[日曜版]自由が丘散策と「チャップリンのステッキ」
「川崎洋詩集」を読んでいたら、
「わが愛するチャップリンが」という詩があった。
わが愛するチャップリンが
あるとき
山高帽にステッキの例の格好で
こっそり
チャップリンの そっくりさん大会に
出たら
二等だった
という話が私は好きだ
ステッキの人を見かけると
いつも思い出す
そして誰かに話したくなる
日曜日の夕方、
ステッキの人を探しに(?)、
自由が丘へ。
新型コロナウィルス禍でも、
にぎわっている。
夕日が射してくる。
壁の絵画と自転車。
小さなカウンターバー。
サクラバル。
ちょっと寄りたい。
移動販売のクレープ屋。
とろけるクレープはいつも人気。
これもちょっと食べたい。
そして花屋。
monceau fleurs(モンソーフルール)。
フランス・パリ17区。
モンソー公園の一角のアパルトマン。
その地階に誕生した花屋。
秋の花も艶があって美しい。
花も一本だけ、買おうかな。
ハロウィンプレゼンテーション。
すぐに子どもたちが集まる。
コロナでもインフルエンザでも、
人は集まる。
人々の中に店がある。
かならず店がある。
さりげない店がある。
良い店がある。
ちょっと寄りたい店、
ちょっと買いたい店。
ただし日曜日なのに、
ステッキの人は、
一人もいない。
帰りは東横線で多摩川を渡る。
秋の空。
綿雲。
日が暮れる。
少しずつ冬が近づく。
こうしてみると送電塔も美しい。
いつも夕暮れは
悲しい気持ちで
家路を急ぐボクの
うしろから
やってくる♫
(山﨑眞幹・作詞作曲)
目を地面に落とすと、
YOKOHAMAのマンホール。
ステッキの人が見つからないので、
ひとりで自撮り。
Go! Go! ポーズ。
ムンクの絵のようになった。
ステッキの人を見つけて、
誰かにチャップリンの話をしたいな。
〈結城義晴〉