ウォルマートのアズダ売却・英国撤退とロピアの関西進出
Everybody! Good Monday!
[2020vol㊵]
2020年第41週。
10月第2週に入った。
月刊商人舎10月号。
来週月曜日発行。
予約受付中です。
関東のロピアが大阪寝屋川に出店。
5W1Hで言えば、
Who[だれが]ロピアが、
When[いつ]9月29日、
Where[どこで]大阪府寝屋川市、
What[なにを]ロピアの新店を、
Why[なぜ]、How[どのように]。
今回の月刊商人舎は、
WhatとHowを現地取材で明らかにし、
Whyに関しても考察する。
その時、競争する企業はどうしたか。
それも探求する。
つまり競争の本質を見極める。
さて、ドナルド・トランプ大統領。
入院治療中にも関わらず、車で外出し、
その車の中から手を振って、
支持者たちにアピールした。
しかしこれは、
公衆衛生ガイドラインを破るもの。
自らの政府が定めたガイドラインを、
大統領自ら、守らなかった。
医療専門家は集中的に批判した。
大統領選挙の終盤にかかって、
心配で心配で仕方ないのだろう。
それというのも、
自らのリスク管理に甘さがあったからだ。
さらにまだまだ、
COVID-19を軽視している。
そうとしか考えられない。
選挙という競争が、
悪い判断をさせてしまったのか。
競争は意思決定を誤らせることもある。
商人舎流通SuperNews。
ウォルマートnews|
「アズダ」を売却し英国から撤退
ウォルマートは1999年に、
英国3位のアズダを、
67億ポンドで買収した。
ちょうど同じころ、
ウォルマートは米国内で、
スーパーマーケット業態を開発中だった。
それがネイバーフッドマーケットだ。
英国ではアズダは、
テスコ、セインズベリーに次ぐ3番手。
ウォルマートのテコ入れで、
セインズベリーを一瞬、
追い抜いたりしたこともあったが、
絶対的な改革とはならなかった。
しかしそれでもアズダは、
米国内ネイバーフッドマーケット開発には、
大いに貢献したに違いない。
私はこのころ、
㈱商業界の取締役編集統括で、
仏シアルドールの日本代表委員をやっていた。
ヨーロッパによく出かけては、
英国ビッグ3の競争を取材した。
しかしこの地の競争には、
2つの脅威が迫っていた。
第1はeコマースのアマゾンであり、
第2はドイツのアルディ、リドルである。
結局、アズダの改革は進まず、
英国進出ほぼ10年後の2018年には、
セインズベリーとの合併を発表。
これが成就すれば、
首位テスコに迫る規模となるところだった。
しかし英国監督官庁の承認は得られず、
これを断念して、
アズダの売り先を模索していた。
買収に応じたのは、
英国の大手投資銀行TDRキャピタル。
そしてその傘下のザ・イッサ・ブラザーズ。
ザ・イッサは一昨年の2018年に、
クローガーから米国コンビニ事業を買収。
現在、欧米で約6000店舗を展開中。
世界の色分けはどんどん変わっている。
しかしウォルマートの海外直接投資は、
あまり成功していない。
ヨーロッパではドイツで失敗し、
今度はイギリスからも撤退。
結局、ヨーロッパでは成功しなかった。
アジアは韓国から退散し、
中国でも日本でもトップにはなれず。
北米のカナダ、メキシコは好調。
南米ではブラジル、アルゼンチン、
チリおよび中米。
インドやアフリカへの進出は果たしたが、
まだまだ未知数だ。
こう見るとウォルマートといえど、
地元の北アメリカ大陸以外では、
そうそう、うまくはいかない。
流通発展途上国において、
その国の地元資本が成熟する前に、
市場を制圧してトップに立つしかない。
その意味で関東のロピアが、
流通先進地域の関西地区で、
いかにマーケットに定着するのか。
私には確信があるが、
しかし壮大なビジョンをもたねば、
21世紀の成長は見込めない。
このことも確かだ。
夢の実現に向けて前に進む。
そのとき、競争は商人を磨く。
守りに入った競争は、
トランプのように判断を誤らせる。
ネガティブな競争は商人の心を曇らせる。
では、みなさん、今週も、
競争はあなたの仕事です。
Good Monday!
〈結城義晴〉