月刊商人舎10月号「完売」と「理を貫くこと」「たましいへの配慮」
今日も1日、横浜商人舎オフィス。
先月号の月刊商人舎10月号特集。
ロピア飛来!大阪寝屋川の陣
平和堂・ライフ・万代の棲み分け競争を描き出す
事前に予約をいただいて、
例月よりも多く印刷したが、
あと在庫は5冊となってしまった。
それでもまだまだ申し込みが来ている。
そこで「完売」のお知らせをした。
ありがたいけれど、
500部単位の注文が来なければ、
もう増刷はできない。
申し訳ありません。
あとは、年極め購読をして、
web版で読んでいただくしかない。
しかしそれはそれで、
過去のすべての特集を含めて、
90号分の記事を読むことができる。
web版はその意味で、
とても便利な機能だ。
大いに有益です。
お申し込みは☞
今日も原稿書きと編集仕事。
あ~あ、疲れた。
それでも充実していた。
商人舎11月号も、
ロピア尼崎島忠ホームズ店を特集する。
その記事を書いている。
今回は「安さ」とは何かについて、
考察した。
さらにスマホやSNSの威力についても、
あらためて考えさせられた。
その結果として、
古いチェーンストア理論の呪縛を、
指摘することとなった。
こちらも早めに申し込んでいただきたい。
広告ページもチェックした。
ありがとうございます。
さて、アメリカ大統領選挙。
案の定、場外乱闘となった。
プロレス並みですね。
結果は確定していないけれど、
ジョー・バイデン新大統領の誕生は確実だ。
ドナルド・トランプ前大統領は、
開票差し止めや再開票を要請したり、
法廷闘争などに持ち込もうとしている。
その合間にCOVID-19感染者は、
1日に10万人を超えている。
日本のSNSなどでも、
トランプ支持者が盛んに、
郵便投票の「不正」を訴えたりしている。
アメリカは病んでいるし、
世界は異常な状況に陥っている。
その異常さこそ問題であると思う。
朝日新聞「折々のことば」
第1985回。
夏が好きだと言いなさい
(中島隆博の恩師)
中国哲学研究者の中島隆博さん。
小学生の頃、教師から、
どの季節が好きかと訊かれた。
「秋が好きです」と答えると、
こう諫(いさ)められた。
「夏が好きだと言いなさい」
編著者は鷲田清一さん。
「斜に構えることを覚え始めた少年の心」
を見抜かれていたらしい。
汗に塗(まみ)れ、
灼熱(しゃくねつ)の陽(ひ)に焼かれる
「夏の幸福」。
その言葉はまぎれもなく、
世のさまざまな習いにふれる直前の、
「”たましい”への配慮」だった。
東京大学出版UP10月号から。
中島隆博さんは、
日本学術会議連携会員で、
東京大学東洋文化研究所教授だ。
鷲田清一さんも、
同じく日本学術会議連携会員。
大阪大学名誉教授、
京都市立芸術大学名誉教授、
元大阪大学総長。
菅義偉首相が2000人いると発言した。
「閉鎖的で既得権益」を、
享受している学者ということになる。
鷲田さんは京都新聞「天眼」に書いている。
10月18日版の「学術と人びとの暮らし」
「学術」とは、
「政府や市場の要求とは独立に、
“理”を貫くという、いわば
職人的な矜恃(きょうじ)にかかっています」
「他人の手抜きを
自分への侮辱のように感じる、
そのような心根です」
「それを維持させるのが
職人でいう同業組合のようなもので、
研究者の場合には
たとえば学会というコミュニティーが
それにあたります」
学会はギルドのような組織だ。
「もちろん一般社会と同じで、
ときにこの矜恃を外す人もいます。
が、学会に属そうが属しまいが、
学問をする人はこの矜恃を
基本的に共有しています」
鷲田さんが言うから説得力が増す。
商人にも「矜持」がある。
「”理”にのみ従うのが唯一の規範です。
司法が”理”のみをもって裁定するように、
学術も”理”のみをもって判断する」
「司法が”理”のみをもって裁定するように、
学術も”理”のみをもって判断する」
「市民による”信託”もそこにかかっています。
だからこそ”理”という公正性以外の基準を
そこに差し込んではなりません」
同感だ。
時を戻そう。
中島さんの折々のことば。
小学生を教師が諫める。
少年は「斜に構えること」を覚え始めていた。
それを見抜いて、
「夏の幸福」を教える。
「”たましい”への配慮」
政治にも学術にも、
ジャーナリズムにも、
そして仕事にも商売にも、
「理」を貫くことと、
「たましいへの配慮」は必須だ。
〈結城義晴〉