「過熱報道への要望」と「コロナ・ワクチン」と「Just in House」
商人舎SuperNews。
スーパーマーケットnews|
3団体が過熱報道自粛を要請
全国的に異常事態宣言が発せられ、
営業自粛の要請を受けた業種業態。
逆にスーパーマーケットなど、
顧客が殺到する業態。
こちらの現場は疲弊している。
国民はストレスの極みにある。
理不尽なクレームをつける顧客もいる。
全員手袋せよ。
一人がレジを通過したら、
その都度消毒しろ。
セルフレジを入れろ。
野菜も果物もすべて袋詰めしろ。
激しく怒鳴ったり、
長々とまくし立てたりする顧客もいる。
あの店からコロナ感染者が出たといった、
デマやフェイクの情報が、
ネット上を駆け巡ったりもしている。
現場は本当によく頑張っている。
この現状を鑑みて、
3つの協会がマスコミに向けて、
過熱報道の抑制を要請した。
マスメディアも、
視聴率や部数や広告といった観点は、
二の次にして報道すべき時にある。
以って自戒とすべし。
スーパーマーケット3協会だけでなく、
出来ればもっと枠を広げて、
消費産業を挙げて、
アピールしていくのがいいと思う。
要請だけではいけない。
こういったことは利益抜きに、
自分都合だけでなく、
やり遂げるという決意を見せることも、
必要となる。
昨年末に掲げた2020年の商人舎標語。
「世のため、人のため。」
さて新型コロナウイルスのパンデミックに、
いいニュースと、
悪いニュース、
それを打ち消すニュース。
まず、いいニュース。
イギリスの「タイムズ」の報道を、
日経新聞が伝えた。
孫引きで恐縮。
オックスフォード大学の研究チームが、
新型コロナウイルスのワクチンを、
早ければ9月にも実用化する。
候補となるワクチンは、
4月中に臨床試験を始める予定。
リーダーのサラ・ギルバート教授。
「8割の確率で新型コロナに効く」
凄い。
一方、悪いニュース。
コロナウイルス感染から回復した患者が、
再発するケースがあるという研究発表。
これは深刻だ。
感染者数が減ったからといって、
ロックダウンを解除できない。
しかしそれに対する反論。
世界保健機関(WHO)の感染症専門家、
マリア・ファンケルクホーフェ博士。
〈UN Web TVより〉
再び新型コロナにかかった患者について、
体内のウイルスが再活性化したのか、
新たに感染したのかは不明、と発言。
テドロス事務局長も。
「新型コロナの感染は非常に速い一方、
減速はかなり遅い」
「規制はゆっくりと
解除されなければならない」
2020年の新型コロナは、
2009年の新型インフルエンザより、
「致死率が10倍高い」
だからこそ冷静に恐れよう。
さて今日は午後から、
横浜商人舎オフィスに、
㈱ダイエー出身のお二人がやって来てくれた。
當仲寛哲さんは、
USP研究所代表取締役所長。
もう、おなじみのITの超級専門家。
佐々木桂一さんは、
リテイリングワークス㈱代表取締役。
ダイエーから、
㈱ジェーソンへ移籍し、
2003年、代表取締役社長。
さらに大黒天物産㈱副社長、
㈱富士薬品専務など歴任。
新型コロナのパンデミック。
この状況は日本の小売業をどう変えるか。
どう変わらなければならないか。
ソーシャルディスタンシングで大いに語り合った。
今日の私は聞き手に回った。
充実した時間だった。
写真撮影の時だけマスクを外した。
感謝したい。
最後に日経新聞「オピニオン」
[Deep Insight]
コメンテーターの中山淳史さんが書く。
「技術革新は家でも起きる」
フランスでは3月中旬から、
ロックダウンが続いている。
多数のレストランが閉鎖に追い込まれた。
そのなかでシェフたちが、
ある連鎖的な行動をとった。
それが反響を呼んでいる。
大切なレシピをインターネットで公開したのだ。
それに反応して、世界中の数百万人が、
ユーチューブやインスタグラムを閲覧し、
自宅で料理を楽しむようになった。
いい話だ。
南仏ニースの松嶋啓介オーナーシェフ。
ミシュランの一つ星を獲得した。
松嶋シェフも「減塩レシピ」を投稿した。
「経済的な見返りは期待していない。
喜んでもらえればうれしいのと、
日ごろの問題意識をこの際知ってもらい、
食生活や習慣が変わる一助になれば」
素晴らしい。
コメンテーターは、
キーワードを提案する。
「Just in House」
テレワークを実施する企業は、
99カ国約4千社を対象にした調査で、
89%に達した。
「世界で起きているのは
オフィスや工場、学校から
家へのとてつもない規模での人口移動だ」
2020年以前のコンセプトが、
「ジャスト・イン・タイム」なら、
これからは、
「ジャスト・イン・ハウス」
巣ごもりやネスティングは、
コロナ禍の後の消費に、
大きく影響を与えるに違いない。
それができる人は、
家で仕事する。
家で食べる。
家で料理する。
家で楽しむ。
小売業はそれらを手伝う。
「ジャスト・イン・ハウス」
店は、だから、
ザ・サードプレイスであることを、
もっともっと追求しなければならない。
新型コロナワクチンの朗報は、
次の時代の仕事や事業を、
大きく広げてイメージさせてくれる。
貫かれるはずの、
「世のため、人のため。」は、
まったく変わらない。
〈結城義晴〉