柳井正Message「信じること」と「三方一両損」の精神
柳井正さんがメッセージを発信。
ファーストリテイリングnews|
柳井正会長兼社長のメッセージ
「――私は今回のことを通じて、
改めて世界がつながっていることを
実感しました。
今こそ世界が強く、
ひとつになることが必要です。
感染拡大により世界が分断され、
そのつながりが切れてしまっては
ならないと思います。
私自身、そのことを
深く心に刻みたいと思います。
後から振り返ったとき、私は、
ファーストリテイリンググループが、
この危機が発生する前よりもさらに強く、
もっと社会から必要とされる企業に
なっていると信じています。
当面は全世界的に
困難な時期が続くかと思いますが、
その後にはきっと
明るい未来が待っています。
未来に希望を持ち、
健康第一でお過ごしください」
〈柳井 正〉
そして今日は中間決算報告。
ファーストリテイリングnews|
第2Q売上収益4.7%減・営業利益21%減
上半期で売上高1兆2085億円。
しかし前年同期比4.7%減。
営業利益は1367億円で20.9%減。
減収減益。
それでも営業利益率は11.3%と高水準。
減収減益の理由は、
新型コロナウイルス感染症の影響。
韓国とグレーターチャイナでの打撃。
世界26の国と地域に、
約3500の店舗を展開。
グローバル企業だからこそ、
新型コロナの影響は大きい。
「後から振り返ったとき、
この危機が発生する前よりもさらに強く、
もっと社会から必要とされる企業に
なっていると信じています」
私たちも、
この危機が去ったとき、
以前よりも強くて、
もっと社会から必要とされる存在に、
なっていると信じよう。
昨日のこのブログで、
私の見解を書いた。
まず第1に、
外出自粛と休業要請は、
同時にすべきだ。
外出自粛はこれまでもやってきたが、
休業要請や使用制限が伴わねば、
効果は半減する。
「特に東京都はすぐにもやるべきだ」
そう書いたが、
その東京都の感染者数は181人、
最多となって急速に拡大した。
大阪も92人で最多。
第2に地域ごと業態ごとに、
明確な方針を出す。
7都府県に緊急事態宣言がなされたが、
愛知県と京都府が対象に入れてほしいと、
政府に要請した。
世の中、要請ばかりだが、
政府もこれはすぐに聞き入れたほうがいい。
そして第3に休業要請をしたら、
その営業保証をすべきだ。
ここは大岡政談。
「三方一両損」の精神である。
江戸の町奉行・大岡越前のもとに、
事件が持ち込まれる。
三両の金を拾った者と、
その金を落とした者。
どちらも、
「そんな金はいらねー」と言い張る。
江戸っ子気質だ。
そこで大岡越前は、
懐から自分の一両を出して、
四両の金にする。
そして四両を二両ずつ、
落とした者と拾った者に、
分け与える。
落とした者は三両損するところ、
二両で済んだから一両の損、
拾った者は三両もらえるところ、
二両に減ったから一両の損。
「奉行も一両の損」。
これで両者、納得。
これが「三方一両損」の物語。
国と自治体と業者とが、
互いに相応に、
それを分担する精神。
もちろん今回は奉行である国が、
すべてを負担すると言い切ったら、
一番すっきりする。
しかし精神は「三方一両損」だ。
いや「百両損」「千両損」「「万両損」を、
覚悟しておかねばならない。
だとしたら政府の負担しかない。
ずっと言い続けているが、
対コロナの最大の経済政策は、
「感染拡大の抑制」である。
国も都道府県も業者も、
一斉に休業して、
いち早く感染率の拡大を止めれば、
それだけ経済的負担が少なくて済む。
真摯な議論と迅速な結論。
そして「三方一両損」の精神。
毎日毎日、新型コロナウイルス感染の記事。
商人舎SuperNewsで、
[検索]の窓に言葉を打ち込む。
「コロナ」と「感染」。
間に空白を入れる。
そうすると関連する記事が並ぶ。
企業が感染者を出した記事を抜き出す。
新しい順に列挙すると、
4月上旬だけでも以下のようになる。
(2020.04.09)
そごう・西武news|
西武池袋本店取引先社員1名が新型コロナウイルスに感染
セブン-イレブンnews|
