やぎさんゆうびんの「アベヤジさん」と「厳に慎むべき言動」
今日は午後から東京駅。
真上を見上げてスマホで撮影。
丸の内北口の天井ドーム。
復元された駅舎の八角形の天井の四隅に、
干支のレリーフがある。
丸の内にも人影は多くはない。
私は恒例の、月に一度の検査と診察。
1月の数字はちょっと悪かったけれど、
それでも「理想的よ!」と、
田嶼(たじま)尚子先生。
ありがとうございます。
さて、
やぎさんゆうびん。
まど・みちお作詞。
團伊久磨作曲。
1番
白やぎさんからお手紙着いた
黒やぎさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙書いた
さっきの手紙のご用事なあに
2番
黒やぎさんからお手紙着いた
白やぎさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙書いた
さっきの手紙のご用事なあに
以下無限に続く
牧歌的な白やぎさんと黒やぎさん。
だからおもしろい。
しかし、アベヤジさんとツジモトさん。
そのやりとりはつまらない。
ツジモトさんからお手紙着いた
アベヤジさんたら読まずに食べた
アベヤジさんは、
ツジモトさんからついたお手紙を、
いつも食べてばかり。
桜を見る会の当事者だけに、
早く決着をつけなさい、
と言っておきたい。
「無限に続く」のではかなわない。
無限に続くと言えば、
新型コロナウィルス。
横浜港のダイヤモンド・プリンセス号では、
今朝の段階で新たに99人に陽性反応が出て、
感染者は454人に増えた。
さらに夕方には、
88人が感染していることがわかって、
548人。
私はずっと言ってきた。
「人災だけは避けたい」
その人災に、小売流通業が、
加担することになってはならない。
できる限りの社会貢献をする。
そして人事を尽くして天命を待つ。
ましてこんな時に、
商売優先の言動をしてはならない。
それは断じて慎まねばならない。
しかし人災の回避はできなかった。
もともとは、
中華人民共和国の人災から始まった。
習近平政権最大の危機となっている。
それが日本国でも人災となりつつある。
政府の専門家会議が昨日、
医療機関の受診の目安をまとめた。
加藤勝信厚生労働相が記者会見で示した。
各地の保健所に設置されているのが、
「帰国者・接触者相談センター」。
発熱など風邪の症状が4日以上続く場合は、
このセンターに相談して、
指定する医療機関で受診する。
通常の発熱など風邪の症状があれば、
学校や会社を休み、外出を控える。
そのうえで、風邪の症状がある場合、
37.5度以上の発熱が4日以上続く時は、
保健所のセンターに相談する。
強いだるさや息苦しさがある時は、
すぐに相談する。
特に高齢者。
それから糖尿病、心不全、
慢性閉塞性肺疾患などの持病を持つ人、
人工透析を受けている人は、
重症化しやすい。
こういった人は、
2日程度症状が続く場合に、
センターに相談する。
妊婦も同様に早めの相談をする。
一応の相談と受診の目安は示されたが、
わかったようでわからない。
とくに人間心理の面から見れば、
もっともっと提供すべき情報もある。
運悪く新型肺炎にかかった人たちの、
回復のプロセスやその方法も知りたい。
国民が心配しないように情宣すべきだ。
私たち自身は、
よく食べ、よく眠る。
よく働き、良く学ぶ。
手洗い、うがいを励行する。
今日の日経新聞巻頭コラム。
「春秋」
「物事はどう転ぶか分からない。
幸福と不幸は表裏一体だ」
中国の史記。
「禍福は糾(あざな)える縄の如(ごと)し」
シェークスピアの戯曲のセリフ。
「人間の一生は善悪ないまぜの糸で編んだ網」
そして指摘する。
「今そこにある危機はどれほどのものか。
読めないから不安が増幅する」
同感だ。
しかし面白いことに、
「国内の1月のインフルエンザ患者数は
過去10年で2番目に低い水準だった」
「未知の感染症を警戒し、
手洗いの励行など
衛生意識が高まったことが一因らしい」
こういった話は、
ちょっと勇気が出る。
そう、「禍福は糾える縄の如し」
コラムニストは最後に再び史記を引く。
「災い転じて福」
しかし小売流通業として
この時に商売優先の、
この事件を利するような言動は、
厳に慎まねばならない。
もちろん商売もちょっと変わる。
それで動きも変わる。
しかしそれを喧伝してはならない。
下品になってはいけない。
最後にもう一つ気になること。
これも内閣府の昨日の発表。
昨年10・11・12月期のGDP速報値。
物価変動の影響を除いた「実質」は、
季節調整値で前期比1.6%減、
年率換算するとなんと6.3%減。
言わずと知れた10月の消費増税、
そして大型台風の影響。
そのため、
GDPの半分以上を占める個人消費が、
前期比2.9%減。
5四半期ぶりのマイナス。
ただしこの3カ月のGDPは、
市場価格通りの「名目」では前期比1.2%減、
年率換算で4.9%減。
増税の影響もあって物価が伸びた。
それが「名目」の成長率を、
「実質」ほど落ち込ませなかった。
同時に発表された2019年通年GDP。
実質で前年比0.7%増、名目で1.3%増。
どちらも増加し、
暦年では8年連続のプラス成長だった。
3カ月の個人消費は、
前回の消費増税後の2014年4・5・6月期は、
4.8%減だったから、
なんとか小幅にとどまった。
あまりに大きな数字でもあるから、
わがことと実感できないかもしれないが、
GDPの個人消費は小売りサービス業にも、
その責任の一端はある。
そう受け止め、
それを励みとして、
よく働き、良く学ぶ。
よく食べ、よく眠る。
手洗いとうがいを、
他産業に率先して励行したい。
〈結城義晴〉