[訃報]ショーン・コネリーの映画「結城義晴が選ぶベスト5」
2020年の11月1日。
新型コロナウイルス年も、
残すはあと2カ月。
年の初めにはまったく、
想像もしなかったCOVID-19禍。
東京オリンピックも延期された。
令和2年となった新元号も、
残念ながら目立たなくなるほど。
しかし11月から年末まで、
年中行事が続く。
国民の祝日は、
11月3日の火曜日、
11月23日月曜日の勤労感謝の日。
後者は三連休となる。
11月15日は「七五三」。
11月第3木曜日は今年は16日だが、
ボジョレー・ヌーボー解禁の日。
アメリカでは第4木曜日が、
サンクスギビングデー。
翌日の金曜日はブラックフライデー。
それから1カ月間、クリスマスまで、
ホリデーシーズンが続く。
アメリカのウォルマートは、
COVID-19禍の今、
ブラックフライデーを、
3回に分けて実施する。
商人舎流通SuperNews。
ウォルマートnews|
ブラックフライデー・セールを3回に分けて開催
混雑を避けながら、
3回のセールを行うことで、
顧客に安全に買物を楽しんでもらう。
と言いつつ、
3回分のセールが実施される。
さて、訃報。
ショーン・コネリーさん。
90歳。
スコットランド人俳優。
西インド諸島のバハマ。
その自宅で眠っている間に、
安らかに大往生した。
ある意味で理想的な逝去だ。
1930年、エジンバラ生まれ。
若いころは苦労して、
様々な仕事を転々としたが、
1962年、007のジェームズ・ボンド役で、
一躍トップスターとなって、
1997年以降は総指揮を兼務しながら、
2003年まで現役を続けた。
最後はナレーターや声の出演だったが、
2012年まで映画に関係した。
スコットランド生まれで、
その祖国の独立運動を支援し続けた。
本業の映画だけでも60数本に出演した。
私もすべてを観ているわけではない。
しかし観た映画の中で絞りに絞って、
「結城義晴が選んだ5本」。
これは、本当につらい選択だ。
それでもあえて選ぶとすると、
時代を逆に並べて、
⑴2000年、「小説家を見つけたら」
晩年の渋い映画だ。
小説家と黒人の少年の交流。
R・B・パーカーの小説「初秋」も同じだが、
大人や老人の男が少年を育てる物語は、
不思議な共感を生む。
⑵1990年、「レッド・オクトーバーを追え!」
ソ連の原子力潜水艦艦長が亡命する物語。
この映画が日本で封切られたころ、
私は「食品商業」の編集長だったが、
スーパーマーケットの店舗サイズを、
「タイフーン級」などと命名して、
雑誌で使っていた。
⑶1989年、「ファミリービジネス 」
三世代の泥棒の物語。
ダスティン・ホフマンが息子、
マシュー・ブロデリックが孫。
祖父役のコネリーが亡くなったあと、
最後に警官たちと泥棒仲間が、
全員で「ダニーボーイ」を歌う。
実にいい。
⑷1987年、「 アンタッチャブル」
エリオット・ネスの相棒ジム・マローン役。
正義感の強い警官役だが、
最後に死んでしまう。
賞には縁が薄いコネリーが、
この映画でアカデミー助演男優賞、
ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞。
⑸1986年、「薔薇の名前」
中世の修道院で、
カトリックの元異端審問官が、
怪死事件の謎解きをする重厚な物語。
こう見ると、
ジェームズ・ボンド役の後に、
コネリーのアクターとしての才能が、
開花した。
1980年代後半の50歳代後半。
これ以外にも、
1989年の「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」。
ジョーンズの父親役として安心感がある。
1996年の「ザ・ロック」は、
サンフランのアルカトラズ島を舞台にして、
これもスリリングな映画だ。
007ももちろん面白い映画ばかりだが、
1963年の第2作が一番だと思う。
「ロシアより愛をこめて」
時代を逆行して、
私が好きな映画を並べたが、
ベスト1はどれかと問われれば、
ん~、難しい。
ショーン・コネリー自身が、
どれが好きだったかと想像すると、
「小説家を見つけたら」だろうか。
いい役だし、いい演技だった。
「ファミリービジネス」は、
ダスティン・ホフマン。
「アンタッチャブル」は、
ケビン・コスナー。
「インディジョーンズ」は、
もちろんハリソン・フォード。
そして「ザ・ロック」は、
ニコラス・ケイジ。
いずれも超人気の名優と共演して、
その相手役を引き立てた。
スコットランド独立の運動家としては、
英国諜報部員のボンド役よりも、
「ファミリービジネス」の、
アイルランド人役が好みだったと思う。
ご冥福を祈りつつ、
これからもビデオで、
ショーン・コネリーを楽しみたい。
〈結城義晴〉