朝日新聞「月刊コンビニ」紹介とセブン-イレブン1000店計画休業
梅澤聡さんからメールが来た。
㈱商業界の元取締役、
元「月刊コンビニ」編集長。
つまり私の後輩。
今年2月、単行本を上梓した。
イースト新書『コンビニチェーン進化史』
現在、『月刊コンビニ』などの編集委員。
メールの内容。
「月刊コンビニが一昨日の朝日新聞夕刊で
紹介されました」
宮田珠己の「気になる雑誌を読んでみた」
梅澤さん。
「業界専門誌を、
このように評価してもらえるのは、
意外であり、望外の喜びです。
創刊発行人の結城さんと
共有させていただきます」
私もうれしいです。
エッセイストの宮田珠己さん。
よく読み込んで、感想を書いてくれた。
「こんな時代にあっても、
悲観的な記事がないことにほっとする」
素晴らしい。
「本部と加盟店との間の軋轢について
触れてあるのも良心的だ」
「自分には直接関係のない
業界の雑誌だったが、
みんなで頑張ろうという
気持ちになった」
ありがとう。
朝日新聞のこの記事の紹介欄には、
「コンビニ」は1985年創刊と書いてある。
しかしそれは㈱商業界食品商業誌から、
年に1回、別冊号として発行していた、
「コンビニエンスストアのすべて」のことだ。
「コンビニ」というタイトルは、
1998年8月に食品商業臨時増刊号として、
「季刊コンビニ」を創刊したときのもの。
悩みに悩んで、
一番シンプルなタイトルにした。
当時、私は食品商業編集長で、
取締役編集統括でもあった。
これが実質的な創刊である。
しかしこの時から数えても、
22年が経過する。
その2年後に「隔月刊コンビニ」にし、
さらに2002年8月、月刊化した。
私は専務取締役に就任して、
発行人となった。
かなり慎重な足取りだったが、
結果として商業界6番目のメディアとなった。
しかし2015年、
㈱アール・アイ・シーに売却された。
その社長の毛利英昭さんが、
オーナー兼編集長。
このときすでに商業界経営は、
苦しくなっていた。
そして今年4月、自己破産した。
会社は潰れても、
雑誌は残る。
それが「月刊コンビニ」だ。
小売業で言えば、
会社は潰れても、
店は残る。
だから編集長や店長は、
一国一城の主の志で、
雑誌や店を死守しほしい。
部員や店員を守ってほしい。
守るためには、
メディアを通じて、店舗を通じて、
社会貢献し続けることだ。
顧客満足を拡大し続けることだ。
さて、商人舎流通SuperNews。
セブン-イレブンnews|
台風10号接近で約1000店舗を計画休業
セブン‐イレブン・ジャパンが、
台風10号接近の予報を受けて、
九州エリア7県の約1000店舗において、
計画休業を予定している。
それをいち早く発表した。
もちろん顧客や従業員の安全を最優先するため。
店舗の営業継続が困難な場合や、
避難勧告・避難指示等があった場合には、
店舗営業の中止については、
9月5日(土)以降順次、
オーナーが判断する。
OFCが逐一、アドバイスする。
OFCはスーパーバイザーのことで、
オペレーションフィールドカウンセラー。
それぞれの件ごとの店舗数は、
福岡県1020店、佐賀県187店、
長崎県202店、熊本県357店、
大分県180店、宮崎県196店、
そして鹿児島県201店の計2343店舗。
その4割相当が休業対象になっている。
コンビニは地域のインフラだ。
大型台風や地震などの災害時には、
街の灯台になるし、
インフラの役を果たす。
だからぎりぎりまで、
店を開ける。
しかし自らの安全を優先する。
新型コロナウイルスに関して、
二律背反の問題がある。
感染拡大防止と経済活動。
台風のときのコンビニの計画休業も、
同じような二律背反の問題となる。
信用調査の「帝国データバンク」の発表。
COVID-19の影響で、
倒産した企業、
あるいは法的整理の準備に入った企業は、
今日午後4時までに489社。
来週には500社を超える。
業種別に見ると、
飲食店が69社、
ホテル・旅館が53社、
アパレル小売店が33社など。
「店は客のためにある」と言い続けても、
潰れる企業は潰れる。
なぜか。
イノベーションがないからだ。
変わることができないからだ。
二律背反の問題を解決できないからだ。
残酷なようだが、
コロナは淘汰も早める。
〈結城義晴〉