月刊商人舎2月号発刊!! ヤオコーの「増税ニモ負ケズ増収増益」
Everybody! Good Monday!
[2020vol⑥]
2020年2月第3週。
昨日今日は寒気団に覆われ、
明日から暖気団がやって来る。
三寒四温。
典型的な冬の陽気。
厳密に3日間寒くて、
4日間温かいわけではない。
一般に晴れた日が寒くて、
曇りや雨の日が温かい。
しかし寒い日に太陽が出ていると、
それはそれで日差しが暖かく感じる。
ということで、
今日も悪くはない天気だ。
月刊商人舎2月号発刊!!
特集タイトルは英語。
Low Price Presentation
「安さ」と「安さイメージ」の研究
[Cover Message]
あまり使いたくない言葉だ。
「安さ」と「安さ感」、
あるいは「安さイメージ」。
抽象的、印象的、
ややエキセントリック。
しかし、あえてそれを使って、
真摯に研究してみた。
「価格は、
商品の総合的評価の数値的表現」である。
これを「絶対価格」という。
顧客に、わかりやすい。訴えやすい。
だからウォルマートの
エブリデーロープライス売場には、
大きな価格ボードしか掲示されない。
「Everyday Low Price」と「Rollback」の
文字と数字だけ。
しかしこれこそ、
Low Price Presentationである。
絶対価格による低価格イメージづくり。
最強のディスカウント企業となる。
しかし、最強最大でなくとも、
「良い品を安く」供給することはできるし、
それをアピールすることは可能だ。
その極意を国内ではオーケー㈱、
㈱トライアルカンパニー、
㈱エイヴイ、㈱ロピア、
そして㈱ドン・キホーテに学んだ。
アメリカからはFork Liftと、
ALDI、LiDLを取り上げた。
結果として、
「真善美」の世界の賭場口にある
ディスカウント小売業を発見した。
低価格消耗戦が続く今年、
「ロープライスの実現と
そのイメージの構築」は
必須の経営課題である――。
「特集のまえがき」では2冊の本を読み返して、
「安さ」を考察した。
故渥美俊一著『ディスカウンティング』
安土敏(荒井伸也)著『安売り礼賛に異議あり』
1991年から「価格破壊」ブームが起こった。
どちらもそのあとに発刊された。
本当に面白かった。
互いに主張が対立した。
そのなかから私なりの真理を探った。
鈴木國朗さんとは、
店舗クリニックをして、
徹底議論をした。
1万2200字。
オーケー、トライアル、
エイヴイ、ドン・キホーテ、
そしてロピア。
最近、この「徹底議論」、
評判です。
次はどなたと徹底議論しようかな。
楽しみです。
そしてアメリカのディスカウンティング、
大いに変化を遂げている。
これも必読です。
そして[Message of February]
利益を追うな!
おなじ商品ならば、
1円でも5円でも、
できれば1割、2割、3割、
安く売りたい。
おなじ値段ならば、
わずかでも、すこしでも、
できれば圧倒的に、
おいしくしたい。より良くしたい。
そのためにBuying & Sourcing。
安く仕入れる、安く調達する。
大量に購入する。
利は「元」にあり。
そのためにSelling。
たくさん売る。
売上げを爆発させる。
利は「売り」にあり。
そのためにCost Control。
販売費・管理費を減らす。
あらゆる経費の無駄を省く。
利は「内」にあり。
そのためにProduct Development。
模倣困難な、この1品を開発する。
それがプライベートブランドになる。
利は「この品」にあり。
そのためにMargin Mix。
この品は安く売る。
しかし他の品で利益を確保する。
利は「他の品」にあり。
そのためのFive Theories。
利益を上げる5つの定石。
安売りをするにも、何をするにも、
この5つの定石を徹底する。
そしてHuman Resource Management。
実践に先行する理論はない。
それらを考え、行うのは人間である。
だから最後に、利は「人」にあり。
しかしKnowledge Merchantは、
おなじものなら安く売りたい。
おなじ値段ならより良くしたい。
利益を上げるためにだけ、
仕事するのではない。〈結城義晴〉
今日の商人舎流通スーパーニュース。
ヤオコーnews|
増税ニモ負ケズ第3Q3453億円(4.3%増)経常利益6.6%増
川野幸夫会長が昨年の春、
新店オープンのときに述懐。
「ますます体力勝負になる」
もちろん消費増税の後の商戦のこと。
ヤオコーの第3四半期は、
10月の消費増税から12月年末商戦まで。
まさに消費増税真っ只中だった。
サブタイトルは、
「増税ニモ負ケズ増収増益」
10月以降、ヤオコーは、
コモディティディスカウントや、
ポイント5倍セールを展開。
つまり「利益を追うな!!」だった。
それが「ますます体力勝負」の中身。
そうすると、
営業利益は5.8%増、
経常利益は6.6%増。
一昨年2018年の10月から12月は、
消費増税はなかった。
だから今年は、
ひどく商売がやりにくかったはずだ。
それでもヤオコーのこの成果。
月刊商人舎8月号特集は、
増税前の店舗戦略査定!!
私は[Cover Message]に書いた。
「7月の参議院選挙で与党が勝利し、
10月1日からの消費増税は決定的だ。
軽減税率導入も翻ることはない。
中小企業に認定された会社と
それ以外の会社との不公平措置も、
変更されることなく、粛々と進む。
しかしこの不公平競争の結果、
国の優遇政策の恩恵を受けない企業が、
目の前の厳しい苦難を潜り抜けつつ、
本当の体力と地力をつける。
間違いない。
厳しければ厳しいほどに、
それを楽しく乗り越えた企業には、
本物の組織力という
恩恵がもたらされるのだ。
間違いない――」
ヤオコーの第3四半期までの実績が、
それを証明してくれた。
では、みなさん、
今週も、「増税ニモ負ケズ」。
Good Monday!
〈結城義晴〉