結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年01月07日(火曜日)

接客時マスク禁止論争とゴーン逃走劇の「世のため・人のため」

人日(じんじつ)の節句。
そして「寒」の入り。

「五節句」と言われるように、
1年に5回の季節の節目となる日がある。

節句は奇数月。
1月は7日の人日の節句。
3月は3日の上巳(じょうし)の節句、
5月は5日の端午(たんご)の節句、
7月は7日の七夕(しちせき)の節句、
9月は9日の重陽(ちょうよう)の節句。

ぞろ目の日ばかりだが、
1月は1日が元旦という特別の日だから、
代わりに7日となった。
7日が選ばれたことには諸説あるものの、
腑に落ちる理由はわからない。

しかしいずれも植物が関連付けられて、
人日は七草の節句。
上巳は桃の節句、
端午は菖蒲の節句、
七夕は笹の節句、
重陽は菊の節句。

その、今年の七草。DSCN00680

そして今年の七草粥。   DSCN00800

七草の粥を食べて、
正月明けの気分。

昨日は夕方から、
亀谷しづえさんの母上、
まさ子さんの通夜。
DSCN99770

亀谷は㈱商人舎ゼネラルマネジャー。
DSCN995700
今日が告別式。

ご冥福を祈りたい。

さて朝日新聞社会面で、
「接客時のマスク禁止論争」DSCN00750

第一面右段にアイキャッチコーナー。DSCN00760

この結城義晴の毎日更新宣言ブログでは、
すでに二度にわたって、
この問題を考察し、結論を示した。

昨2019年12月26日(木曜日)
イオンの
「原則的にマスクせずに接客する」
方針の問題について

それから、2019年12月31日(火曜日)、
「マスク論争」に結論出して
[結城義晴の毎日更新宣言]終了します!

朝日の記事では最後に、
マスクで風邪が予防できるかに関して、
厚生労働省のコメント。
「のどの保湿はできるが、
すき間などからのウイルス侵入は
防げない」
DSCN00720

接客の専門家・太田章代さんの見解。
「マスクをつけると印象が悪くなるため、
接客業では基本的につけるべきではない」

私は印象が悪くなるというよりも、
接客する人の個性が損なわれると思う。

太田さんも、
風邪の予防のための着用は、
勧めない。

「接客マナーの原則は、
相手の気持ちを一番に考えること」

「ただ若い世代は、
マスク姿の店員への抵抗感が少ないので、
マナーも変わるのかもしれません」

マスク禁止論争も、
「世のため、人のため。
それから己のため。」

「己のため」は最後。
それがとくに接客業の原則だ。

大晦日のブログの結論。
「たった一つの正解しかない、
という時代は終わった。
それがポジショニング戦略時代である」

イオンは「原則的にマスクせず」を選ぶ。
そうでない企業があっても、
もちろん悪いとは言えない。

アメリカのトレーダー・ジョーや、
ホールフーズでは、
長髪はもとより刺青の店員が、
ずいぶん多くレジで接客している。

一方、HEBは、
七三に分けた男子高校生や、
ブロンドをポニーテールにした女子高生が
きびきびと接客してくれる。

長髪や刺青も、
七三やポニーテールも、
これが、どちらも、
「らしく」て、いいんだな。

ブログに書いたように私は、
「原則としてマスクをしない店」が好きだ。

「ただし働く人たちには、
理解してもらわねばならないし、
納得してもらわねばいけない。
そこが大事なポイントだ」

さて、カルロス・ゴーン逃走劇。
元日産自動車会長。
情けない話になってきた。
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英国フィナンシャルタイムズ(FT)までが
社説で取り上げて、問題視している。

「世界でも著名な企業トップが
24時間の監視をかいくぐり、
15億円もの保釈保証金を支払って
保釈された最中に行方をくらまし、
自由を求めてプライベートジェットで
5500マイル離れた場所に逃亡する――」

まるで「サスペンスドラマ」。

「だがこの逃亡により、
落ちたカリスマ経営者は
世界で最も注目される
逃亡者の一人になった」

「ゴーン被告と
日本の司法制度の双方にとって、
その信頼が揺らぐことになる」

FTの社説は、
日本の司法制度への疑問を呈しつつ、
ゴーン被告の行動も批判する。

「ビジネス界のリーダーが、
民主主義の先進国で、
裁判を前に逃亡するのは
容認されることではない」

結論は、
「この異様な事件の真相が
つまびらかにされることが、
全ての関係者にとって最良である」

だから日本の司法当局の責任も重い。

以前にも書いたことがある。
㈱商業界の社長に就任して、
根本的な組織体質改革を企図した時、
私はゴーンの手法を活用した。

クロスファンクショナルチーム。
「CFT」と呼ぶ。

組織の縦割りの悪弊を排除する。
そのために横断的に人財を集めて、
全体最適を目指す。

この改革の考え方は正しいし、
ゴーンという人間の能力の高さは、
疑いようがない。

それでニッサンが立ち直ったからだ。

しかし今回の逃走劇を見てもわかる。

経営において、
仕事において、
自分の生き方において、
必要なものは、
「世のため、人のため。
それから一番最後に、
己のため。」
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「世のため、人のため。」を、
貫徹していけば、
おのずから、
「己のため。」となる。

その真理を知ってほしい。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • マスク論争。
    イオンが先陣を切ったという意味でも業界人の立場、お客様の立場からいろいろな意見が出されているようで、私としては接客でありおもてなしでありという業務の在り方に意見が交わされることは嬉しく思います。
    そして、先日結城先生がコメントに返していただいたロイヤルカスタマーの話。
    店舗の在り方次第でロイヤルカスタマーの集まるお店、逆に駆逐されていくお店。
    確かにどちらかに偏っていくような現実を見てきました。
    しかしその過程の中では店舗側の葛藤が見えないところで存在することも事実。
    特にロイヤルカスタマーの集まるお店になっていく過程では店舗側が毅然とした態度を取り、ある時は人間的に許すことの出来ない方を駆逐する毅然とした態度によってぶつかることも多いと思います。その葛藤を克服してようやくロイヤルカスタマーが心置きなく来店される環境が整っていくのだろうと思っています。
    そして毅然とした態度はその店舗の店長だけに許される行為であることも事実かと思います。そこに店舗としての代表としてお客様とあくまでもお客様以前に同じ人間として対峙しなければならないという責任を取れるのは店舗の代表である店長以外にはいないのかと思うのです。
    そういう意味でも、店舗の代表である店長という存在は、ある意味その職位を全うするという覚悟が必要なのかもしれません。

  • 大越さん

    ご投稿、有難うございます。

    お客さまと店長、店員は対等です。
    それを店長が示すことで、
    ロイヤルカスタマーが生まれます。増えます。

    同感です。

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