FC店「尼崎下坂部3丁目店」従業員2名がコロナ感染
コストコnews|
尼崎倉庫店の従業員がコロナ感染/8日営業再開
はるやまnews|
東京本社内勤従業員1名が新型コロナウイルスに感染
(2020.04.08)
しまむらnews|
しまむら江戸川台店従業員がコロナ感染
TSUTAYAnews|
武生南店の30代女性従業員がコロナ感染
高島屋news|
岐阜店8日臨時休業、食品フロア従業員が新型コロナ感染
イトーヨーカ堂news|
IY船橋店・アリオ札幌店従業員がコロナ感染
(2020.04.07)
サンエーnews|
「和風亭しおざきシティ店」従業員の近親者が感染
ファミマnews|
ファミリーマート田辺栄町店従業員1名コロナ感染
(2020.04.06)
ヨークベニマルnews|
成島店(山形県米沢市)の従業員がコロナ感染
ヨークベニマルnews|
南中山店の従業員がコロナ感染
ユニクロnews|
多治見店の従業員家族がコロナ感染し従業員も陽性
(2020.04.06)
三越伊勢丹news|
三越恵比寿店と伊勢丹浦和店の2名が新型コロナに感染
ファミマnews|
ファミリーマート春野町西分店(高知市)従業員3名コロナ感染
(2020.04.03)
西友news|
高野台店(東京)・大和町店(宮城)従業員2名新型コロナウイルス感染
(2020.04.02)
平和堂news|
京産大卒の新入社員が新型コロナウイルス感染
(2020.04.01)
アマゾンnews|
小田原FCで従業員1名が新型コロナウイルス感染
ファミマnews|
ファミリーマート麻布十番店の従業員がコロナ感染
オオゼキnews|
練馬店(東京都)従業員がコロナ感染、4/1臨時休業
始まりは3月の9日だった。
(2020.03.09)
西友news|
新長田店従業員家族がコロナウイルス感染のため休業
サミットnews|
東中野店従業員が新型コロナウイルスに感染
セブンーイレブンnews|
山梨上石森店の従業員が新型コロナウイルスに感染
名だたる企業の店で、
コロナ感染者を出した。
そしてここまで来た。
もう、感染ルートを確認する段階を過ぎた。
全体規制しかない。
都市封鎖のロックダウンではないが、
「人との接触8割減」を、
すべての個人が実現させる。
コロナ感染拡大抑制こそ、
それが去ったあとの商売繁盛への近道だ。
そして必ず、
前よりも強くなれること、
前よりもなくてはならない店になれることを、
信じることである。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
コロナ感染の終わりが見通せない今こそ『観察』、『分析』、『判断』の原理原則に立ち返ってこれを徹底するべきではないでしょうか。
とりわけ『判断』の第一段階である応急措置つまり感染拡大の食い止め対策で総理大臣はつまずいている気がしてなりません。コントロールできていないのです。感染拡大を食い止めない限り『判断』の第二段階すなわち再発防止策の実施に行き着きません。
どこの都道府県を緊急事態宣言の対象にするとかしないとか、対人接触を何割~何割減らすとか曖昧なコメントを発している場合ではないと思うのです。
数値と状態とについて明確な目標を掲げ、どのようにしてそこに辿り着くかを私たちに熱く真摯に語り掛け、全国民を一つして解決に導くことは総理はじめ行政トップにしかできない大事な仕事でしょう。
チェーンストアのことはさて置くとしても、問題解決のための原理原則、けん引する人の役割、言葉が持つ意味の統一など、私たちは数えきれないほどの事柄を故渥美先生から学びました。
私たち商業や飲食業に携わる者は勿論、交通機関や食品製造に関わる人々など今まさに自らの命を賭して働いているのです。総理、どうかそのことをお忘れなきようにお願いします。
T.Mさん、同感です。
観察・分析・判断も、
仮説と検証も、
Plan Do Check Actも、
現在の安倍政権には必要です。
仕事の原理原則です。
COVID-19はあくまで、
私たちに科学的に襲い掛かってきます。
だから私たちも科学的に対処しなければなりません。
ご投稿、ありがとうございます。