コロナ禍の「二極化景気」と「ここを押したら あっちが動く」
今日は朝から東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。
メーカーにこそポジショニングが必須だ。
そんな話をした。
それから新幹線のぞみ。
秋の日差しに丹沢山系が浮かび上がる。
しかし富士山は、
肝心なところに雲がかかって、
全然姿が見えなかった。
名古屋、京都といい天気。
そして新大阪に到着する。
加藤徹さんにお迎えいただいて恐縮。
㈱万代ホールディングス社長。
夕食は鉄板焼RIO。
セッティングには、
マスクケースが添えられている。
突き出し3品が絶品。
カウンターで調理してくれる。
アワビ。
「磯の鮑の片思い」
アワビの話題になると、
亡くなった母が必ず口にした。
そのアワビを丁寧に料理してくれる。
ちょっとカレー味でこれも絶品。
それから神戸ビーフ。
テンダーロインとサーロイン。
これを目の前で焼いてくれる。
すごい炎。
YouTubeで公開しました。
最後はチャーハン。これも絶品。
サケとイクラをのせて、
これまた絶品。
私は生ビールとスペインの赤ワイン。
楽しみました。
全員満足。
加藤徹さんとツーショット。
ありがとうございました。
明日は万代知識商人大学第5期の講義。
さて日経新聞「大機小機」
「二極化景気・対策は的絞れ」
コラムニストは追分さん。
「景気」変動を分析する。
日本の景気。
4~6月期に急激に落ち込み、
その後、持ち直したかに見える。
しかし、景気回復の足取りは重い。
日本に限らず、欧米主要国も、
「トレードオフ」に苦しんでいる。
つまり感染拡大抑制と経済活動再開。
景気回復のコースを提示する。
「当初想定されたV字型でも、
U字型でもなく、
ジグザグなW字型になっている」
そして「景気回復の中身も一様ではない」
つまりこれも二極化。
輸送機械や電子部品・デバイスなどは、
輸出が回復している。
だから製造業は、
緩やかながら持ち直しが続いている。
これに対して、
飲食、宿泊、観光など、
個人向けサービス中心の非製造業は、
やや持ち直しているとはいえ、
回復力は弱い。
小売業でも生活必需品の業種業態は、
売上げが伸びているが、
それこそ「不要不急」の業種業態は苦しい。
「米国では、こうした二極化を
“K字型”と呼ぶ識者もいる」
K字の上向きのグループは、
「デジタル関連や生活必需品に関連する企業
さらには富裕層や年金生活者が含まれる」
K字の下向きのグループ。
「人の集積で経済が回っていた地域、
中小企業、未熟練労働者や低所得層」。
「当面はこうした回復格差が
残存する可能性が高い」
コラムニストは悲観的だが、
私もそう思う。
「秋冬にコロナの感染が
大幅に拡大するようなことになれば、
格差はさらに拡大する」
これにも同感だ。
さらに
「下向きのグループへの打撃が強まれば、
いずれ雇用情勢の悪化、
個人消費の低迷や、
不良債権の増加などを通じて、
下向き圧力が経済全体に波及していく」
追分さんは多分、学者だ。
景気全体を見る。
「景気回復に
大きなばらつきがある状況下で
求められる経済政策は、
一律でばらまき型の景気浮揚策ではない」
これこそ、政治や行政に望みたいことだ。
「コロナ禍の打撃が大きい業種、分野を
重点的に支援する必要がある」
さらにその今後の支援にあたっては、
「企業への支援が長期化すれば、
人や資源の固定化を招きかねないことに留意し、
個人への支援を重視すべきであろう」
ここを押したら、
あっちが動く。
そういった発想が極めて重要だ。
ある業種業態を直接、支援しても、
それが長期化、固定化しては、
自律的な自立は果たせない。
日本の農業が長らく、
そんな状況にあった。
個人消費を動かせば、
競争原理がよりよく働いて、
成果が上がるし、景気も回復する。
最後にコラムニスト。
「経済全体の成長力低下を補うため、
デジタル化を推進すべきことは
いうまでもない」
しかし「デジタル庁」創設などでは、
全然、問題解決にならない。
これまた、
ここを押したら、
あっちが動くでなければ、
形だけのデジタル化だけで、
国際的に見れば、
遅れたままに終わってしまう。
〈結城義晴〉