結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年01月09日(木曜日)

孔子の「君子・小人」とAJSパネル討論会の「製配販連携」

カルロス・ゴーン元日産会長。
レバノンでの記者会見。

ああああ。

唯一、許されて会見場に入ったのは、
テレビ東京の記者。
もう少しでいいから、
流ちょうな英語を使ってほしかった。

朝日新聞一面「折々のことば」
第1693回。

子曰、過而不改、是謂過矣
(孔子、『論語』(金谷治訳注)巻第八・衛霊公第十五から)

「子の曰(のたま)わく、
(あやま)ちて改めざる、
(こ)れを過ちと謂(い)う」
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「人はよく過つ不完全な存在。
人の評価はむしろ
過ちと知った後の

身の処し方で決まる。
そこをこそ過つな」

編著者の鷲田清一さんは多分、
カルロス・ゴーンに向けたのだと思う。

「過てば則(すなわ)ち
改むるに憚(はばか)ること勿(な)かれ」

間違ったことをしたら、すぐに、
躊躇せずにそれを改めよ。

孔子の弟子の子夏(しか)。
「小人(しょうじん)の過つや、
必らず文(かざ)る」

「文る」とは言い繕い粉飾して
躱(かわ)そうとすること。

昨日のレバノンでの記者会見を見ると、
ゴーンは小人だったということが鮮明。
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子曰、君子喩於義、小人喩於利。
「子の曰く、
君子は義に喩り(さとり)、
小人は利に喩る」

君子は正しい道や正義を知っているが、
小人は利益を追いかける。

とくに小人は、
自らそれを戒めねばならない。

さて今日は横浜みなとみらい。
横浜ベイホテル東急。

オール日本スーパーマーケット協会。
2020年新年トップ経営研修会。

最初に特別講演。
小池百合子東京都知事。
タイトルは、
「東京2020大会後を見据えた”未来の東京”」

小池百合子さんは同じ年で、
それだけの理由で頑張ってほしいと思うが
講演内容はつまらなかった。

今年は都知事選挙がある。
6月18日に告示され、
7月5日に投開票される。

だからもう少し、
気合の入った話をしたほうがいいが、
名簿で見れば700人だった参加者のうち、
東京都民は何人くらいいたのだろう。

ちなみに小池さんについてきたSPは、
舞台の左右に陣取って、
目立ったし、立派だった。

特別講演の後は、
パネルディスカッション。
テーマは、
「2020年スーパーマーケットのさらなる成長」
サブタイトルは、
「製配販の連携の可能性を探る」
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パネラーは4人。
まず加藤和弥さんと小林寛久さん。
加藤さんは加藤産業㈱社長、
小林さんはカゴメ㈱取締役常務執行役員。

それから岡秀夫さんと服部哲也さん。
岡さんは㈱関西スーパーマーケット常務取締役、
服部さんはサミット㈱取締役専務執行役員。

岡さんも服部さんも、
コーネル大学RMPジャパン修了生。
岡さんが「実行の三期生」、
服部さんが「伝説の一期生」。

コーディネーターは、
協会会長の田尻一さん。
前サミット㈱社長。
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正月らしい和気あいあいの討論会で、
最初のテーマは、
「豊かさとは何か」

それぞれに考え方を述べたが、
カゴメの小林さんが話したのは、
「コト消費からトキ消費、イミ消費へ」
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「北海道余市トマトジュース」が完売した。
原料のトマトは10年がかりで開発した。
それが障がい者の雇用機会を創出し、
地域農業を元気にした。

こういった商品が密かにヒットする。

一方、スモールマス商品の「糖質オフ」は、
eコマースで31%のシェアをもつ。

現在の豊かさは大きな市場ではない。
そう、豊かさの本質は多様化です。

第二のテーマは、
「便利さについて」

関西スーパーの岡さんは、
スーパーマーケットの現場の視点から、
便利な店、便利な売場を論じた。
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サミットの服部さんが強調したのは、
「味、品質、簡便、即食などが、
一気通貫で統一されていること」

「その意味でヨコ連携や部門横断などが、
求められてくる」
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服部さんは将来の取り組みとして、
買い物代行や宅配サービスも挙げた。

加藤さんは「ストレスレス」を強調した。

第3のテーマは、
「製配販の連携の可能性」

コーディネーターの質問は、
3分の1ルールから、
2分の1ルールへの変更に関して。

サミットの服部さん。
「2分の1ルールに関しては、
全体の設計をきちんとして、
来年度からやっていこうと思います」

そして第4は、
「スーパーマーケットにしかできないこと」

服部さん。
「惣菜やベーカリーが重要になるが、
NBメーカーは業務用チームがやって来て、
“いかようにもできます”と言う。
だがスーパーマーケットの作業場で、
他にない商品ができるかどうかが大事だ」

加藤さんは、
「消費者のストレスだけではなくて、
お店のストレスをいかに解消するか。
それにいかにお手伝いできるか」
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最後のテーマは、
「5年後をどう考えるか」

服部さん。
「腹をくくって、何をするか。
ちゃんとしていない会社は淘汰される。
5年先がどうなるかよりも、
自分たちが何ができるか。
そこから逆算していかねばならない」

岡さん。
「5年後の変化に対処できるかどうか。
専門チームを編成して、
対応すべきだろうと思う」

加藤さん。
「食を楽しむためのスキルが薄れてきたが、
スーパーマーケットはそれを下支えし、
働きかけをしていってほしい」

「物流に関しては、
全体最適を目指さねばならない」
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小林さんが、
「フード・ライフ・バランス」を提案して、
ディスカッションをまとめた。
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このあと、新年の夕食懇親会。
その交流は明日のブログで紹介しよう。

人間は君子と小人の二つに、
区分されるものではない。

多くの人々、ほとんどの人が、
君子であり、同時に小人である。

そして時々君子になったり、
たまに小人になったりする。

カルロス・ゴーンを見ていれば、
それがよくわかる。

だからこそ、
強く意識しなければならない。
「君子は義に喩り、
小人は利に喩る」

〈結城義晴〉


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