11月Message「店が足りない」と米国Pfizerのコロナワクチン
11月10日の横浜駅西口の空。
空にはまだまだ秋の雲。
秋空の夕焼けは透明だ。
しかし冬がそこまで迫っている。
11月の商人舎標語。
そして月刊商人舎11月号の、
[Message of November]
「店」が足りない。
「お客さまから見れば、
店は少ない。
店になっていない店が多過ぎる。
建物が多いだけだ」(『岡田卓也の十章』から)
顧客にとって、
不便な場所にある店、
わざわざ出向くに値しない店は、
単なる「建物」に過ぎない。
顧客はただ、
もっと便利で、
もっと魅力的で、
もっと感動する店を求めている。
もっと必要とする商品を、
もっと必要とする価格で、
もっともっと楽しく、
買物したいだけなのだ。
時代とともに顧客とともに、
自ら考えて、自ら変わっていく。
そんなユニークな店にならねばならない。
模倣困難な店にならねばならない。
時代に適応した店舗は、
どんな地域からも歓迎される。
しかし時代に適応した店は、
いつの時代にも足りない。
変わらない店、
旧態依然の店、
陳腐化した店、
汚い店。
いくらたくさん建物があっても、
本当の店は足りない。
だから魅力的な店が登場すると、
顧客は熱狂する。
いつも、危機感のなかにいる。
いつも、考えて、考えて、考え抜く。
いつも、「やり方」を変える。
いつも、「客のためにある」。
「お客さまから見れば、
店は少ない。
店になっていない店が多過ぎる。
建物が多いだけだ」
〈結城義晴〉
兵庫県尼崎市の競争を見ていて、
そんなことを感じた。
イオン名誉会長相談役の岡田卓也さん。
その著『岡田卓也の十章』
2007年08月22日のこのブログで書いた。
タイトルは、
『岡田卓也の十章』発刊の内幕
Messageはその第一章から抜粋した。
さて今日の新型コロナ新規感染者数。
東京都は293人が確認されて、
これで8日連続で100人を超えた。
大阪府は226人で過去2番目に多い。
最多は8月7日の第2波のときだった。
北海道は166人で、
愛知県が129人、
神奈川県が99人。
全国では1284人。
エール大学の岩崎明子教授。
新型コロナへの免疫応答の研究において、
世界の最前線に立つ研究者だ。
その岩崎さんがコロナ予防対策として、
冬には「加湿器」が効果があると奨めている。
湿度40度から60度がいいそうだ。
だんだん予防や治療の知見が蓄積されてきた。
もちろんマスクの効果は絶大だ。
日々、手洗いを励行し、
三密の「密集・密接・密閉」を避け、
ソーシャルディスタンシング。
仕事場でも、店でも、家でも。
しかし今日、嬉しいニュース。
日経新聞の報道が詳しい。
アメリカの製薬会社が、
COVID-19ワクチンの臨床試験において、
9割で有効性が確認できたと発表。
ファイザー。
Pfizer。
ファイザーとビオンテック(独)の共同開発。
「メッセンジャーRNA」という遺伝子を使う。
ウイルスの遺伝子情報の一部を、
人間の体内に接種し、
その人間の細胞によって、
ウイルスの部品をつくり、
免疫反応を起こす仕組みだという。
7月末に開始した最終段階の臨床試験は、
約4万3500人で行われた。
そこで90%の人において、
感染予防の効果が確認できたという。
年内または年明けにも、
供給が始まる可能性があるらしい。
接種はアメリカの医療従事者から始まり、
年内に最大5000万回分、
来年には最大13億回分を製造する計画だ。
もちろん米国が優先され、
その次に欧州連合に供給されるだろうが、
日本政府もファイザーと合意していて、
来2021年6月までに、
1億2000万回分の接種を確保している。
これは6000万人分である。
有効率9割というのは非常に高い水準だ。
米国食品医薬品局のガイドラインは、
緊急使用許可承認の「有効性の水準」を、
「少なくとも50%」としている。
来年の東京オリンピックは7月だ。
それまでにはワクチンが完成し、
世界的にCOVID-19と、
少しずつ共生できているかもしれない。
そして東京五輪が開催できれば、
海外渡航も徐々に解除されるだろう。
多分、私は来年の秋には、
アメリカに行くことができる。
その時にはワクチンを接種しているだろう。
嬉しいような、まだ不安なような、
変な気分だが。
〈結城義晴〉