スタジオアリスの本村さんと青山商事「わかりにくくてすみません」
沖縄から関西の旅。
大阪最後の夜は、
万代知識商人大学終了後、
「八百屋食堂まるも」へ。
2018年12月13日、
大阪市城東区蒲生4丁目にオープン。
大阪南部をはじめとして、
静岡、長野、奈良などから、
新鮮な青果を仕入れて販売する八百屋。
その2階が食堂の「まるも」。
経営は㈱アドバンス(磯田雅人社長)。
㈱万代の子会社で、
食品の製造卸から人材派遣まで、
多様な事業を展開する。
この八百屋は、
1階、2階の店舗面積約27坪。
1階は昔ながらの対面八百屋。
2階はその新鮮な青果を使った食堂。
店舗は古民家をリノベーションして、
天井や柱は大正時代のもの。
売り物はこの「まるも木箱」。
野菜をメインにした定食。
サラダバーは食べ放題。
目黒理紗子さんが、
アイテムを説明してくれた。
ありがとう。
案内してくれたのが、
万代カレッジ4期生の2人。
左の安枝幹洋さんと、
右の田島孝治さん。
安枝さんはアドバンス農産部、
田島さんは同人事部。
私の右はまるも店長の石原聡志さん。
楽しい会食だった。
このところの旅で疲れ切っていて、
熟睡したらあっという間に夜が明けた。
朝9時に大阪・梅田の大阪第一生命ビル。
㈱スタジオアリスを訪問。
会長の本村昌次さんと懇談。
トップマネジメントの皆さんも揃って、
有意義な時間を過ごした。
マネジメント、ストラテジック、
チェーンストア理論。
真ん中が本村昌次会長、
その隣が牧野俊介社長、
山本浩子常務、
私の隣が宗岡直彦専務。
本村さんが創業したスタジオアリスは、
街の写真館から新しいフォーマットに転換、
子ども写真館のコンセプトを構築して、
現在、日本国内全都道府県に、
こども写真館510店舗、
韓国の子会社のこども写真館2店舗、
512店舗のチェーンストアとなった。
2019年2月期売上高は396億4300万円、
経常利益41億2200万円。
経常利益率は10.4%の凄い高収益企業だ。
2002年、ジャスダックに上場、
2003年、東京証券取引所二部上場、
2004年、東証第一部に指定。
私は㈱商業界社長のとき、
「日本商人大賞」という賞をつくった。
2008年のその第4回受賞者が、
スタジオアリスの本村昌次さんだった。
この時点で400店のチェーンストアだった。
その後も順調な成長を遂げて、
現在に至っている。
本村さんの経営哲学を、
存分に聞かせてもらって、
納得し、感服した。
その本村さんとの会話にも出てきた。
青山商事㈱。
紳士服チェーンのトップ企業が、
日経新聞に全面広告を出した。
謝罪会見に見立てて、
「わかりにくくてすみません。」
「スーツ業界の価格表示は
本当にわかりにくい」
「社長の私が一番大切なことを
見失っていました」
社長の青山理さんの反省の言葉が並ぶ。
10月1日の消費増税を機に、
「新価格」を発表した。
青山商事の本社があるのは、
広島県福山市。
このエリアの地方紙でもある山陽新聞が、
一面コラム「滴一滴」で取り上げた。
「クーポン大幅割引や
“2着目半額セール”など、
値引きを前提とした商習慣の
見直しを告知する広告である」
「10月から多くの商品を
最初から値下げした新価格で売り出した」
2009年3月の「イオンの反省」もあった。
「洋服の青山」は、
「わかりにくさ」を廃して、
「複雑な価格表示」を改めた。
消費増税、軽減税率、
キャッシュレスのポイント還元、
世の中がわかりにくい方向へ、
ずんずん進むときに、
「わかりにくくてすみません。」には、
極めて新鮮な訴えがある。
作家の井上ひさしの言葉。
「むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、
おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、
そしてゆかいなことは
あくまでゆかいに」
洋服の青山の広告。
「わかりにくくてすみません。」
謝罪記者会見に見立てて、
まじめなことをゆかいに、
ゆかいなことをあくまでゆかいに、
価格改定を試みた。
〈結城義晴〉