岩崎高治・平邦雄・川野澄人/パネルディスカッションの三者三様
秋晴の日は静かなる夕暮よ
〈高木晴子〉
俳人・高木晴子は高濱虚子の五女。
1915年生まれ、2000年没。
鎌倉生まれ。フェリス女学院卒業。
幼い頃から虚子に俳句の手ほどきを受けた。
秋晴れの日ほど、
夕暮れは静かだ。
グレートアイランド倶楽部に、
夕方、着いた。
㈱伊藤園が経営する千葉県の名門コース。
来週末に、伊藤園レディースが開催される。
明日は第20回ドクターズ杯。
頑張ります。
さて昨日のパネルディスカッション。
三人のパネラーの言葉で、
印象的で記憶に残っているものを、
紹介しておこう。
まず平邦雄さん。
㈱エコス社長。
「お客様と従業員と、
お取引様に支えられて、
商売させてもらっています」
「私は従業員に食わせてもらってます」
これが平邦雄の本音だ。
それは永遠だ。
そして川野澄人さん。
㈱ヤオコー社長。
同社は農業をやっている。
「ヤオコーファーム」
その紹介文。
「農業事業者が高齢化や減少する中で、
安全で安心できる食材を提供し、
地域にお住まいのお客様の
豊かなライフスタイルづくりに
貢献することを事業目的としております」
「自社物流センターに近い圃場を確保し、
地元農家さんとのネットワークを
構築するパイロットファームも担っております」
「将来的には、野菜づくりにおける
ヤオコー基準を構築し、
地域のみなさまの健康に
さらなる貢献をしたいと考えております」
川野澄人さん。
「ヤオコーファームで、
採用の募集をかけたら、
スーパーマーケット以上に、
人が集まるのです」
農業をやりたい人、
農場で働きたい人は、
増えているし、多い。
商業よりも人気がある。
複雑な気分だが、
この分野を仕事に加えていくことは、
商業の未来を示している。
商業と農業の融合。
これは永遠のテーマだ。
最後に岩崎高治さん。
㈱ライフコーポレーション社長。
どんな会社にしていきたいか。
「ラグビー日本代表のような、
チームにしたいと思います。
[One Team]で結束するような、
多くの人々から応援してもらえるような、
そんなチームにしたい」
素晴らしい。
これもマネジメントにおける、
永遠のテーマである。
心から感謝したい。
そして今日の最後は、
11月の商人舎標語。
月刊商人舎11月号の、
[Message of November]でもある。
よそに合わせてどうすんねん!
中国戦国時代の荘子。
「変化こそ不変の真理である。
流転こそ万物の真相である」
日本にも同じ思想を持つ者はいた。
明治時代の岡倉天心。
「変化こそ唯一の永遠である」
イギリスの作家イズレイル・サングウィル。
「すべてのものは変化するが、
変化のみは不変である」
商業界主幹の倉本長治も言い残した。
「変化するという事実だけが、
変化しない」
だがピーター・ドラッカーは説く。
「エントロピーの法則」。
組織は放っておくと陳腐化する。
「いかなる経済といえども、
放置しておくならば資本の生産性は
確実に逓減に向かっていく」
陳腐化も逓減の法則も、
変化であることに変わりない。
しかし、この変化には対処法がある。
ご存知、上田惇生。
ポストモダンの七つの心得のひとつ。
「自ら陳腐化せよ」
自ら陳腐化するとは、
破壊的イノベーションを、
自ら企図せよということだ。
消費増税・軽減税率制度導入。
そして不公平競争のポイント還元。
目に見える波は動揺と混乱を引き起こす。
しかし海上の波の、ずっと下には、
大きな潮流のうねりがある。
波が変化なら、潮流も変化である。
その潮流の変化を捉え、
それに先行し、
自ら陳腐化する。
それを生み出すのはビジョンである。
支えとなるのはポジショニングである。
「よそに合わせてどうすんねん」(阿部秀行)である。
〈結城義晴〉
阿部秀行さんは㈱万代社長。
先日のインタビューで語ってくれた。
ポジショニングを阿部流の表現にした。
素晴らしい。
創意を尊びつつ良いことは真似ろ。
倉本長治。
しかし、いつもいつも、
よそに合わせてどうすんねん!
〈結城義晴〉