坂口安吾「桜の花の満開の下」とAmazon決算の2割増
Everybody! Good Monday!
[2020vol⑤]
2020年2月第2週。
今日は節分。
明日は立春。
かつては立春が、
1年のはじめだった。
だから節分は大晦日。
北海道新聞の巻頭コラム「卓上四季」。
そのかつてのこと。
「鬼やらい」と称して、
「豆をまき、邪気を払う行事が
宮中でも行われた」
そこで歌人の馬場あき子さんの名著。
ちくま文庫『鬼の研究』
この本の宣伝文句。
「かつて都大路を百鬼夜行し、
一つ目、天狗、こぶ取りの鬼族が
世間狭しと跳梁し、
また鬼とならざるを得なかった
女たちがいた」
「鬼は滅んだのだろうか。
いまも、この複雑怪奇な
社会機構と人間関係の中から、
鬼哭の声が聞こえはしないか」
「日本の歴史の暗部に生滅した
“オニ”の情念とエネルギーを、
芸能、文学、歴史を捗猟しつつ、
独自の視点からとらえなおし、
あらためてその哲学を問う名篇」
コラムニスト。
「近世の封建的社会体制確立の中で
“古代的・宗教的権威に依拠する者の
衰亡する運命”を見た」
「本当に鬼は滅びきったのだろうか」
馬場さんは疑問を呈する。
呑気に「オニは~そと!」なんて、
言っていてはいけない気になってくる。
無頼派・坂口安吾の小説にある。
『桜の花の満開の下』
この作品の中でも、
主人公の「女」が満開の桜の下で、
鬼に変化して山賊の首を締める。
安吾の最高傑作だという評論家もいる。
私は大学のころ、
安吾作品を読破している。
『桜の花の満開の下』は傑作だと思うし、
『不連続殺人事件』も気に入っている。
短編の『私は海をだきしめてゐたい』も、
とても好きな小説だ。
とりとめもないことを書いたが、
今日は鬼がついているのかもしれない。
さて、商人舎流通スーパーニュース。
アマゾンnews|
通期売上高2805億ドル・21%増/純利益15%増
アマゾン・コムの2019年12月期決算。
売上高が20.5%増の2805億ドル、
1ドル100円換算で28兆522億円。
営業利益は17.1%増の145億ドル、
純利益は15.0%増の116億ドル。
どちらも1兆円を超えた。
北米部門が20.8%増の1708億ドル、
国際事業が13.4%増の747億ドル、
AWSが36.5%増の350億ドル。
AWSはAmazon Web Services。
このAWSが営業利益の67%を占めている。
プライム会員は年々増えて、
世界中で1億5000万人に達した。
CEOのジェフ・ベゾスは語っている。
「アマゾン・フレッシュと
ホールフーズ・マーケットからの
食料品の2時間配達は
2000以上の市や町で提供されており、
プライム会員には無料になりました」
私も書いておいた。
「このまま2割ずつ伸びていくと、
4年で超巨人のウォルマートに
追いつくことになる」
かくてアメリカの小売業は、
メリーゴーランドがふたつ、
ぐるぐると回っていることになる。
その回転のスピードに押し潰されて、
かつて言われた「カテゴリーキラー」が、
次々に消滅していく。
ため息しか出ない。
しかしこのスピード感は、
同時代人として体感しておきたい。
ずっとウォルマートには、
何かが憑いていると思っていたが、
Amazonにこそ、
鬼が憑いているに違いない。
それは怖いもの見たさであっても、
体感しておきたいものだ。
では、みなさん、
今週も、好奇心と行動力が、
明日を拓く。
Good Monday!
〈結城義晴〉