敬老の日の松浦静山「思い付くこと みな古くなる」
Everybody! Good Monday!
[2020vol㊳]
2020年第39週、9月第4週で、
今日は敬老の日の祝日。
明日が秋分の日の祝日。
そして明日は彼岸の中日。
彼岸の明けは金曜日の25日。
今週は「お彼岸週間」だ。
敬老と彼岸。
隣り合わせであるところに、
何かを感じさせられる。
しかし世界一の高齢国、長寿社会、
素晴らしことではある。
それを再認識する日だ。
読売新聞の社説。
「敬老の日
豊かな長寿社会をどう作るか」
「年齢にとらわれず、意欲や体力に応じて、
様々なことに挑戦できる社会を作りたい」
その通りだ。
昨日のブログで総務省の資料を紹介した。
65歳以上は3617万人。
過去最高。
人口の28.7%%を占める。
そして100歳以上も8万人を超えた。
8万の事例の100年人生がある。
もう、目標はこれだけでもいい。
小嶋千鶴子さんがモデルだ。
イオン名誉会長・岡田卓也さんの姉上。
104歳でピンピンしている。
読売の社説は主張する。
「65歳以上を、
ひとくくりに高齢者と区分して、
社会に支えられる側に位置づける考え方を
見直すことが課題となろう」
その通り。
65歳以上にも、
3617万通りの人生がある。
1950年代半ばの国連の報告書。
便宜的に65歳以上を高齢者に分類した。
これが現在の人口統計の区分につながった。
当時の日本人の平均寿命は、
男性が64歳、女性が68歳。
それが今、男性81歳、女性88歳。
20年近くも寿命は延びた。
しかしだからこそ健康寿命が重要になる。
日常生活が支障なく送れる寿命だ。
同時に必要なのは、
「年齢にかかわりなく活躍できる機会」
昨日の資料で、
小売業・卸売業の高齢者従事者が、
126万人で最多だと示された。
農業・林業は108万人、
サービス業が103万人。
製造業が94万人。
商業は高齢社会に、
高齢者の仕事として、
さらに重要な機能となる。
社説は神奈川県大和市の事例を紹介する。
大和市は2018年に宣言した。
「70歳代を高齢者と言わない都市」
そして現役時代の仕事や趣味について、
シニアが語る市民向け講座を開く。
つまり居場所づくりに力を注ぐ。
もっとも、
聴く人がいなければいけないけれど。
「年を重ねるほど、
健康状態や経済状況の個人差は広がる。
国や自治体は実態を踏まえて、
適切に支援していくことが重要だ」
社説はそういうが、
私は自分自身で切り開くことも、
必要だと思う。
江戸時代の平戸藩の第9代藩主、
松浦静山。
名君の誉れ高い。
〈右端が静山・江戸ガイドより〉
西日本新聞の巻頭コラム「春秋」。
松浦静山の書き留めた「老いの特徴」を紹介。
「手はふるう
足はひょろつく
歯は抜ける
耳は聞こえず
目はうとくなる」
七五調がいいが、
その通り。
「くどくなる
気短になる
愚痴になる
思い付くこと
みな古くなる」
これは気をつけねば。
「またしても
同じ話に孫ほめる
達者自慢に
人をあなどる」
静山は「誰もが通る道なのだ」と教える。
静山は82歳まで生きた。
今でいえば100年人生だろう。
静山は大名でありながら、
心形刀流剣術の達人。
随筆集『甲子夜話』は、
没する1841年まで20年間にわたって、
随時書き続けられた。
つまり理想的な高齢者は、
文武両道である。
文武両道ならば、
頭も体もすぐに老いることがない。
では、皆さん、今週も、
思いつくことみな古くなるは、
避けたい。
Good Monday!
〈結城義晴〉