野中郁次郎の「形式知・暗黙知」と藤井聡太棋聖戦勝利の妙手
Everybody! Good Monday!
[2020vol㉓]
2020年第24週。
6月8日。
COVID-19感染。
東京都は日本を象徴するように、
山あり、谷あり。
緊急事態宣言が解除され、
6月に入って1日から、
規制緩和のステップ2になった。
しかしその途端、
感染状況が悪化し、
今度は2日から「東京アラート」発動。
それが1週間継続されている。
レインボーブリッジと東京都庁は、
それまでの虹色から、
警告を示す赤いライトアップへと。
ライトアップは全く意味がない。
いっそのこと、
新宿歌舞伎町周辺だけでも、
「ロックダウン」レベルの、
強い”自粛要請”をしたらどう?
あくまでも”要請”ということで。
そして思い切って休業補償する。
先週金曜日のブログで、
パオロ・ジョルダーノの言葉を、
その著『コロナの時代の僕ら』から引いた。
「感染症流行時は、
もっと慎重で、
きびしいくらいの言葉選びが、
必要不可欠だ」
「なぜなら言葉は、
人々の行動を条件付け、
不確実な言葉は
行動をゆがめてしまう危険が
あるからだ」
政府も東京都も、
産業も会社も店も、
「厳しいくらいの言葉選び」
いま、とても大切です。
さて、今日は、
横浜商人舎オフィス。
ZOOMを使って、
オンライン会議。
ナレッジ・マーチャントワークス㈱。
社長の染谷剛史さんが取り仕切って、
10数人がリモートワークしながら、
オンライン会議で質疑応答。
次々に質問が出て、
私がどんどん答えていく。
ついつい手振り身振りが混じる。
それでもわかること、
知っていることは、
なんでも答える。
野中郁次郎先生の「SECI」モデル。
一橋大学名誉教授。
SECIは「セキ」と発音する。
「暗黙知と形式知との相互作用の中から、
組織的に知識を生み出していくプロセスを
論理的に明らかにした」
「形式知」とは、
数値や文字で表せるknowledge。
「暗黙知」は、
個人の行動、価値観、情念に、
深く根ざしたknowledge。
暗黙知を共感する「共同化」、
暗黙知を概念に変換する「表出化」、
形式知を理論モデル・物語にする「連結化」、
形式知を行動・具現化する「内面化」。
これらが組織活動の中で循環しながら、
成果を上げていく。
それがSECIモデルである。
Knowledge Merchant Worksは、
形式知を暗黙知に循環させていく役目をもつ。
今日はそんなことは全く話さなかったが、
スーパーマーケットや、
ドラッグストア、コンビニを題材にして、
暗黙知の共同化と表出化、
形式知の連結化と内面化を、
少しだけ試みた。
彼らはどんどん伸びていくと思う。
よろしく。
さて商人舎流通SuperNews。
セブン-イレブンnews|
コンビニ初の「がん保険」扱い開始/マルチコピー機活用
日経新聞朝刊の一面でも取り上げた。
保険会社にとっては、
契約数増につながるチャネル開発だ。
本部にとってもこれで収入が入ればいい。
加盟店も同じく売上げになればいいが、
いかにコールセンターを設けようと、
質問やクレームは店頭に寄せられる。
それがどこまでできるか。
いま、このコロナ禍で、
発表したり、実施したりする、
タイミングなのか。
それを危惧するものだ。
形式知と暗黙知。
ここでもよくよく考えねばならない。
さて今日は一日中、
アベマTVで、
第91期棋聖戦五番勝負第1局。
東京・将棋会館。
渡辺明棋聖(36歳)に、
藤井聡太七段(17歳)が挑戦。
矢倉戦の脇システムから、
藤井七段が局面をわずかに有利に進め、
その後、渡辺棋聖が一瞬、
逆転したかと思ったが、
藤井に妙手が出る。
1二歩。
渡辺は天を仰ぐ。
藤井は終始、無表情。
終局が見えてきた。
藤井の155手目、3四玉には、
指先に力が入った。
渡辺棋聖が投了。
午前9時に大局開始、
19時44分に終局。
157手で藤井七段の勝利。
最後の1時間ほどは、
食い入るように盤面を見て、
藤井の手筋を堪能した。
暗黙知と形式知の「SECI」モデルは、
藤井聡太にもあるに違いない。
そう思った。
ありがとう。
では、みなさん、
今週も深く深く、
考えて仕事しよう。
Good Monday!
〈結城義晴〉