ロピア鶴見島忠ホームズ店オープンの「豊かさへの欲求」
11月の三連休最終日は、
勤労感謝の日の祝日だった。
Go Toキャンペーンで煽りながら、
「静かな会食」をお勧めする。
けれど結果として大阪市と札幌市は、
キャンペーン中断。
新型コロナウイルス感染第三波。
その中で、
関西ロピア第3号店。
連休後の火曜日24日にオープン。
島忠ホームズ鶴見店1階への出店だ。
私は朝6時15分に到着。
バックヤード入り口から店内に入ると、
福島道夫さんが出迎えてくれ、
新しい試みを説明してくれた。
㈱関西ロピア社長。
内田貴之さんとも話し合った。
㈱ロピア取締役管理本部長。
そして6時半ごろから全員での朝食。
福島さんお手製の賄(まかない)。
野菜ジュースをつくる。
メインディッシュは、
リブロースの塊を入れたカレーライス。
そして海鮮サラダとデザート。
一人ひとり並んで、
美味でボリュームたっぷりの朝食。
もちろん私もいただいた。
ロピアのオープンの私の楽しみだ。
食後、福島さんが、
チェックスタンドの上部を指差した。
この幸せな食卓の絵の中に、
13個の間違いがある。
間違い探し。
レジを待っている間に、
見つけてもらう。
私も探してみたが11個しかわからない。
それでもレジで顧客を並ばせる店では、
こんな工夫が必要だ。
かつて、このブログでも書いたが、
万代の若い人たちに言ったことがある。
レジで待たせることは仕方ない。
繁盛店では長い列ができる。
しかし、待つ間の顧客のストレスを、
何とか和らげることはできないか。
万代の若い人たちは考えた。
漫才でもやろうか、
クイズを出そうか。
ロピアは「間違い探し」という解答を見つけた。
それもロピア独自の壁面巨大イラストで。
その壁面は関西第3号店で、
さらに進化した。
これはロピアのデザイン室作成。
壁に直接、描き込んだ優れもの。
天井から吊るされた墨文字も、
相変わらずロピアのメッセージを、
強烈に表現している。
8時になると全員朝礼。
ロピア社是とスローガンを唱和する。
アメリカ研修でも毎朝、行われる。
「同じ商品ならより安く、
同じ価格ならより良いものを」
そのあと接客用語。
注意点を簡潔に説明し、
各部門チーフの紹介。
拍手が送られた。
福島社長も手短にMessage。
そして仕上げの売場づくり作業へ。
青果部門は9時過ぎには完成。
関西営業本部青果事業部部長の持田将さん。
最高のトマト売場だ。
私も一緒に記念写真。
顧客は開店前から並んで、
寝屋川店、尼崎店よりも集まった。
三密を避けるために、
屋外駐車場に並んでもらった。
したがって店舗前面の駐車場は、
車を止めずに自転車のみにして、
並んでもらうためのスペースを確保した。
10時予定の開店を、
いつものように9時半に前倒しして、
そのうえで店内への入場はずっと制限した。
それでも顧客は続々と押し寄せた。
ほっと一息ついた昼頃、
関西ロピア社長の福島さん、
㈱ロピア社長の高木勇輔さんと、
三人で懇談。
ロピアの関西進出。
成功裡に終わったと評していいだろう。
競争を激化したというよりも、
新しい競争が生まれた。
それがこの挑戦の意義である。
月刊商人舎12月号で、
「鶴見の陣」として紹介しよう。
夕方までロピアにいて、
そのあと周辺を巡った。
関西スーパー今福店にも行った。
客数はちょっと少なかったが、
「全品10%引き」のキャンペーンを、
2日連続で展開していた。
故北野祐次会長の時代に編み出された。
関西スーパーも伝統の得意作戦をとった。
しかし北野さんの時代と現在とは、
状況が異なる。
そのことは月刊商人舎で解説しよう。
万代鶴見店も訪れた。
鮮魚部門も惣菜部門も、
万代特有の「立ち売り」を展開していた。
万代知識商人大学修了生、現役生がずらりと揃った。
左から日下幸生さん(万代グロサリー部部長)
酒井大輔さん(SV部チーフ)
畑山敏之さん(万代鶴見店店長)
中村吉和さん(第1運営部エリアマネジャー)
高橋博幸さん(グロサリー部スーパーバイザー)
出水謙祐さん(鶴見店畜産チーフ)
畠山店長は万代大学4期生。
左の高本達矢さんは、
第1運営部の農産スーパーバイザー、第5期生。
この万代鶴見店の平均日販は580万円だが、
今日のロピアのオープンの日には、
700万円に上がった。
その理由はどこにあるのだろう。
最後にイオンモール鶴見緑地。
モール全体でブラックフライデーを、
大展開して連休明けにもかかわらず、
顧客を集めていた。
核店舗のイオンの食品フロアも、
価格対応するところは対応し、
さらにイオン独自の展開をして、
いい出来栄えだった。
尼崎とは異なる状況となった。
それでもロピア第3弾は、
地域と顧客に対して、
ますます強烈なインパクトをもたらした。
ロピアの飛来とともに、
競争相手の企業も学習して、
徐々に戦略を鮮明にし始めた。
コロナ禍の第3波にもかかわらず、
新しい競争が生まれた。
国のキャンペーンはなくとも、
国民は感動するものがあると動く。
それを競うのが商業やサービス業だ。
Go Toで高級ホテルや高級旅館が人気だ。
Go to割引されたとしても、
決して安いとは言えない宿泊施設だ。
「豊かさへの欲求」は喪失されてはいない。
現在の経済成長の鍵がここにある。
そしてロピアもそれを体現している。
〈結城義晴〉