糸井重里「コロナ禍は留学説」と結城義晴「コロナ時間を早める説」
5月30日。
今日はゴルフ。
横浜市内には、
ゴルフコースが4つしかない。
いずれも名門中の名門。
ホスピタリティが素晴らしい。
ラウンド料金も高いけれど。
程ヶ谷カントリー倶楽部。
1922年、日本人用として国内初の、
18ホールのゴルフコースが生まれた。
横浜カントリークラブ。
1960年開場。
日本オープンをはじめ、
プロゴルフトーナメント開催、数知れず。
戸塚カントリー倶楽部。
1961年のオープン。
東コースと西コースがあって、
西コースは巨匠・井上誠一の設計。
流通業界のトップがメンバーに多い。
そして磯子カンツリークラブ。
1960年5月、18ホール・6305ヤード、
パー72で正式開場。
今日は磯子カンツリークラブ。
COVID-19パンデミックの中。
ステイホームとテレワーク。
運動不足は著しい。
しかし天気は良かったし、
コースも良いレベルのコンディション、
メンバーにも恵まれて、
充実したラウンドだった。
〈スタートテラス〉
もちろんフィジカルディスタンシングは、
名門コースだけに徹底されている。
アウトのハーフはまあまあのラウンド。
後半のインは疲れた。
それでも気分は最高。
ゴルフができる幸せを、
心から感謝した。
さて、ほぼ日の糸井重里さん。
「ほんとうに一週間の回りが早い。
“もう土曜日かよ”と、
先週の土曜日に思ったばかりだ」
同感だ。
私は言っている。
コロナは時間を早める。
月刊商人舎5月号特集。
「週末の休日をたのしみにしていた時代が、
なんだか、はるか昔のような気がする。
つまりは、頭のなかが忙しいのだろうか」
「そういえば、長い旅行をしていると、
あっというまに何日も過ぎた感覚になる。
“えっ、もう明日は帰る日だったのか”
なんてね」
そうだ、そうだ。
私は商人舎を始めてからこの12年、
旅ばかりしている。
だから時間が過ぎるのが早かった。
なぜか。
「謎だなぁ、と考えていたら、
思い当たることがあった」
「ここしばらくの生活を、
留学してると思おう」
糸井さん自身がみんなに言っていた。
「なれない土地で、
なれない日々を過ごしている。
そして、いつもは
簡単にできていることが、不自由で、
同時にいつもの義務や用事は
省略できたりもする」
「なおかつ、ここで
学ぶことがあるはずなので、
それを探して
“学んで帰ろう”としている」
留学のイメージとは、そういうもの。
たしかに今、何かを、
学んでおこうという気はある。
「たぶん、ここで学ぶ成果が
どういうものなのか、
それがわかりにくいから、
なにもできてないと思うのだ」
「なにもできてないままに、
時間がびゅんびゅん
後ろに飛んでいってしまうのでは
なかろうか」
個人としては同感だ。
「だから、なにか、
成果の見えやすいことをしたくなる」
それが時代の時間を早める。
イノベーションが早まる。
糸井さんの場合は、
「料理だとか、片付けやら、
掃除やらがはじまる」
そして自戒。
「これは、たしかに
時間が過ぎていくわけだ。
貧乏性が、
忙しさの原因だったのかもしれないや…」
時間はびゅんびゅん、過ぎていく。
コロナは時間を早める。
その時間は、
留学をしている感じ。
何を学ぶか。
そしてポスト・コロナのとき、
何をするか。
スーパーマーケットは、
ハーバード大学から、
最も競争が激しくて、
最も生産性が低い産業だと決めつけられた。
しかしCOVID-19渦中の今、
最もキャッシュフローが出る業態だ。
そのキャッシュフローを、
何に使うか。
何に投資するか。
店に投資するか、
商品に投資するか、
人に投資するか。
すべてのバランスを望むか。
それとも溜め込むか。
糸井さんが言うように、
留学している気持ちを自覚することは、
とてもいいだろう。
これによって、
その会社、その経営者、
その商人の、
本当の価値が決まる。
〈結城義晴〉