式に認められる店は、
11月1日段階で約64万店に達する見通しだ。
政府資金でポイント還元する店が増えれば、
予算が不足する時期も早まる。
ポイント還元と言えば、
コンビニエンスストアも2%還元される。
そのセブン-イレブンは、
金秀グループや沖縄ツーリストなどとの、
フランチャイズ契約で、
今年7月に進出。
店舗を訪れると、
珍しさもあるのだろう、
土曜日で大繁盛。
駐車場にも車の行列ができた。
セブン-イレブンは金秀などとコラボし、
ローソンはサンエーが運営し、
ファミリーマートは㈱リウボウが担った。
ファミマはかつてのセゾングループ。
店数はファミリーマートが1位、
ローソンが2位、
セブン-イレブンが進出したばかり。
コンビニエンスストアの競争は、
ヒートアップするばかり。
最後にフレッシュプラザユニオン。
地元の㈱野嵩商会が経営し、
365日24時間営業が旗印。
もちろん安売りも特徴だ。
こちらも当然ながら、
ポイント5%還元をしている。
そして那覇の中心部の小型店は、
繁盛している。
キャッシュレス決済の顧客は、
多くはないが。
日本の競争はどうなるのか。
商人舎流通スーパーニュース。
協会news|
ポイント還元事業の「見直し要望書」を経済産業大臣に提出
9月18日に菅原一秀経済産業大臣に、
4協会の協会長が連名で、
4ポイントの要望書を提出した。
チェーンストア協会の小濵裕正会長、
日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長、
全国スーパーマーケット協会の横山清会長、
日本チェーンドラッグストア協会の池野隆光会長。
しかし全く無視されたうえに、
菅原大臣が突然、辞任に追い込まれて、
経済産業省も大忙し。
大臣辞任も理由の一つとなって、
不公平な競争は続く。
税金から使われる2800億円に、
歯止めをかけねば、
9カ月は続くことになる。
さて、どう動くか。
私は夕方、那覇空港へ。
ステンドグラスが美しい。
そして大阪空港(伊丹空港)へ。
バッケージクレームは第2次改装で、
すでに先行オープンして、
美しくなっている。
来年2020年をめどに着々と進む。
到着ロビーもモダンになった。
ホテルのフロントのようだ。
土曜日は沖縄から伊丹、
そして奈良に入った。
お疲れ様。
〈結城義晴〉