フランシスコ教皇の「核のない世界」と「後回しにできない問題」
フランシスコ第266代ローマ教皇。
ナガサキとヒロシマを訪れ、
核廃絶を訴えた。
東日本大震災の被災者や、
福島第1原発事故の避難者にも、
直接、語りかけた。
6年前の就任以来、
格差と貧困、環境破壊など、
幅広い分野で現代的な発言。
あのドナルド・トランプの正反対だ。
そのメッセージは明解。
「核兵器のない世界は、
実現可能であり、
必要不可欠である」
日本は地球上で唯一の被爆国である。
しかし核兵器禁止条約に署名していない。
「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、
移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止
ならびにその廃絶に関する条約」
2017年7月7日の国連総会で、
122カ国・地域の賛成多数によって可決。
しかしこのとき、
核保有国はすべて不参加だった。
その核保有国は、
アメリカ、イギリス、フランス、
そしてロシア、中国の5常任理事国。
さらにインド、パキスタンと北朝鮮は、
核兵器保有を表明している。
イスラエルは公式宣言はしていないが、
核保有国とみなされている。
これら「核クラブ」の9カ国以外にも、
北大西洋条約機構加盟の28カ国。
ドイツ・イタリア・スペイン・ベルギー、
デンマークやカナダなどが署名せず。
(唯一オランダだけは毅然と禁止条約に署名)
さらに日本、オーストラリア、韓国なども、
核兵器禁止条約に不参加である。
しかし核廃絶は非現実的な夢なのか。
経済の後回しにしていい問題なのか。
フランシスコ教皇の言葉に、
耳を傾けたい。
11月21日の「折々のことば」
朝日新聞の一面コラム。
第1564回。
政治の役割は
二つあります。
一つは国民を
飢えさせないこと。
……もう一つは、これは
もっとも大事です、
絶対に
戦争をしないこと。
(菅原文太)
俳優菅原文太は山梨県で、
オーガニック野菜づくりに勤しんでいた。
しかし出身地の東北・宮城の隣県、
福島での原発事故のあとは、
この社会の行く末を案じて、
積極的に発言した。
編著者の鷲田清一さん。
「亡くなる直前の2014年11月1日には、
沖縄県知事選の応援演説で、
あのだみ声で噛みしめるように
こう語りかけた」
「直球の言葉だが、それがびんびん
響いてくるこの時代が怖い」
戦争をしないための抑止力として、
核はその機能を有するというのが、
禁止条約不参加の理由となっている。
しかし唯一の核爆弾被爆国として、
それを逆手に取って、
日本しかできない態度はとれないのか。
北國新聞の一面コラム「時鐘」
同紙は石川県を中心にした北陸の地方紙。
「反抗期のころに、
テストの心得を知った」
「時間を上手に使うため、
難問に挑むのは後回しにせよ」
よく、言われる。
「何でもムキになってぶつかる子供から、
要領を心得て大人になる一歩だったろう」
同感。
「が、後に回して、
それで見事解けた試しが
あったかどうか」
ない。
後回しでは、
永遠に解けない。
核廃絶問題も同じだ。
そして戦争と核兵器のない世の中でしか、
小売業・サービス業は反映しない。
岡田卓也さんの三大ビジョン。
平和産業・地域産業・人間産業。
最後に、まったく関係ないけど、
ウクレレ漫談の「ぴろき」
ウクレレを弾きながら、歌う。
「あっかるく、よーきに、
いきましょう♬」
先週日曜日の「笑点」で、
大喜利の前の演芸コーナーに出た。
血糖値の話をした。
他人事ではない。
「最近、血糖値が高くなってまして……
お医者さんに、行ったんです⤴
でも、血糖値は、上がるんです⤴
診てもらった先生が……
佐藤先生だったから(ウクレレでペロン♪)
お医者を変えて、
診療してもらいました……
血糖値が、また、上がるんです⤴
診てもらった先生が……
加藤先生だったから(ウクレレをペロン♪)
次にお医者を変えて、
診てもらった先生から、
血糖値が下がり始めました⤵
診てもらった先生が……
武藤先生だったから♪
あっかるく、よーきに、
いきましょう♬」
ぴろきの本名は佐藤浩樹。
納得。
1964年1月1日生まれの55歳。
岡山県里庄町出身。
血液型はA型で身長153cm。
おあとがよろしいようで。
もうすぐ12月。
大事な問題を後回しにせず、
あっかるく、よーきに、
いきましょう♬
〈結城義晴〉