万代知識商人大学「Strategic Management」と阿部秀行社長対談
Everybody! Good Monday!
[2019vol43]
2019年代44週。
10月最終週。
今週金曜日から、
いよいよ11月に入る。
今月17日から23日まで、
アメリカのダラスとサンフランシスコ。
帰国して1日置いて、25日から沖縄。
そして26日の夜、関西に来て、
今日28日は、東大阪。
㈱万代本社の会議棟。
万代知識商人大学。
第4期の10月講義。
朝9時からスタート。
人事部マネジャーの津田睦さんが、
朝の挨拶。
初めに第4期生の2人からの報告。
商人舎ミドルマネジメント研修会で、
優秀者表彰を受けた2人。
万代宇治樋ノ尻店店長の山中一高さん。
財務経理部チーフの髙松直輝さん。
2人とも自信あふれる報告だった。
おめでとう。
それから結城義晴の講義。
今月は「Strategic Management」
午前中は、戦略経営をわかりやすく語る。
「駕籠かきの教訓」
あなたの仕事は、何ですか。
つきつめて考えると、
あなたが毎日やっていることは、
いったい何ですか。
あなたの仕事の目的は、何ですか。
何のためにあなたは日々、
働いているのですか。
駕籠に乗る人、かつぐ人。
そのまたわらじをつくる人。
駕籠かき、駕籠に乗らず。
江戸時代、
公的交通機関のひとつであった
駕籠屋という職業は、
明治維新の後、
消えてなくなりました。
江戸時代の終わり頃に
タイムトリップして、
私は、駕籠屋さんに質問しました。
「あなたの仕事は、何ですか」
若い、たくましい駕籠かきが答えました。
「駕籠をかついで走ることです」
別の若い人が答えました。
「お客様を運ぶことです」
この人は、
明治時代に入ると、
鉄道業を興しました。
時代の潮流に適応していくことは、
何にもまして必要です。
しかし、時代適合するためにこそ、
私たちはいつも、
自問しなければなりません。
私の仕事は、何だろう。
つきつめて考えると、
私が毎日やっていることは、
いったい何だろう。
私たちの仕事の目的は、
何だろう。
何のために私たちは、日々、
働いているのだろう。
〈結城義晴著『Message』より〉
「お客様を運ぶこと」は、
ミッションである。
ストラテジックは、
江戸時代の駕籠屋であり、
明治になると蒸気機関などに変わり、
やがて自動車会社、鉄道業、
旅客業やタクシー会社となる。
アメリカではウーバーが起こり、
月旅行のサービスまで提供される。
ストラテジックとはまさしく、
ビジネスの乗り物を変えることだ。
マネジメント体系から、
ストラテジック・マネジメントの、
ポジショニングを解明する。
そして戦略論の基礎。
フィリップコトラーが提唱したのが、
PEST分析。
さらにマイケル・ポーターの、
5Forces分析。
ここまでで朝の講義が終わった。
続いて、万代副社長の不破栄さん。
株式会社万代の戦略経営を、
これまたかみ砕いて、
ていねいに語ってくれた。
経営者として、
バランスシートの大切さを説いて、
そのあと万代の中長期経営戦略や、
投資の考え方、方向性を、
これもわかりやすく解き明かした。
1時間半の講義のあと、
質疑応答。
良い講義だった。
企業内大学は、
その企業の講師が語るのが一番だ。
私は外から、
客観的に論理的な講義をし、
その定着のために指導、訓練する。
不破さんと並んで写真。
ありがとうございました。
ランチはいつも万代の惣菜。
会議棟の隣の万代渋川店。
農産部門では「葉物フェアー」
水産部門の秋サケは、
もうシーズンの最後となる。
鯛の丸ものも新鮮だ。
ざる売りで丸ものを売るから、
切り身パックも、
しっかり売ることができる。
惣菜売場はおいしくて安い。
私は必ず、その新製品を食べる。
11月1日の「月の市」の告知がある。
ランチの後は、午後の講義。
SWOT分析とPPMの概要を説明して、
その後、班ごとに議論。
テーマは「万代の戦略分析」
1時間半ほど討議して、
班ごとに分析をかけ、
それぞれの戦略を策定して発表。
私はそれぞれの班の発表方式を、
2つ提案。
一つはスクラム方式。
もう一つはプレースキック方式。
そう、ラグビーのシステム。
スクラム方式は集団でプレゼンする。
プレースキック方式は、
代表が一人でプレゼンする。
最初は4班のスクラム方式の発表。
分析・発表は
PPM分析とSWOT分析を用いて、
戦略アクションの方向性を示す。
3期生からの質疑応答の後、
私が分析内容を評価し、
問題点を指摘する。
続いて1班。
こちらはプレースキック方式で、
プレゼンテーション。
受講生たちは全員が集中して、
真剣に聞いている。
そして手を挙げて質問。
メモを取り、問題点を書き込み、
発表を聞く。
2班の分析は深い考察があり、
なおかつ発表も素晴らしかった。
それに、コメントを加えて解説する。
5班はふたたび、
スクラム方式での発表。
6班もスクラム方式。
最後は3班。
分析も発表も、
他との違いがなければいけない。
そのうえで具体性と行動性が必要だ。
抽象的な分析や、
ありきたりな結論では、
意味がない。
それはすなわち、
戦略性がないということだ。
6つの班のSWOT分析とPPM分析、
そしてその発表を終わって、
総括の講義は、第1にジェイ・バーニー。
「内部資源理論とVRIOフレームワーク」
第1のステップはValue。
「経済価値はどの程度か」
第2のステップはRarity。
「希少性はどの程度か」
そして第3のステップがInimitability。
「模倣困難性はどの程度か」
最後にOrganization。
「組織力はどの程度か」
経済価値があり、
稀少で模倣困難性があれば、
そしてそれを実現させる、
組織的な方針や手続きが整っていれば、
持続的な競争優位が獲得できる。
万代の経営や運営が、
模倣困難性を堅持できるか。
そんな組織となっているか。
それが問題だ。
最後に、ブルーオーシャン戦略から、
ERRCアクションマトリックスのフレームワーク。
4つのアクションが必要だ。
1.取り除くアクション
2.増やすアクション
3.減らすアクション
4.付け加えるアクション
これらを具体的に大胆に考察する。
戦略経営の初歩の初歩を講義し、
演習した。
しかし万代の「売る力」の上に、
この戦略性が伴ってくると、
それこそ模倣困難な営業が可能となる。
カレッジの授業を終えて、
そのまま万代本社に移動。
阿部秀行社長との対談。
消費増税に対する環境の変化を、
阿部さんらしい分析で、
率直に語ってくれた。
それは月刊商人舎11月号で報告しよう。
楽しい取材だったし、
私の見解とも一致した。
ありがとうございました。
アメリカの旅から、
国内の旅。
そろそろそれも、
最後の段階になりそうだ。
明日まで頑張る。
では、皆さん、今週も、
Good Monday!
〈結城義晴〉