2020年4月最後の日の韓国・台湾・日本の感染者数と死者数
チャプリンの言葉と伝えられる。
「笑いのない日は、
無駄な一日だ」
18世紀フランスのモラリスト、
シャンフォール。
「すべての日々の中で
もっとも無駄な日とは、
笑わなかった一日である」
中日新聞巻頭コラム「中日春秋」
あなたは今日、
笑ったか、笑えたか。
今日を無駄な日としなかったとしても、
日本の緊急事態宣言は延長される。
全国一律になるかどうか。
延長幅は5月末までか、
5月7日から1カ月後までか。
そうなると「緊急事態」ではなくなる。
「ロックダウン」は「都市封鎖」だから、
「長引くロックダウン」もありうるが、
「緊急事態」は、
それが長引いて恒常化されたら、
「緊急事態」ではなくなる。
緊急事態宣言の発令は、
4月7日に東京都をはじめとした7都府県、
4月16日に対象は全国に拡大。
そして4月25日から5月6日までが、
ステイホーム週間となった。
それから6日間が経過して、
今日で2020年の4月が終わる。
どんな状況になろうとも、
無駄な日にしたくはない。
韓国では、
コロナ新規感染者発生が沈静化、
国民の生活は日常を取り戻しつつある。
韓国政府最新発表では、
今日4月30日0時現在で、
累積感染者数1万0765名、
そのうち9059名が隔離解除された。
死亡者数は247名。
昨日の29日0時から24時間経過して、
新規感染者数4名、
新規隔離解除者137名。
凄い成果をあげた。
パンデミックと言われる前の時点では、
中国⇒韓国⇒イラン⇒イタリアの流れだった。
韓国は感染者数で中国に次ぐ2番目だった。
しかしその後、
ウイルスの検査を徹底した。
「ドライブスルー方式」、
「ウオーキングスルー方式」。
病院内に設置した検査用ブースも用いた。
これは患者と医療者の相互感染を防ぐ。
韓国独自の対処法は奏功した。
ワシントンポスト紙は、
「一つの手本になった」と評価した。
韓国は2015年5月から、
国内でMERS感染が起こった。
「中東呼吸器症候群」である。
そして12月23日、
WHO基準に基づいて、
終息宣言が出された。
総感染者数186名、
総死亡者数38名だったが、
この経験が今回、生きた。
台湾は、
感染者数429名、
回復者数322名で、
死亡者数6名。
こちらは世界の最優等生だ。
台湾のコロナ対策成功の要因は、
「迅速性」と「徹底」。
中国・武漢市の感染がWHOに報告されたのが、
昨年大晦日の12月31日。
台湾政府は、
年明けの1月5日には専門家会議開催、
20日には指揮センターを設置。
21日に台湾内に初の感染者が出ると、
翌22日に蔡英文総統が、
国家安全会議で全力での防疫を指示した。
中国で今年、
春節の連休がスタートしたのが、
1月24日だがそれを、
完全シャットアウトした。
韓国や台湾はきっと、
笑いのない日も、
無駄な一日も、
なくなっているのだろう。
対する日本は、
感染者数1万4305名、
回復者数3466名、
死亡者数455名。
国会中継など見ていると、
与野党含めて、
こんなレベルの話をしていていいのか、
とつくづく思う。
そのうえ問題なのは、
まだまだ先が見えない点だ。
しかし私たちは、
希望をもって、
冷静に恐れつつ、
日々を過ごしたい。
さて昨日の日経新聞の記事。
「スーパー前週比12%増加」
フリーWi-Fiの利用分析調査。
Wi-Fiを提供する施設に立ち入ると、
スマートフォンやパソコン端末に、
自動的に接続されることがある。
これによって、
人々の移動の状況がわかる。
㈱ジオロケーションテクノロジー。
フリーWi-Fiを使ったネットアクセス数を、
主な設置業態ごとに全国的に分析した。
比較したのは、
4月第3週の土日〈18日・19日〉と、
第4週の土日〈25日・26日〉。
全体のWi-Fi利用件数は2%増。
「スーパー」は12%、
ホームセンターは9%、
ドラッグストアは7%増えた。
ここでいう「スーパー」は、
総合スーパーとスーパーマーケット。
業態の概念が薄い。
鉄道は2%増、バスは5%増。
公共交通機関の利用も増加している。
反対に休業要請のあった業態は、
ファストフードが20%減、
ホテル・旅館は8%減。
中期の動向分析のために、
感染拡大前の1月18日・19日を100として、
増減率を算出すると、
スーパーは4月第3週が116、
第4週が130と増え続けた。
各社の売上げ増と妥当な比例を見せる。
コンビニエンスストアは、
4月第3週が66、
第4週は69。
想像以上の苦戦だ。
一方、ホテル・旅館は第4週で25、
百貨店は第4週が15まで落ち込んだ。
こういったインターネット調査も、
ID-POSデータなどと掛け合わせたり、
クロスさせたりして、
顧客の動向がわかってくる。
顧客の動静を把握することと、
国民の動向を承知することとは、
もちろんつながっていて、
これはコロナ対策などに影響を与える。
日本は残念ながら、
その面では遅れているかもしれない。
遅れているといっても、
全国民が遅れているのではない。
政治家や官僚のトップ、
産業や経営の幹部など、
様々な局面のリーダーが、
リテラシー不足だと思う。
もちろん私自身も例外ではない。
以って自戒とし、
無駄な一日をつくらないよう、
学び続けながら生きよう。
〈結城義晴〉